【特別企画】映画/アニメ/スポーツなど7種類のコンテンツで徹底検証
東芝「4Kレグザ 58Z9X」画質設定使いこなし検証 − コンテンツ別に最適な設定は?
■CG使用が多くノイズが少ない『ゼロ・グラビティ』は「4KマスターBD」がマッチ
アカデミー賞で数々の賞に輝いた宇宙映画『ゼロ・グラビティ』。筆者も劇場で観て即BDを注文したクチで、画質チェックの際にもよく使用している。
まず、映像については全編にCGが多数使われている作品のためノイズが少なく、BD視聴の設定は「4KマスターBD」の方がマッチする。問題は作中で象徴的な宇宙とスペースシャトル、そして星の明暗をどのように再現するかだろうか。
レグザ 58Z9Xで筆者が視聴した限りでは、直下型LED採用の割にはさほど積極的には黒を沈めてはいない。しかし、これは東芝は黒について伝統的に黒の沈みよりも暗部階調を潰さないチューニングを重視しているためだ。
ここで、宇宙空間のシーン(今回は主にチャプター2で検証している)に浮かぶ星の煌めきを、より突き上げた高輝度で再現するため「ハイダイナミックレンジ復元」を「オン」にしてみると、画面全体の輝度は一時的に下がる。これは質感リアライザーで明部階調のリニアリティが高まることで中間輝度が下がったためで、見た目上の輝度に合わせる画質設定をしていないためだ。
「オン」にした状態で「バックライト」を持ち上げ見た目を揃えると、光のなかにハレーションが浮かぶような中間部のリニアリティが出せる。ただし、実際の映画では編集段階でコントロールしていることが多いため、あえてオンにしない方が制作者の意図に正確になるというのが東芝の開発陣の見解だ。
より「黒を沈めたい」という場合には、「バックライトエリアコントロール」を「強」に引き上げると、全体が暗い『ゼロ・グラビティ』ではバックライトが押さえられ黒が沈む。ただし、『ゼロ・グラビティ』では特にそうだがアクティブにバックライトを動かすと、暗部階調は潰れるので、そこはユーザー自身がどちらを重視するかだろう。