【特別企画】映画/アニメ/スポーツなど7種類のコンテンツで徹底検証
東芝「4Kレグザ 58Z9X」画質設定使いこなし検証 − コンテンツ別に最適な設定は?
■多彩な色彩を描くドキュメンタリー『SAMSARA』はどうする?
日本未公開、日本語版BD未発売の本作は、世界各国の美麗な風景や風習を追った映像ドキュメンタリー映画だ。AVファンの視点としては65mmフィルムがマスターになっており、BD収録の作品としても屈指の高画質タイトル。同時に映し出される映像美は色彩的にも実に面白い。ただし、BDとしての映像フォーマットは広色域ではなく通常のBT.709で収録されている。
レグザ 58Z9Xで本作の視聴に挑んだのは、「直下型広色域LED採用4Kダイレクトピュアカラーパネル」をフルに使うことで、どれほどソースの実力を引き出せるかを確認するためだ。なお、検証は主にチャプター4で行っている。
まず、大前提としてレグザ Z9Xでは、色域がBT.709の信号(つまり、放送波やBDなど一般的なものすべて)では、色域復元、つまり映像信号に含まれない領域までの拡大を行う。その際に最明色(物体色の限界)を考慮した6,144項目の広色域データベースを参照しているのは本企画の第1回(関連記事)で説明した通りで、基本的には初期値の「オート」は「色域復元」と同じとして扱われる。
つまり、この場合の比較相手としては「標準」(BT.709から拡大しない状態)が対象になるのだが、改めて切り替えるとその広色域がテクスチャー感、画面の奥行き感、すべてにプラスに働いていることが判る。もちろん、標準時のほうがBT.709信号にピュアとは言えるのだが、レグザ Z9Xの「オート」は、そのまま使い続けてしまっても問題ないだろう。
ちなみに、「Mastered in 4K」の映像信号が入ったディスクでは、HDMI経由で入力された際にx.v Colorの映像信号として識別されるため、x.v Colorの広色域な色情報が、レグザ 58Z9Xの広い色域に最適にマッピングされて再現される。