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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第91回】こちらも全力でやります!「ポタフェス2014」高橋敦の超個人的ベスト5

公開日 2014/07/01 11:44 高橋敦
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【第1位】完全に間違っていて絶対に正しい

しかし今回のポタフェスで僕に最大のインパクトを与えたのはどのブースのどのメーカーのどのモデルでもなく、ひとりの試聴者さんが持ち込んでいたポータブルシステムだった。それはポータブルと言うにはあまりにも大きすぎた。大きく、分厚く、重く、そして大雑把すぎた。それは正に鉄塊だった。

なん…だと!?おどろきのあまりピントが甘い!

二度見! 思わず二度見! 二度見せざるを得ない存在感! これはなけなしのコミュニケーション能力を振り絞ってお話を聞くしかない!

…というわけでお話を聞かせていただいたのだが何はともあれ、これがどういう構成のシステムなのか見ただけではわかりにくいと思うので、まずはその点から。彼の解説によるとシステム構成は…


第1段|再生機:iPod touch
第2段|DDC:CYPHER LABS AlgoRythm Solo
第3段|DAC:iBasso Audio D12 Hj
第4段|アンプ:ALO audio Rx MK II
第5段|補助電源:USBモバイルバッテリー


AlgoRythm SoloでiPod touchからのDockデジタル出力を受け、AlgoRythm Soloから同軸デジタルでD12 Hjに送り出し、D12 HjでDA変換してアナログ信号をRx MK IIに送り出して増幅。D12 Hjのバッテリーが死亡してしまったのでモバイルバッテリーを補助電源として追加。ケーブルは自作。

…だそうだ。僕がヒロインで彼がラスボスだったら、

「あ、あなたは狂ってるわ…」
「ありがとう。最高の褒め言葉だよ」

…的な会話をせざるを得ない恐ろしいシステムだが、僕はヒロインではないし彼もラスボスではないのでそういう会話はせず、さらにお話を伺ってみた。

最初からこういう化け物じみたシステムを作るつもりはなく、友人から一台のポタアンを譲ってもらったのがきっかけだという。しかしそれをベースに一台ずつアイテムを追加していったら結果こうなってしまったとのことだ。その増築っぷりたるや「ビフォーアフター」で言えば完全にビフォー。匠も真っ青だ。

引き続きおどろきのあまりピントが甘いが別角度から。もはや縦の重ねだけでは無理なので横にまで連結してある

もちろん、いまどきのハイエンドハイレゾポータブルプレーヤーならそれ一台でもっと簡単にすばらしいクオリティとポータビリティを同時に手に入れられる。しかしこれほどのインパクトは持てないだろう。合理性においては完全に間違っているのだが趣味性においては絶対に正しい。世界に一組しかない彼だけのポータブルシステムだ。

というわけで、本連載初レポートのポタフェス2014の主役は一般試聴者だったわけだが、もっと普通にも見所満載だったし、別フロアでの数々のライブイベントも盛況だったようだ。次回にも期待!


高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi
趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。


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