<山本敦のAV進化論>第15回
【レビュー】フルセグもNOTTVも全対応、ドコモの多機能モバイルTVチューナー「TV BOX」
スマートフォンにはTV BOXと直接Wi-Fiで接続する方法と、無線ルーター経由の両方で接続ができる。直接接続する場合はWPSに対応しているので、スマートフォンのWi-FiをオンにしてWPSスタンバイの状態にした後、TV BOX本体のWPSボタンを押せば簡単にペアリングが完了する。もちろんSSIDとパスワードによる認証も可能だ。
接続後にスマートフォンのTV BOXアプリを起動すると、地デジ/NOTTVのほか、本体設定とTV BOXリモコンのメニューがリストに表示されるので、あとはそれぞれ利用したい機能を選ぶだけ。
テレビ視聴・録画のユーザーインターフェースはレイアウトがシンプルでとても使いやすい。Gガイド番組表にも対応しており、番組詳細から録画予約も入れられる。
縦表示の画面には地デジ/NOTTVの切り替えアイコンも設けた。チャンネルの切り替えに要するタイムラグは電波の受信環境にもよるが、筆者がテストした際にはフルセグが20〜30秒の間、ワンセグとNOTTVが20秒前後だった。AQUOS ZETAの内蔵フルセグチューナーではチャンネル切替えが10秒前後だったので、これよりは少し時間がかかる印象だ。
電波の受信感度は、筆者が試した限りではAQUOS ZETAよりも少し良さそうだ。TV BOXは本体にディスプレイを搭載していないので、ディスプレイが発生するノイズの干渉を受けないぶん若干安定感が高いのかもしれない。
Wi-Fi接続のメリットを活かして、TV BOXは電波が安定して受けられる窓際に置いておき、屋内を自由に動き回りながらスマートフォンでテレビを見るという使い方ができそうだ。また、Wi-Fiの電波が届く範囲内であれば、防水スマートフォンを使って風呂場やキッチンでもテレビ視聴を楽しむといったことも可能だろう。
フルセグ内蔵の防水スマホをお風呂テレビ代わりに利用する場合、バスルームの電波(フルセグ/ワンセグ受信)感度が問題になったり、そもそもアンテナケーブルを別途使用するモデルではバスルームに持ち込めなかったりといった問題が出ることもある。受信感度の良い場所にTV BOXを置いてWi-Fiでワイヤレス受信すれば、そうした問題をクリアできるわけだ。
内蔵バッテリーの持続時間についてNTTドコモに確認したところ、iPhone 5s/5cでの目安になるが、フルセグでおよそ5時間、ワンセグとNOTTVなら7時間前後の連続視聴が可能だという。
■TV視聴だけじゃない楽しみ方 − dビデオやdアニメストアも大画面で
TV BOXは本体にHDMIとUSBの端子を備えている。HDMIで外部ディスプレイ機器に接続すれば、テレビチューナーを搭載しないPCモニターで、地デジやNOTTVが見られるようになる。これだけでも便利なのだが、本機でできることはこれだけにとどまらない。