<山本敦のAV進化論>第15回
【レビュー】フルセグもNOTTVも全対応、ドコモの多機能モバイルTVチューナー「TV BOX」
TV BOXにはAndroid 4.1が搭載されている。外部ディスプレイにHDMI接続すると、外部出力時専用のトップメニューが表示され、Androidタブレットやスマートフォンに近い感覚で様々なアプリが利用できるようになる。
メニューの操作はスマートフォンをTV BOXにつないだまま、アプリの「TV BOXリモコン」から行うことができるほか、本体のUSB端子にキーボードやマウスをつないで動かすこともできる。
トップメニューにはテレビやNOTTVのアイコンの他に、ドコモのスマートフォンやタブレットでお馴染みの「dメニュー」や「dマーケット」も並ぶ。「dマーケット」を選択するとスマートフォン版と同じブラウザ画面が表示され、dビデオやdアニメストアなど別途会員登録すればそれぞれのコンテンツが利用できる。PCモニターなど、大きな画面でこうしたコンテンツを楽しめるようになるのが便利なところだ。
■ゲームアプリの操作レスポンスも良好/音楽鑑賞に活用する方法も
インターネットも、Googleやブラウザなどのアプリが利用できるところもAndroidスマートフォンと使用感は一緒だ。「アプリ一覧」の中に入っていくと、「Playムービー」や「YouTube」などのプリインされているアプリのアイコンがずらりと並ぶ。ユーザーのGoogleアカウントが登録できるので、Playストアで購入した映画作品の視聴がTV BOX経由でも楽しめる。
もちろんPlayストアからアプリも追加できた。アプリの中にはTV BOXにインストールできるものとできないものがあるが、利用可能なアプリも少なくない。例えばゲームアプリにも入れられるものがあるので、USB側にゲームパッドをつなげばゲームコンソール的にTV BOXの用途を広げられる。クアッドコア1.5GHzのCPUを搭載しているので、ゲーム操作のレスポンスも悪くなかった。
音声の出力はHDMI経由なので、ディスプレイの内蔵スピーカーで聴く分には大したメリットは得られないが、HDMIパススルーができるホームシアターシステムなどを間に挟めば音楽再生に活用ができそうだ。
■PCモニターも「スマートTV」に早変わり
つまり、TV BOXにはHDMI接続したディスプレイ機器を「スマートTV化」できる機能が搭載されているというわけだ。今回は外部ディスプレイにPCモニターを使用してみたが、例えばソニーの「HMZ-T3」のようにHDMI入力に対応するヘッドマウントディスプレイをつないで楽しむのもアリかもしれない。
本体の価格は1万円台前半になる見込み。すでにドコモのスマートフォンなど利用しているユーザーの場合は、月々500円の「デバイスプラス500」とSPモードの300円/月を利用料金として追加するだけで本機が使えるようになる。パケット通信の利用は「2台目プラス」など1契約を複数端末でシェアできるプランの利用がおすすめだ。
「iPhoneでテレビやNOTTVが楽しめるチューナー」としての側面にフォーカスが集まりがちなTV BOXだが、購入後にも色々な機器と組み合わせて意外な楽しみ方が発見できそうな発展・拡張性の高い端末だ。ガジェット好きには楽しみ甲斐のある製品と言えるのではないだろうか。