世界的DJとのコラボモデルの音質や使い勝手を中林直樹がレポート
フィリップス「A5-PROi」レビュー。オーディオ用でも活躍するプレミアムDJヘッドホン
■実際のDJプレイを想定して作り込まれた仕様
口径50mmのドライバーは、マグネットにネオジウムを採用し、レスポンスの良さを追求。同時に、最大入力は3500mWと許容能力を高めている。それには理由がある。クラブではフロアに響き渡る音が大きく、DJブースの周囲が騒がしい場合も多い。DJはそんな状況で音をモニタリングしなければならないからだ。ゆえに、ヘッドホンの高耐入力は必須のスペックだ。さらに側圧も高く、イヤパッドもしっかりと耳を防いでくれる。イヤパッドは着脱でき、交換することも可能。もちろん、ハウジングも90度回転する設計だ。
ケーブルは着脱可能な片出しで、左右どちらにでも接続できる。ターンテーブルやミキサーの配置はクラブによってさまざまだから、プレイしやすい側に着けられ重宝しそうだ。また、ケーブルは回転させてハウジングとロックする方式が採用され、思わぬ脱落を防いでくれる。
ハウジングには硬質アルマイト仕上げのアルミニウムを採用。ラフに使用してもびくともしない堅牢なつくりである。さらに外側にL/Rの表示を大きくデザイン。これは暗い場所でも認識しやすいようにとの配慮だろう。また、ヘッドバンドも含めマットな質感で、グリップもしやすい。折り畳むこともでき、レコードバッグの中にコンパクトに収納できる。なにかと持ち物の多いDJにとって好都合といえよう。
■DJヘッドホンだからこそ、幅広い音楽への対応性が求められる
さて、アーミンはトランス系のアーティストだと前述した。だが、そのジャンルだけに特化した音づくりでは、真のDJユースとは言えない。それはクラブでプレイされる音楽やDJのスタイルは多様だからだ。
実際に、僕もアーミンほどではないが、頻繁にDJブースに入っていた時期があった。クラブでのDJはもちろん、カフェやレストランでも選曲したものだ。そこでターンテーブルの上に乗せていたのは、ジャズやラテン、ルーツミュージックなど。トランスやテクノ、ハウスについては門外漢だった。そのときヘッドホンに求めていた音は、次曲につなぐために必須なビート、つまり低域が的確に伝わってくること。それだけではない。中高域、たとえばボーカルの存在感やトランペットやシンバルのキレが感じられるかなど。
こうして記してみると、それはホームリスニング用と近いことがわかってくる。その点で本機はどうだろうか。DJユースとされるヘッドホンは一般に低域成分を盛大に放つ傾向にある。そのコンセプトは理解できる。ただ、フィリップスには、ハイエンドモデルを手がけるゴールデンイヤーたちが存在する。だから、きっと生半可な音にはなっていないはずだ。アーミンの提案を活かしながら、彼らがどんな音に仕上げたのだろうか。
ちなみに、ケーブルはDJユースに適した4.7mのカールタイプに加え、1.3mのスマートフォン対応リモコンマイク付きケーブルも付属している。インピーダンスも16Ωと低めの設定だ。ここからもDJたちだけに向けたギアではないことが透けて見えてこないだろうか。
口径50mmのドライバーは、マグネットにネオジウムを採用し、レスポンスの良さを追求。同時に、最大入力は3500mWと許容能力を高めている。それには理由がある。クラブではフロアに響き渡る音が大きく、DJブースの周囲が騒がしい場合も多い。DJはそんな状況で音をモニタリングしなければならないからだ。ゆえに、ヘッドホンの高耐入力は必須のスペックだ。さらに側圧も高く、イヤパッドもしっかりと耳を防いでくれる。イヤパッドは着脱でき、交換することも可能。もちろん、ハウジングも90度回転する設計だ。
ケーブルは着脱可能な片出しで、左右どちらにでも接続できる。ターンテーブルやミキサーの配置はクラブによってさまざまだから、プレイしやすい側に着けられ重宝しそうだ。また、ケーブルは回転させてハウジングとロックする方式が採用され、思わぬ脱落を防いでくれる。
ハウジングには硬質アルマイト仕上げのアルミニウムを採用。ラフに使用してもびくともしない堅牢なつくりである。さらに外側にL/Rの表示を大きくデザイン。これは暗い場所でも認識しやすいようにとの配慮だろう。また、ヘッドバンドも含めマットな質感で、グリップもしやすい。折り畳むこともでき、レコードバッグの中にコンパクトに収納できる。なにかと持ち物の多いDJにとって好都合といえよう。
■DJヘッドホンだからこそ、幅広い音楽への対応性が求められる
さて、アーミンはトランス系のアーティストだと前述した。だが、そのジャンルだけに特化した音づくりでは、真のDJユースとは言えない。それはクラブでプレイされる音楽やDJのスタイルは多様だからだ。
実際に、僕もアーミンほどではないが、頻繁にDJブースに入っていた時期があった。クラブでのDJはもちろん、カフェやレストランでも選曲したものだ。そこでターンテーブルの上に乗せていたのは、ジャズやラテン、ルーツミュージックなど。トランスやテクノ、ハウスについては門外漢だった。そのときヘッドホンに求めていた音は、次曲につなぐために必須なビート、つまり低域が的確に伝わってくること。それだけではない。中高域、たとえばボーカルの存在感やトランペットやシンバルのキレが感じられるかなど。
こうして記してみると、それはホームリスニング用と近いことがわかってくる。その点で本機はどうだろうか。DJユースとされるヘッドホンは一般に低域成分を盛大に放つ傾向にある。そのコンセプトは理解できる。ただ、フィリップスには、ハイエンドモデルを手がけるゴールデンイヤーたちが存在する。だから、きっと生半可な音にはなっていないはずだ。アーミンの提案を活かしながら、彼らがどんな音に仕上げたのだろうか。
ちなみに、ケーブルはDJユースに適した4.7mのカールタイプに加え、1.3mのスマートフォン対応リモコンマイク付きケーブルも付属している。インピーダンスも16Ωと低めの設定だ。ここからもDJたちだけに向けたギアではないことが透けて見えてこないだろうか。