<山本敦のAV進化論 第26回>開発者に製品の詳細と展望を訊く
東芝初のウェアラブル端末「WERAM1100」から考える“ウェアラブル”の未来
「そもそもヘルスケア社は、東芝の内部にある色々な技術をヘルスケアの方向に集約させることで、東芝ならではの強みをかたちにすることを使命としています。東芝が先端の半導体技術により業界をリードしていることは、既にご存知の方も多いかもしれませんが、中でもASSPという特定用途向けLSIの分野におけるノウハウに強みがあり、こちらがウェアラブル端末を展開するうえで重要なキーエレメントになっています。
他にも部品で見ればBluetoothのチップを自社で開発できたり、MCU(マイクロコントローラー)というマイコンと加速度センサーを搭載するICチップの技術も持っています。このようにウェアラブル端末をつくるための一流の技術をセットで持ちながら、これを下地にヘルスケアのコンセプトで伸ばしていくことのできる体制が整っています」と橋本氏は答える。
WERAM1100は8月20日からAmazonとYahoo!ショッピングでのオンライン販売がスタートした。カラーバリエーションは全4色を揃え、Yahoo!ショッピングのサイトでは13,500円(税込)で販売されている。基本的な機能についておさらいしておこう。
本体には加速度センサーを内蔵しており、ユーザーが歩いた歩数や移動距離、消費カロリーなどの活動量をBluetoothでペアリングしたスマートフォンに送り、専用アプリを使って解析ができる。また睡眠時間や睡眠サイクルのモニター機能も備えている。スマートフォンアプリはAndroid版が先行投入されており、iOS版も9月末にリリースされる。
Bluetoothチップは低消費電力のBluetooth Low Energy(BLE)をサポートするほか、BLEに対応しないスマートフォンとの組み合わせでも使えるよう、従来版のBluetoothにも対応している。リストバンド側で蓄積したログデータは端末本体の転送ボタンを押してスマートフォンに送信する仕様だ。
WERAM1100ならではの特徴的な機能は、東芝独自のセンシング技術によりユーザーが活動している状態と睡眠状態を自動で判定する「睡眠自動判定」だ。腕に端末を装着しておくだけで、体の動きや運動量からユーザーが寝入ったタイミングを自動で判別して、通常は手動で切り替えることの多い昼間・夜間のモードを切り替えが自動で行える。
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