【特別企画】ラックスマン/フォステクス/パイオニア/CHORDの4モデル
AKG「K812」「K3003」で人気ヘッドホンアンプ4機種の実力を検証!
■ヘッドホンの描写力が優れているほど、アンプの違いがハッキリ現れる
AKGのフラグシップ2モデルと、4種類の定番USB-DAC+ヘッドホンアンプとの組み合わせることで感じられたのは、ヘッドホンの描写力が優れていればいるほどUSB-DACやヘッドホンアンプの違いがはっきりと表現力の差になって現れるということだ。結果から言えば、音楽の熱気やアーティストの表情をダイレクトに伝えてくれる魅力度では、まずCHORDの「HUGO」を挙げるべきだろう。コストパフォーマンスという視点を加えるとPIONEERの「U-05」もいい。デジタル信号処理の精度とアナログ的な作り込みが巧くバランスしたオールラウンドプレーヤーに仕上がっている。
その一方で、あくまで音が塊となって迫ってくるような風合いを求め、アナログオーディオで培った手法を追求することで上質な音を聴かせるLUXMAN「P-700u」に魅力を感じる人も少なくないだろう。また、いくらハイレゾ時代がやってきたといっても、MP3やCDも聴きたいし、J-POPなどをノリノリのビート感で聴きたい……そんな欲張りな音楽ファンにとってはFOSTEX「HP-A8」の好感度が高くなるに違いない。
それにしてもAKG「K812」と「K3003」が、これほどまでにアンプの違いを聴かせてくれるとは……その優れた描写力とどんなアンプと組み合わせても柔軟に鳴らし切る対応力の高さに改めて感心させられたし、ヘッドホンとアンプの奥深い関係を再認識する機会ともなった。
【試聴ソース】
・プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番第4楽章
ユジャ・ワン(ピアノ)、グスターヴォ・ドゥダメル(指揮)シモン・ボリバル交響楽団
2013年、カラカスでのライブ
・「Cello Bouquet」からドビュッシー:亜麻色の髪の乙女
溝口肇(vc) 2013年、白寿ホール
・バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番
郷古廉(vn) 2013年、プラハ
・ノラ・ジョーンズ「Not Too Late」から「Wish I Coud」
2007年発売
・宇多田ヒカル「First Love」から「Automatic」
2014年リマスター・アルバム
・上間綾乃「唄者」から「安里屋ユンタ」
2011、2012年、代々木ワンダーステーション他
音源はすべてe-onkyo musicからダウンロード。