<山本敦のAV進化論 第36回>
ニール・ヤングのハイレゾプレーヤー「PonoPlayer」が到着!音質&ハンドリングを速報レビュー【動画あり】
バッテリーの容量は2,900mAh。4時間でフル充電になり、そこから8時間の連続音楽再生が可能だ。本体の下側にmicroUSB端子が設けられていて、付属のUSB変換ACアダプタを使うか、ノートPCにつないで給電もできる。本体に音楽ファイルを転送する際には、USBケーブルでPCにつないでドラッグ&ドロップで送れるので簡単。Win/Mac用にオリジナルの音楽管理アプリケーション「PonoMusic World 20」も無償で提供されていて、こちらでPonoPlayer内のファイルを管理することもできる。
フロントパネルには2.5インチのタッチパネル対応カラー液晶ディスプレイを搭載。タッチ操作のレスポンスは悪くないのだが、視野角や色再現など表示性能はあまり高くない。カバーアートの表示やUIのレイアウトは快適に作り込まれているだけに、もう少しパネルに良いものを使って欲しかったようにも思うが、まあ音が良ければこの辺のことは水に流したい。なお本体をPCに接続するとAndroidのフォルダが表れるので、OSはどうやらそれを使っているようだ。
フロントパネルにはさらにボリューム調節に「+」と「ー」、中央に「○」と、3つのボタンが搭載されている。「○」ボタンは電源のオン/オフのほかに、シングルクリックで一時停止、ダブルクリックで曲送り、トリプルクリックで曲戻しと、スマホのリモコン的な操作が採り入れられている。
本体のトップには3.5mmのステレオミニジャックが2基設けられている。左側がヘッドホン出力で、右側がラインアウトになっていて、同時に出力してペアリスニングもできるようだ。さらに「バランスモード」に切り替えることで、ヘッドホン端子とライン出力を同時に使ってバランス駆動もできるようになっている。3.5mmミニプラグ×2でバランス駆動といえば、最近気に入って購入したソニーの「XBA-Z5」が対応してるじゃないか!ということで、後ほどシングルエンドとバランス接続のそれぞれでリスニング感を報告してみたいと思う。
本体ボトムに試聴用の楽曲を入れたmicroSDを挿入して本体を起動。アーティスト/アルバム/楽曲/プレイリストごとにソートされた音楽ファイルを表示する。
操作感については先ほど触れた通り、まずまずのレスポンス。GUIの感触については動画でご覧いただいた方が早そうなので、参考にしていただけたら幸いだ。メニュー設定の項目については幾つかの写真にまとめて紹介する。
さらに次ページからはPonoPlayerの音質に迫っていきたい。
■リスニングタイム〜PonoPlayerの実力は!?
PonoPlayerにはニール・ヤング氏のアルバム「Harvest」から、ボーナストラックとして192kHz/24bit・FLACで収録されている「There's a World」が収録されている。「SONGS」のタブで表示される楽曲リストをよく見ると、本楽曲の右端に青いマークが付いているのだが、これが「Pono Symbol」というもので、PonoMusicで販売されている楽曲に表示される。再生するとプレーヤーのおでこのあたりにあるランプが青色に点灯する。他の楽曲はハイレゾであってもランプは一切灯らず。クリスマスが近いせいか、どういうわけか何とも言えない寂しい気持ちにさせられる。
PonoPlayerはDSD再生には対応していない。再生できないファイル形式のデータは楽曲のリスト上にも表示されない。PonoMusicはプレーヤーの発表当初、「DSDは良いハイレゾフォーマットだけれども、コンシューマーの側だけでなく、スタジオやレーベルなど制作サイドでの対応も進んでいないから。今回の初期リリースの時点ではPCMフォーマットの高音質と互換性の高さにフォーカスしていく」という考え方を表明していたが、3月19日に配信された例の“PONO通信”では、ファンから寄せられた「DSDには対応しないんですか?」という質問への公開回答として、「コミュニティからの要望など見ながら、今後ファーム更新等での対応の可能性を探っていきたい」とポジティブなコメントを残している。これを読んで「なんだ、やればできるんじゃんか」と思ったのだが、もっともPCM変換でということなのだろう。自分にとってはいま急を要するマターではないので、今後の行く末を暖かく見守ろうと思う。