連載第5回
藤岡誠のオーディオワンショット - MCカートリッジのバランス伝送・昇圧方式への誘い<その2>
藤岡誠が、自身の推薦するオーディオ機器、関連アクセサリー、あるいはコンポーネントの組合せ。またある時は新技術や様々な話題など、毎回自由なテーマで原稿を進めていく連載「藤岡誠のオーディオ・ワンショット」。第5回目は、前回に引き続きMCカートリッジ出力のバランス伝送を紹介していく。
■「MCカートリッジ出力のバランス伝送」について前回の簡単なおさらい
「MCカートリッジ出力のバランス伝送・昇圧(増幅)方式への誘い<その1>」では、「1本のアームでMC型、MM型など、各種各様のカートリッジを簡単に交換して楽しめる」という従来からのアナログプレーヤーの利便性と汎用性を認めた上で、MC型ならではの特質(発電コイルのプラス側もマイナス側もアースから完全にフローティングされて振幅するバランス型)を理解し、MC型カートリッジの能力を導き出そうという提案をしている。
いささか遅きに逸した感は否めないが、これまで利便性と汎用性の大義名分の下でMC型に犠牲を強いた不親切な技法を改め、前述したMC型の特質を十二分に活かした、高純度で優れたダイナミックレンジや素晴らしい空間再現性を楽しもうということである。
このアプローチは決して新しい技法ではないが、アナログレコードの高音質再生に熱心なオーディオファイルのほとんどがMC型カートリッジを愛用しているという事実を直視すると同時に、ハイエンドオーディオ志向のカートリッジの新製品がMC型に特化・集中しているという現実からも、皆さんには興味深い方式だと私は思っている。
■バランス伝送関連フォノケーブルと絶対必要な機器
そこで、同方式を実行するにあたって、重要な役割を持つバランス伝送関連フォノケーブルと絶対必要な機器ついて触れよう。それには大別して3ジャンルある。具体的には、バランス伝送対応フォノケーブル、バランス伝送対応昇圧トランス、あるいはバランス伝送対応フォノEQアンプがそれらである。
(1)バランス伝送対応フォノケーブル
「バランス伝送対応フォノケーブル」は、基本的にはアーム側(入力側)が5PIN-DINコネクター、出力側がXLRコネクターの形態である。つまり、5PIN→XLRフォノケーブルである。
しかし、アナログプレーヤー側の出力の出し方が実際には様々で、
(1)フォノケーブルがアーム部から着脱可能(5PIN-DIN)で出力側がRCAプラグ5PIN→RCAというタイプ
(2)フォノケーブルがアームから直接引き出され、その出力端子がRCAプラグのタイプ
(3)フォノケーブルの外部への引き出しはなく、ケース(ボディ)の背面にRCA端子(メス)を固定装備したタイプ
(4)ターンテーブルでアームは付属するがフォノケーブルは別売というタイプ
等々、とにかく各種各様である。詳細は避けるが、ケーブルが着脱可能でも昔のSME3012/3009のようにアームとケーブル間にまったく独自の着脱コネクターが付いたアームもある。なお、現在のSMEのプレーヤーシステムは5PIN→RCAタイプである。
こうしたわけだから“バランス伝送対応フォノケーブル”を一口で処理することはできない。ましてや基本的な5PIN-DIN→XLRフォノケーブルだけでは対応ができないのが実情だ。とにかく実行するに当たっては、現用アナログプレーヤー、あるいは新規購入予定のプレーヤーなどのアームからの出力がどのようなタイプで出ているかを認識する必要がある。その上でバランス伝送に適したケーブルを選択することになる。
実際のバランス伝送対応フォノケーブルは「5PIN-DIN→XLR」タイプを基本として、「RCA→XLR」タイプなどが内外各社から発売されている。その数は意外に多く、今回はくどさを避けるためメーカー名などの紹介はさける。何れにせよ、5PIN-DIN→XLRタイプは海外メーカーが先行。最近になって国内メーカーも活性化している。来春までには数社が、最新の導体“PC-Triple C”を採用するなど巻き返しを図りつつあり、個人的には頼もしく思っている。
■「MCカートリッジ出力のバランス伝送」について前回の簡単なおさらい
「MCカートリッジ出力のバランス伝送・昇圧(増幅)方式への誘い<その1>」では、「1本のアームでMC型、MM型など、各種各様のカートリッジを簡単に交換して楽しめる」という従来からのアナログプレーヤーの利便性と汎用性を認めた上で、MC型ならではの特質(発電コイルのプラス側もマイナス側もアースから完全にフローティングされて振幅するバランス型)を理解し、MC型カートリッジの能力を導き出そうという提案をしている。
いささか遅きに逸した感は否めないが、これまで利便性と汎用性の大義名分の下でMC型に犠牲を強いた不親切な技法を改め、前述したMC型の特質を十二分に活かした、高純度で優れたダイナミックレンジや素晴らしい空間再現性を楽しもうということである。
このアプローチは決して新しい技法ではないが、アナログレコードの高音質再生に熱心なオーディオファイルのほとんどがMC型カートリッジを愛用しているという事実を直視すると同時に、ハイエンドオーディオ志向のカートリッジの新製品がMC型に特化・集中しているという現実からも、皆さんには興味深い方式だと私は思っている。
■バランス伝送関連フォノケーブルと絶対必要な機器
そこで、同方式を実行するにあたって、重要な役割を持つバランス伝送関連フォノケーブルと絶対必要な機器ついて触れよう。それには大別して3ジャンルある。具体的には、バランス伝送対応フォノケーブル、バランス伝送対応昇圧トランス、あるいはバランス伝送対応フォノEQアンプがそれらである。
(1)バランス伝送対応フォノケーブル
「バランス伝送対応フォノケーブル」は、基本的にはアーム側(入力側)が5PIN-DINコネクター、出力側がXLRコネクターの形態である。つまり、5PIN→XLRフォノケーブルである。
しかし、アナログプレーヤー側の出力の出し方が実際には様々で、
(1)フォノケーブルがアーム部から着脱可能(5PIN-DIN)で出力側がRCAプラグ5PIN→RCAというタイプ
(2)フォノケーブルがアームから直接引き出され、その出力端子がRCAプラグのタイプ
(3)フォノケーブルの外部への引き出しはなく、ケース(ボディ)の背面にRCA端子(メス)を固定装備したタイプ
(4)ターンテーブルでアームは付属するがフォノケーブルは別売というタイプ
等々、とにかく各種各様である。詳細は避けるが、ケーブルが着脱可能でも昔のSME3012/3009のようにアームとケーブル間にまったく独自の着脱コネクターが付いたアームもある。なお、現在のSMEのプレーヤーシステムは5PIN→RCAタイプである。
こうしたわけだから“バランス伝送対応フォノケーブル”を一口で処理することはできない。ましてや基本的な5PIN-DIN→XLRフォノケーブルだけでは対応ができないのが実情だ。とにかく実行するに当たっては、現用アナログプレーヤー、あるいは新規購入予定のプレーヤーなどのアームからの出力がどのようなタイプで出ているかを認識する必要がある。その上でバランス伝送に適したケーブルを選択することになる。
実際のバランス伝送対応フォノケーブルは「5PIN-DIN→XLR」タイプを基本として、「RCA→XLR」タイプなどが内外各社から発売されている。その数は意外に多く、今回はくどさを避けるためメーカー名などの紹介はさける。何れにせよ、5PIN-DIN→XLRタイプは海外メーカーが先行。最近になって国内メーカーも活性化している。来春までには数社が、最新の導体“PC-Triple C”を採用するなど巻き返しを図りつつあり、個人的には頼もしく思っている。