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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第113回】プロフェッショナル“試聴”の流儀〜オーディオライター 高橋敦

公開日 2015/01/30 12:17 高橋敦
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■プロフェッショナルとは、

二週間後、高橋の書いた記事がある雑誌に掲載された。原型を…止めていない。

「そういうこともありますよ。僕が依頼の意図を見落としていて要素が足りなかったかもしれないですし、原稿を素材に編集しまくって完成させるタイプの編集部や編集者の方だっていますし。この連載は良くも悪くもほとんどそのまま掲載されてますけど、むしろだいじょうぶなんですか?」

しかしそれでは高橋の意図、原稿時点での文意が読者に正しく伝わらないこともあるのではないか。

「そういうこともありますよ。意味が逆になったりすることもあります。でもそれは、僕の文章力が足りなかったということでしょう」

原稿が編集されて意味が逆になるのは筆者の文章力不足。どういうことなのか。

「原稿の文章でこちらの意図や重点を編集者に正確に強く伝えることができていれば、読み違えたり読み落としたりした編集をされることはない。そういう意識で書くということです。編集者に正しく伝わらない文章なんて読者にも正しく伝わりませんし」

最後に聞いてみた。プロフェッショナルとは、

「1週間に18時間、声優アニメ関連ラジオを聴くことです」

……何を言っているのかわからなかったのでもう一度聞いてみた。

「1週間に18時間、声優アニメ関連ラジオを聴くことです」

念のためもう一度だけ聞いてみた。

「1週間に18時間、声優アニメ関連ラジオを聴くことです」

…なにいってるの?

「ラジオは極端な例ですが、それに限った話ではないんです。声優でもアニメでもオーディオでも音楽でも何でも、読者の方々と同じくその趣味に様々なものを日々費やしていてこそ、読者の方々に時間を費やしてもらうに値する記事を書ける、その可能性を得ることができる。読者の方と同じ土俵に立たせてもらえる。そう思います」

常在戦場。それがプロの日常。

「でも仕事とは関係なくラジオも音楽も聴いてましたし仕事につながらなくてもラジオも音楽も聴きます。仕事のために努力や苦労をしているわけでもないので、『プロの日常』なんて立派なものではないです。強いて言えば…『夢を見るのはお客さん。私たちは…夢を見せる、それが声優!』」

…だからなにいってるの?

「最後に何かそれっぽいことを言ったほうがいいのかと思って、あさのますみさん原作、畑健二郎さん作画『それが声優!』から引用してみました。今夏にアニメ化されます。その前に『アニスパ!』終わっちゃうけど。あと鷲崎健さんの新アルバムと初ソロライブも発表されました。その前に『アニスパ!』終わっちゃうけど」

この日、高橋は夕方5時に仕事を切り上げた。

「超A&G+『上坂すみれ Lady Go!!』の放送が始まるので…」



(プロフェッショナル“試聴”の流儀〜オーディオライター 高橋敦〜/終)

高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi
趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。


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