【特別企画】ルームチューニングアイテム」「アンク」「シルヴァンユーザー訪問
3.3畳の狭小空間がコンサートホールに!? 日東紡音響「アンク/シルヴァン」の調音効果とは?
■限られたスペースのなかに日東紡音響のANKHを導入を導入 |
日東紡音響エンジニアリングのルームチューニングアイテム「アンク」「シルヴァン」のユーザーをご紹介する同企画。今回ご紹介するのは神奈川県にお住まいのWさんである。
まずはお部屋の写真をご参照いただきたい。この部屋がわずか3.3畳だとは想像もできないはず。この限られたスペースの中にあって、部屋の後面に「コーナーアンク」が各1台、左右に「シルヴァン」が各1台、前面のスピーカーの間に「アンク」が1台設置されているではないか。さらに、写真には写っていないが“アンクミニ”「ANKH-III」と「ANKH-V」も導入されている。それでいて、見た目として無理矢理入れた感じがしないのは驚きである。
最初から度肝を抜かれてしまったが、Wさんに導入までのいきさつを伺ってみた。Wさんは転勤の多いご職業に就かれていながらも、オーディオを楽しんでいる方で、以前お住まいの地域では、ベルウッドランシングのフルシステムを同社のアンプ6本でマルチ駆動して楽しんでいた。プリも同社製で左右別本体+左右別電源の4筐体のものである。まさに筋金入りのオーディオファンだ。
「以前の住まいは木造の一軒家で、6畳くらいのオーディオルームだったのですが、音がこもらないで、ものすごく良かったのです」
やはりWさんは機器だけでなく部屋の重要性を熟知されている方に違いないと察することができた。
■防音対策をしたことにより洞窟のような部屋になる |
現在のお住まいは神奈川県の都市部にあるマンションの1室で、2年半くらい前に引っ越してきたばかり。そしてこの空間をオーディオルームにすべく、Wさんのプロジェクトが開始したのだ。
まずは業者に頼んで防音工事をしてもらった。防音用の30cm厚の壁が設けられた結果として、もともとは約5畳あった部屋が、3.3畳になってしまったのだ。たたでさえ限られたスペースが、さらに狭くなってしまったのだが、夜中などに音楽をめいっぱい楽しむためには、防音は必要不可欠な要素なのだ。
そして、完璧な防音ができた反面、音に関してはとんでもないことになってしまったという。
「防音をしたら、逆に音が抜けるところが全くなくなってしまい、低音がワンワンしてしまいました。まるで洞窟の中にいるような感じでした。セッティングを替えても全然だめで、長時間部屋に入ることすらできませんでした」とWさんは当時を振り返る。
■コーナーアンクを導入 − 低域のヌケが格段に向上する |
そこで、かねてより興味を持っていた日東紡音響のルームチューニングアイテムに注目し、引っ越してから半年たった時点で、本誌でもお馴染みである、同社の山下さんに相談することを決めた。
「Wさんからは直接お電話をいただきました。お部屋のスペースが限られているということで、当初はシルヴァンを1本お持ちすることをご提案しましたが、せっかくだからアンクもコーナーアンクも全部持ってきて欲しいというご要望をいただきました」と山下さん。
当日はマンションの駐車場で吟味しながら1アイテムずつを入れていく作業を開始したが、Wさんは「低域にいちばん効く」という理由で、「コーナーアンク」に最も興味をもったので、これをリスニング位置の背面に1台設置してみることにした。
「音楽を再生する以前に、しゃべる声と部屋の空気感がガラリと変わりましたね。実際に音楽を聴くと低域のヌケが非常によくなりました。この効果は価値があると思い、コーナーアンクを導入することにしました」
3.3畳という限られたスペースながら、Wさんのオーディオルームには音楽を楽しむ以外に余計なものは一切ない。CD等のソフトに関しても大半をリッピングしてしまい、特製のPCオーディオシステムで再生しているのだ。そんな整然とした空間であるからこそ、「コーナーアンク」を無理なく納めることができ、広い部屋以上に大きな効果を発揮したに違いない。
■左右にシルヴァンを追加するころで音が広がり、低域もさらに伸びる |
「コーナーアンクを入れてから、音楽を聴く時間が長くなりましたし、音質的に気になる部分が明確になったため、セッティングを見直すこともできました。でも、いちばんびっくりしたのは、山下さんに2回目に来ていただいた時でした」
Wさんはさらに左右の壁に「シルヴァン」を追加することを決めたのだ。
「シルヴァンのご注文をいただいた際、あのスペースにどうやって入れるのだろう?と正直思いました」さすがの山下さんも驚いたという。
しかしこのような心配をよそに「シルヴァン」も部屋の中でサイズを測り、CDラックを取り外すなど、シミュレーションを踏まえた上で注文したもの。予定通り見事に違和感なく設置することができたのだ。
「コーナーアンクを入れた時点で効果の高さは十分に実証済みでした。ただ音が中心に寄ってしまう部分がありました。ですからシルヴァンを入れることで、音が左右に広がったのは大きかったですね。低域がもう1段階伸びるようになったのも驚きです。霧が晴れたような印象になりました」
■正面にアンクを設置し前後のステージ感が生まれる |
さて、Wさんのプランはこれだけでは終わらなかった。正面に「アンク」を設置することを決めたのだ。
「正面にアンクを設置することで、ヴォーカル等の中域がさらに自然になって、前後のステージ感も出てきました。音像の中の前後感や音色も変わってくるのがよくわかりました」
実際にこの部屋で音楽を聴かせていただいたが、目をつぶれば3.3畳がコンサートホールのような広さになっているのを感じることができた。さらに広いだけでなく、正確な定位感、自然な音色どれをとっても本当に抜け目がない。
「オーディオは狭いところでも、そしてブックシェルフのスピーカーでもここまでスケールのある再生ができるのだということをお伝えしたいですね。それから、コーナーアンク、シルヴァン、アンクはこの3つの効果が連動することで相乗効果が生まれているのではないかと思います」
その後、天井・壁コーナー用の「ANKH-V」も導入。その効果についてWさんは「主に中高域がすごくよくなりました」とコメント。「天井が高くなったかのように音響空間に高さが感じられるようになりました。そしてとても自然で、肩の力を抜いて音楽に浸れるようになりましたね」と語る。
こんな素敵な空間を独り占めできるなんて、羨ましい限りだ。Wさんのオーディオの楽しみはここから始まっている。
【問い合わせ先】
日東紡音響エンジニアリング(株)(公式サイト)
〒130-0021 東京都墨田区緑1-21-10
コンシューマー営業部 山下、佐古
TEL/03-3634-7567
E-mail:ags@noe.co.jp
※試聴ルーム「サウンド・ラボラトリー」(千葉市稲毛区)試聴募集中(予約制)
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