Macが“テレビ不毛の地”を返上?
【レビュー】 Mac用テレビ視聴ソフトの真打ち登場、「StationTVLink」を試す
再生コントロールは、他のDLNAクライアントと同じと考えていい。再生中のスキップは15秒間隔での順送りと10秒間隔での逆送りのみ、チャプタースキップ機能もない(DLNAの仕様上やむをえないが)。もっとも、最近のMacはトラックパッドが当たり前、画面下部にあるスライダーを操作することは苦ではないので、ストレスは感じない。
MacらしいUIも用意されている。ウインドウ右上にある「□□□」ボタンをクリックすると現れる「フリックカード選局」は、そのとき選択されているジャンルの番組の情報をタイル状に表示、トラックパッドを指2本で左右へフリックすれば切り替えることができる。フリックの勢いによりタイルの速度も変わるため、直感的に操作できるところがうれしい。
肝心の映像再生クオリティだが、結論からいえば「帯域次第」となる。ルーターとIEEE 802.11acで接続したMacBook Air(11-inch、Mid 2013)を使い、地上波専用にセッティングしたnasne(ファームウェアは最新版のv2.51)でテストしたところ、DRモードで録画した番組は滑らかに再生でき、MacBook Airのフルスクリーン(1366×768ピクセル)にリサイズしてもジャギーは発生しなかった。
しかし、前述したとおりクオリティは帯域次第。高画質(DR)モードで録画した番組は、コンスタントに20Mbps程度の帯域は確保したいところだが、それを下回るとしきりに映像と音声が途切れることになる。
nasneの場合、指定した画質モードにかかわらず持ち出し用に480pのデータが自動生成されているのだが(TV SideViewなどのアプリはこれを利用して滑らかな再生を実現している)、StationTVLinkは指定した画質モードそのままを再生する。この点を考慮して録画予約するか、できるだけ電波の状態がいいWi-Fi環境で利用すべきだろう。
(海上忍)