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アニソンオーディオポータル:レビュー第3回

アニメ「艦隊これくしょん -艦これ-」楽曲を超豪華“艤装”(スピーカー)で聴く!

公開日 2015/05/26 13:00 赤江ユウ
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ここからはTVアニメ「艦隊これくしょん -艦これ-」キャラクターソング『艦娘乃歌』を紹介していきたい。全12曲が収録されているが、うち6曲がヴォーカル入り、残りの半分がインストゥルメンタル・バージョンとなる。よって本稿では、ヴォーカル入りの6曲を順に取り上げていく。

●『艦娘乃歌』

『艦娘乃歌』(VTCL-60395/FlyingDog)



「進め! 金剛型四姉妹」

左から「金剛」、「比叡」、「霧島」、「榛名」



サビの聴き分けが楽しいし、サビ前の金剛のセリフがしっかり聴き取れるのも大きい
その名の通り、金剛型戦艦のネームシップとなる「金剛」を1番艦とし、2番艦の「比叡」、3番艦の「榛名」、4番艦の「霧島」という姉妹艦のキャラクターソング。気合! 入れて! 聴きます! 作・編曲は斎藤悠弥、作詞はminatoku/松井俊介。そして、歌は金剛型四姉妹(CV:東山奈央)だ。

4人いるはずなのに、CVは1人。そう、これがまさしく演じ分け/歌い分けの楽しめる曲なのデース。明るく提督へのバーニングラブを表現する金剛、そんな金剛ラブを露わにする比叡、そんな姉を優しく見守る榛名、頭脳キャラでもノリが良い霧島。そのあたり、歌からはっきり分かるのはまさしくプロの仕事。特に金剛の存在感たるや尋常ではない。ちなみに、史実に則り英国生まれとなる金剛は英語交じりの日本語を話し、イントネーションにもそのニュアンスが混じるのデース。楽曲は聴くだけで楽しくなってくるようなポップチューンで、全体的にノリが良い。

アニメでは第4話にて四姉妹がライブで歌っているが、その際は1人ずつのソロ、そして金剛の合いの手というパートで、その後4人は横一列に並んでいるのを確認できる。一方CDでは、1つのマイクに対し入れ替わりで歌っているように、ヴォーカルの姿が浮かび上がる。であるならば、定位云々ではなく単純な声の聴き分けに集中したい。別に名前で選んでいるわけではないが、Gold 300が良かった。いや、本当に。結局のところ、声色が変わると音域が変わるので、広い範囲での再生能力を持ったスピーカーの方がはっきりと違いを感じられるようだ。


「どこまでも響くハラショー」

第六駆逐隊の「響」



ラスト・ハラショーの明らかな違いがよりハラショーだ
こちらは暁型駆逐艦の2番艦である「響」のソロ楽曲。作・編曲、作詞はbaker。歌は響(CV:洲崎 綾)だ。楽曲はロシア民謡を意識した音の選択がなされており、裏打ちのリズムが保たれたままクールに展開される。響のクールな性格を表すように、歌声も静か。力みを感じさせず、かと言って抜いて歌っているわけではない、ヴェールの向こうにあるようなミステリアスさが印象的だ。なお、「暁」「雷」「電」の姉妹は歌に参加していないが、この曲調ならさもありなん。一人前のレディーにもっと頼りたいところだがこればかりは無理、なのです!

表情を変えないまま歌っているような響の姿を幻視してしまうほどだが、これは楽曲の音の配置の妙により実現していると推測される。つまり、それを正確に再現するようスピーカーと耳の位置を合わせることで、貴方の部屋にも響が現れるはずだ。なお、わりと小さめの音量での再生が最も印象が良い。小さなスピーカーでコンパクトにまとめるのが良さそう。今回の感覚としては地面から130cm前後の場所に口元があるように思えた。


「初恋! 水雷戦隊」

左から川内型軽巡洋艦「神通」、「那珂」、「川内」



落ち着いて澄んだ歌声、これがギャップ萌えというやつか
アニメにおいて吹雪が最初に配属された、第三水雷戦隊に所属する川内型軽巡洋艦の3番艦「那珂」のソロ楽曲。作・編曲、作詞はHige Driver。歌は艦隊のアイドルこと、那珂(CV:佐倉綾音)だ。何ともキャッチーなアイドル・ソング、Hige Driverならではの音色と展開でヘヴィループ必至だ。いわゆるチップチューン、ポップな電子サウンドがひしめき合い、そのセンターに那珂が位置して弾けるような歌声を響かせる。ソロ曲ではあるが仲の良い姉妹のこと、おそらくコール&レスポンスに参加していることだろう。

生楽器の録音をオーディオで聴くと良くなるというイメージはあれど、電子音を聴くことの意味に疑問を抱く方もいるかもしれない。録音やマスタリング方法など書き出せば長くなるので省くが、簡潔に言えば、とても良い。楽しい曲はより楽しく聴こえるようになる。この曲ではアクセントとなる音が多用されているが、それが嫌な刺激になることはなく、スルッと耳に滑り込む。そうなるとテンポの良さにつられて、思わず足がリズムをとっている。またその他の聴きどころとして、底抜けに明るい歌声がすっと柔らかくなるパートを挙げたい。

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