海上忍のラズパイ・オーディオ通信(1)
5,000円の手のひらコンピュータ「Raspberry Pi」で自作オーディオを始めよう!
■まだまだ続きます
オーディオ機器としての伸び代の大きさも、"ラズパイ・オーディオ"の魅力といえる。サウンドファイル再生プログラム(コマンドの形で多数用意されている)を最新版に入れ替えれば、音によい影響が出てくるはず。不要なサービスを止めてシステム負荷を軽減しノイズを抑制する、といった設定変更でのチューニングはいくらでも手段があるし、より音楽再生に適したカーネルに置き換えてしまうことすら可能だ。ここまでのカスタマイズは、一般的なPCオーディオ(Windows/Mac)では不可能に近い。
ケースなどアナログ/アコースティックな部分に関しては、まっさらな状態に近く、いかようにでも変えられる。金属製のケースを自作するとなると、相当な費用が発生しそうだが、いずれ手がけていきたいものだ。
なんでもアリが魅力というPCオーディオの進化形が"ラズパイ・オーディオ"だが、できること、やるべきことはまだいくらでもある。前述したケースもそうだし、ユーザビリティの点でも大いに改良の余地がある。USB DACなど市販製品の利用については、メーカーの積極的なサポートは期待できそうにないが、ユーザレベルでの情報共有を行えばだいぶ状況は変わるはず。
筆者としては、Phile-webのような媒体やオーディオメーカーとの接点を生かしつつ、このプラットフォームを積極的に支援していきたいと考えている。近々、ハイエンドの機器と組み合わせたときどのように聞こえるのか、某所の視聴室に出向き実験してみる予定なので、期待していただきたい。
(海上忍)