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手持ちヘッドホンでサラウンド再生

ドルビーアトモス対応タブレットの実力とは? 「LAVIE Tab E」ファーストインプレッション

公開日 2015/07/21 11:48 山本敦
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ステレオ音声もサラウンド変換して再生可能

さて、「LAVIE Tab E」シリーズでは、ドルビーアトモスでエンコードされていないコンテンツ、たとえばステレオ音源を再生した場合でも、ドルビー独自の技術により、高さ方向も含んだサラウンド音声に変換して再現できる。

タブレットにプリインストールされている「Dolby」アプリでは、ドルビーアトモスの詳細設定がカスタマイズできる。

「Dolby」アプリではスペクトルビジュアライザーを操作しながらユーザーが好きな音を作り込める

「Dolby」アプリのアイコンが並ぶ

8型の「TE508」シリーズではドルビーアトモスのON/OFFが選べるので、その効果を試すためにGoogle Playストアで購入した映画「華麗なるギャッツビー」を視聴してみた。

8型の「TE508」シリーズではDolbyのON/OFFが通知トレイ上でも設定できる

効果音の粒立ちに磨きがかかり、役者の声の鮮度や透明感も段違いにアップする。空間再現は特に高さ方向の制約から開放されたような伸びやかさを感じた。濃い密度のサウンドが、映像だけでは表せない物語の情景をより生々しく伝えてくれる。このタブレットでエンタメ系コンテンツを楽しむなら、ドルビーアトモスを積極的にONにしない手はないだろう。

なお10.1型の「TE510」シリーズの場合、ドルビーアトモスの効果が常時ONに設定されている。8型のアプリの画面でドルビーアトモスのON/OFFを選ぶスイッチが置いてある場所には、10.1型モデルの特徴である「スピーカーサウンドバー」のモード切り替えスイッチがある。

10.1型のタブレットはドルビーアトモスが常にON。「スピーカーサウンドバー」のモード切り替えが行える

「Dolby」アプリで各種設定が可能

「Dolby」アプリには、ドルビーのエンジニアが調整した「映画」「音楽」「ゲーム」「ボイス」の4種類の音場設定のプリセットが用意されている。それぞれコンテンツに合わせて最適な設定を選べるというわけだ。

ユーザーオリジナルのカスタマイズプリセットも2つまで記録できる。プリセットは画面左側に並んでおり、どれか一つを選んでから、画面の右側に表示されるスペクトルビジュアライザーを見ながら、タッチ操作でより好みに近い音に追い込める。

ほかにも、ヘッドホンやスピーカーから再現されるサラウンドの効果を高める「サウンドバーチャライザ」、センターチャンネルのセリフの音声をより聞こえやすくする「ダイアログエンハンサー」、コンテンツやアプリの音量を一定に整える「ボリュームレベラー」と、3つのドルビーサラウンド技術もON/OFFが選べる。

実は今回が筆者にとって、モバイル版ドルビーアトモスを体験する初めての機会だった。そのとても自然なサラウンド感は、映画館やホームシアターに迫るというより、むしろ現実世界の音に近づいているように感じられた。リアリティを追求するサラウンド技術には終着点がないということを、改めて思い知らされた。



LAVIE Tab Eシリーズが発売された直後の時点では、残念ながらまだモバイル機器で楽しめるドルビーアトモスコンテンツは市場に出回っていないが、一方では世界中で275以上の映画作品にドルビーアトモスが採用され、公開されてきた実績がある。これらのコンテンツがモバイルで楽しめるようになってほしいものだ。

またレポートした通り、ドルビーアトモスに対応していないコンテンツについても、臨場感を高めるドルビーサラウンドで楽しめるのも魅力的だ。

海外ではレノボなどからもドルビーアトモス対応スマホ/タブレットが発売されているが、今後国内でもドルビーアトモス対応モバイル機器が増え、体験できる機会が広がることを願っている。

(山本敦)

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