USB-DACと組み合わせてネットワーク再生
iPhoneでネットワーク再生!? ハイレゾ対応アプリ「Ne Player」のDLNAレンダラー機能を試す
■iOSデバイスと外部DACを接続して再生する
対応するUSB-DACであれば、iPhoneとの接続も非常に簡単だ。今回はiFI-Audioの「nano iDSD」を使用したが、ドライバのインストールや各種設定を行う必要なく、接続後すぐに認識され、使用可能になった。Ne PLAYERは再生中の音源それ自体のスペックと出力時のスペックを表示するため、それによって各種ハイレゾ音源がきちんと再生できているかも確認できる。
nano iDSDには入力されている音源のスペックを本体のLEDの色で示す機能がある。「本当に音源のスペック通りに再生されているのか」という不安はハイレゾ再生につきものだが、Ne PLAYERを使う限り、心配する必要はなさそうだ。
実際に使ってみて、Ne PLAYERはレスポンスよし、デザインよし、安定性よしの優れたハイレゾ再生アプリだと言える。現在リリースされているほとんどどすべての音源を再生可能であり、USB-DACとの接続も簡単。基本的に挿せば繋がり、すぐにハイレゾ音源が再生可能。ドライバのインストールやソフト側の設定も不要だ。
ただ、単に「ハイレゾ音源が再生できる」というだけでは、他にも再生アプリが色々と存在するため、それほどNe PLAYERの強みとはならないことも事実である。そこで重要になるが、今回のアップデートで獲得したネットワーク機能である。
3、ネットワーク機能で広がる可能性
バージョン2.0.0でUPnP/DLNAに対応したことで、Ne PLAYERはDLNAのDMS(サーバー)やDMR(レンダラー)、DMC(コントローラー)として使えるようになった。各機能についてかいつまんで説明すると、以下のようになる。
サーバー:Ne PLAYER(端末)側に保存された音源を、ネットワークに接続されたDLNA対応プレーヤーから再生できる
レンダラー:DLNA対応サーバーに保存されている音源を、ネットワーク(Wi-Fi)経由でNe PLAYERから再生できる
コントローラー:DLNA対応サーバーとプレーヤーで音楽を聴く際のコントロールをNe PLAYERで行うことができる
(サーバー・レンダラー・コントローラーの各役割の詳細については別の記事で詳しく解説しているので、興味のある方は参照してほしい。)
それでは、設定からネットワーク機器接続がオンになっていることを確認し、実際にNe PLAYERのネットワーク機能を使ってみよう。
まずは、Ne PLAYERのサーバー機能を使ってみる。画面上部にあるスピーカーのアイコンをタップすると、ネットワークに接続されたプレーヤーの一覧が表示されるので使用する出力先を選択する。この状態でNe PLAYERに保存されている音源を保存されている音源を再生すると、ネットワーク経由でプレーヤーから音が出る、という仕組みだ。イメージとしてはアップルのAirPlayに近い。
Ne PLAYERをサーバーとして使うことにより、「音源があるのも操作するのも手元の端末、それでいて音が出るのは外部のプレーヤー」という、操作性と音質を両立した環境を構築することが可能になる。
ただ、Ne PLAYERをサーバーとして使う場合は大きな問題がある。「端末の容量」という問題である。ハイレゾ音源は重い。これはどうしようもなく事実だ。音源のスペックが高くなるほどファイルサイズは膨れ上がる。一例として、筆者の持っている352.8kHz/24bitの音源は1アルバムで約7.6GB、DSD 5.6MHzの音源は1アルバムで4.1GBにもなる。
多くの場合、数十GBの容量のなかでやりくりしなければいけないスマートフォンやタブレットにおいて、ハイレゾ音源のファイルサイズは大きな問題となる。CD相当の音源だけならばまだしも、「ハイレゾを含む手持ちの音源すべてをスマートフォンまたはタブレットに保存する」というのは現実的に難しい。
すなわち、Ne PLAYERをサーバーとして使おうにも、そもそも端末に保存できる音源の絶対量が少ないために、活用できる範囲が限られてしまう。
■レンダラー機能+USB-DACでネットワークプレーヤーとして使う
そこで生きるのがレンダラー機能である。音源は大容量のサーバーに保存しておき、そこからNe PLAYERを使ってワイヤレスでストリーミング再生をすれば、端末の容量は問題ではなくなる。外出時に聴きたい音源やこれぞというハイレゾ音源だけを端末側に保存し、それ以外の音源はサーバーからネットワーク経由で聴くという使い方が可能になる。
さらに192kHz/24bit・DSD 5.6MHzまでの音源がそのまま再生できるため、対応するUSB-DACと組み合わせることで、Ne PLAYERをハイスペックなワイヤレス・ネットワークオーディオプレーヤーとして活用できるようになる。ワイヤレスというと音切れや操作のレスポンス低下が気になるが、筆者が試してみた限りそのような問題は感じられず、ハイレゾ音源もスムーズに再生することができた。※編集部注:本アプリはDSDのネットワーク再生は公式には対応していません
サーバーを用意し、Ne PLAYERとUSB-DACを組み合わせれば、手持ちのすべての音源を、PCを介することなく手元から再生できるシステムができ上がる。
外出先では端末側に保存した音源を聴き、自宅ではサーバーに保存された音源を聴く。家でも外でも、CD相当でもハイレゾでも、PCMでもDSDでも、Ne PLAYERに音楽再生のすべてを集約可能となる。
また、Ne PLAYERとUSB-DACの組み合わせはヘッドホンだけでなく、アンプやスピーカーといった据え置きのオーディオシステムに繋げて聴いてもいい。規模的にはデスクトップに収まるような小型のシステムが最適ということになるだろうが、ポータブルから据え置きシステムへスムーズに移行できることの意味は大きい。
■コントローラー機能も備える
続いて、コントローラー機能について。結論から言えば、あえてネットワークオーディオのコントロールのためだけにNe PLAYERを使う必要はない、というのが正直なところだ。
SongBookやBubbleUPnPなどのよく出来たアプリと比べれば、Ne PLAYERはまだまだブラウズ時の情報量や、プレイリストの整備など改善する余地がある。Ne PLAYERをレンダラーとして使う際も結局は同じ操作で音源のブラウズや再生を行うため、操作性のさらなる改善に期待したい。
Ne PLAYERのネットワーク機能はあくまで端末側で音源を再生してこそ輝くものであり、現状では純粋なコントローラー機能はおまけと割り切ってしまってもいいだろう。
Ne PLAYERをオーディオ機器として使う
「ハイレゾが再生できること」と「高音質であること」は別物として考える必要がある。再生アプリで仮に176.4kHz/24bitの音源を再生できたところで、内部的に44.1kHz/16bitに変換していたとしたら、せっかくのハイレゾが台無しである。また、どれだけ高いスペックのハイレゾ音源を正しく再生できたとしても、実際に出てくる音が悪ければオーディオ的に意味がない。
その点、Ne PLAYERはUSB-DACと接続した際、「音源を正しく再生できている」ということを、数値でユーザーに明示してくれる。
実際の音質に関しても、Ne PLAYERは接続したnano iDSDの能力を良く引き出している印象で、ヘッドホンを使った際に感じた見通しの良さや清々しさは、スピーカーシステムと組み合わせた際も感じることができた。
PCの再生ソフトとnano iDSDの組み合わせと比べても音質的にはそれほど遜色なく、じゅうぶんオーディオ機器としての使用に耐える。音楽鑑賞の妨げとなるファンノイズを発しないというのも地味ながら大きなメリットだ。
ハイレゾを含む音源の情報を取りこぼすことなく再生すると同時に、接続したUSB-DACの実力を引き出す。Ne PLAYERはオーディオ的観点から再生アプリに求められる役割をしっかりと果たしている。
ポータブル環境だけで使っていては実感が湧かないかもしれないが、音質的にも機能的にも、Ne PLAYERとUSB-DACの組み合わせは据え置きのオーディオシステムに問題なく組み込めるだけの実力を有している。
ポータブルでネットワーク再生
再生機能とネットワーク機能、どちらかに特化したアプリは多々あれど、どちらも高いレベルで両立しているNe PLAYERのようなアプリは貴重な存在だ。特にレンダラー機能は、端末本体の容量という問題を解決するとともに、ポータブル環境で音楽を楽しんでいるユーザーが据え置きのシステムを導入する際の敷居を大きく引き下げる可能性も秘めている。
バージョン2.0.0でネットワークに対応したことで、ポータブル環境でハイレゾを再生したいと望むユーザーだけでなく、そこからスピーカー等の据え置きシステムに発展させようと考えるユーザーにとっても、Ne PLAYERはますます魅力的なアプリになったと言える。
対応するUSB-DACであれば、iPhoneとの接続も非常に簡単だ。今回はiFI-Audioの「nano iDSD」を使用したが、ドライバのインストールや各種設定を行う必要なく、接続後すぐに認識され、使用可能になった。Ne PLAYERは再生中の音源それ自体のスペックと出力時のスペックを表示するため、それによって各種ハイレゾ音源がきちんと再生できているかも確認できる。
nano iDSDには入力されている音源のスペックを本体のLEDの色で示す機能がある。「本当に音源のスペック通りに再生されているのか」という不安はハイレゾ再生につきものだが、Ne PLAYERを使う限り、心配する必要はなさそうだ。
実際に使ってみて、Ne PLAYERはレスポンスよし、デザインよし、安定性よしの優れたハイレゾ再生アプリだと言える。現在リリースされているほとんどどすべての音源を再生可能であり、USB-DACとの接続も簡単。基本的に挿せば繋がり、すぐにハイレゾ音源が再生可能。ドライバのインストールやソフト側の設定も不要だ。
ただ、単に「ハイレゾ音源が再生できる」というだけでは、他にも再生アプリが色々と存在するため、それほどNe PLAYERの強みとはならないことも事実である。そこで重要になるが、今回のアップデートで獲得したネットワーク機能である。
3、ネットワーク機能で広がる可能性
バージョン2.0.0でUPnP/DLNAに対応したことで、Ne PLAYERはDLNAのDMS(サーバー)やDMR(レンダラー)、DMC(コントローラー)として使えるようになった。各機能についてかいつまんで説明すると、以下のようになる。
サーバー:Ne PLAYER(端末)側に保存された音源を、ネットワークに接続されたDLNA対応プレーヤーから再生できる
レンダラー:DLNA対応サーバーに保存されている音源を、ネットワーク(Wi-Fi)経由でNe PLAYERから再生できる
コントローラー:DLNA対応サーバーとプレーヤーで音楽を聴く際のコントロールをNe PLAYERで行うことができる
(サーバー・レンダラー・コントローラーの各役割の詳細については別の記事で詳しく解説しているので、興味のある方は参照してほしい。)
それでは、設定からネットワーク機器接続がオンになっていることを確認し、実際にNe PLAYERのネットワーク機能を使ってみよう。
まずは、Ne PLAYERのサーバー機能を使ってみる。画面上部にあるスピーカーのアイコンをタップすると、ネットワークに接続されたプレーヤーの一覧が表示されるので使用する出力先を選択する。この状態でNe PLAYERに保存されている音源を保存されている音源を再生すると、ネットワーク経由でプレーヤーから音が出る、という仕組みだ。イメージとしてはアップルのAirPlayに近い。
Ne PLAYERをサーバーとして使うことにより、「音源があるのも操作するのも手元の端末、それでいて音が出るのは外部のプレーヤー」という、操作性と音質を両立した環境を構築することが可能になる。
ただ、Ne PLAYERをサーバーとして使う場合は大きな問題がある。「端末の容量」という問題である。ハイレゾ音源は重い。これはどうしようもなく事実だ。音源のスペックが高くなるほどファイルサイズは膨れ上がる。一例として、筆者の持っている352.8kHz/24bitの音源は1アルバムで約7.6GB、DSD 5.6MHzの音源は1アルバムで4.1GBにもなる。
多くの場合、数十GBの容量のなかでやりくりしなければいけないスマートフォンやタブレットにおいて、ハイレゾ音源のファイルサイズは大きな問題となる。CD相当の音源だけならばまだしも、「ハイレゾを含む手持ちの音源すべてをスマートフォンまたはタブレットに保存する」というのは現実的に難しい。
すなわち、Ne PLAYERをサーバーとして使おうにも、そもそも端末に保存できる音源の絶対量が少ないために、活用できる範囲が限られてしまう。
■レンダラー機能+USB-DACでネットワークプレーヤーとして使う
そこで生きるのがレンダラー機能である。音源は大容量のサーバーに保存しておき、そこからNe PLAYERを使ってワイヤレスでストリーミング再生をすれば、端末の容量は問題ではなくなる。外出時に聴きたい音源やこれぞというハイレゾ音源だけを端末側に保存し、それ以外の音源はサーバーからネットワーク経由で聴くという使い方が可能になる。
さらに192kHz/24bit・DSD 5.6MHzまでの音源がそのまま再生できるため、対応するUSB-DACと組み合わせることで、Ne PLAYERをハイスペックなワイヤレス・ネットワークオーディオプレーヤーとして活用できるようになる。ワイヤレスというと音切れや操作のレスポンス低下が気になるが、筆者が試してみた限りそのような問題は感じられず、ハイレゾ音源もスムーズに再生することができた。※編集部注:本アプリはDSDのネットワーク再生は公式には対応していません
サーバーを用意し、Ne PLAYERとUSB-DACを組み合わせれば、手持ちのすべての音源を、PCを介することなく手元から再生できるシステムができ上がる。
外出先では端末側に保存した音源を聴き、自宅ではサーバーに保存された音源を聴く。家でも外でも、CD相当でもハイレゾでも、PCMでもDSDでも、Ne PLAYERに音楽再生のすべてを集約可能となる。
また、Ne PLAYERとUSB-DACの組み合わせはヘッドホンだけでなく、アンプやスピーカーといった据え置きのオーディオシステムに繋げて聴いてもいい。規模的にはデスクトップに収まるような小型のシステムが最適ということになるだろうが、ポータブルから据え置きシステムへスムーズに移行できることの意味は大きい。
■コントローラー機能も備える
続いて、コントローラー機能について。結論から言えば、あえてネットワークオーディオのコントロールのためだけにNe PLAYERを使う必要はない、というのが正直なところだ。
SongBookやBubbleUPnPなどのよく出来たアプリと比べれば、Ne PLAYERはまだまだブラウズ時の情報量や、プレイリストの整備など改善する余地がある。Ne PLAYERをレンダラーとして使う際も結局は同じ操作で音源のブラウズや再生を行うため、操作性のさらなる改善に期待したい。
Ne PLAYERのネットワーク機能はあくまで端末側で音源を再生してこそ輝くものであり、現状では純粋なコントローラー機能はおまけと割り切ってしまってもいいだろう。
Ne PLAYERをオーディオ機器として使う
「ハイレゾが再生できること」と「高音質であること」は別物として考える必要がある。再生アプリで仮に176.4kHz/24bitの音源を再生できたところで、内部的に44.1kHz/16bitに変換していたとしたら、せっかくのハイレゾが台無しである。また、どれだけ高いスペックのハイレゾ音源を正しく再生できたとしても、実際に出てくる音が悪ければオーディオ的に意味がない。
その点、Ne PLAYERはUSB-DACと接続した際、「音源を正しく再生できている」ということを、数値でユーザーに明示してくれる。
実際の音質に関しても、Ne PLAYERは接続したnano iDSDの能力を良く引き出している印象で、ヘッドホンを使った際に感じた見通しの良さや清々しさは、スピーカーシステムと組み合わせた際も感じることができた。
PCの再生ソフトとnano iDSDの組み合わせと比べても音質的にはそれほど遜色なく、じゅうぶんオーディオ機器としての使用に耐える。音楽鑑賞の妨げとなるファンノイズを発しないというのも地味ながら大きなメリットだ。
ハイレゾを含む音源の情報を取りこぼすことなく再生すると同時に、接続したUSB-DACの実力を引き出す。Ne PLAYERはオーディオ的観点から再生アプリに求められる役割をしっかりと果たしている。
ポータブル環境だけで使っていては実感が湧かないかもしれないが、音質的にも機能的にも、Ne PLAYERとUSB-DACの組み合わせは据え置きのオーディオシステムに問題なく組み込めるだけの実力を有している。
ポータブルでネットワーク再生
再生機能とネットワーク機能、どちらかに特化したアプリは多々あれど、どちらも高いレベルで両立しているNe PLAYERのようなアプリは貴重な存在だ。特にレンダラー機能は、端末本体の容量という問題を解決するとともに、ポータブル環境で音楽を楽しんでいるユーザーが据え置きのシステムを導入する際の敷居を大きく引き下げる可能性も秘めている。
バージョン2.0.0でネットワークに対応したことで、ポータブル環境でハイレゾを再生したいと望むユーザーだけでなく、そこからスピーカー等の据え置きシステムに発展させようと考えるユーザーにとっても、Ne PLAYERはますます魅力的なアプリになったと言える。