【特別企画】通常モデルと徹底比較
“フルHD”ブルーレイ再生の到達点。OPPO「BDP-105DJP」日本限定モデルの画質/音質を検証
■なぜOPPOのBDプレーヤーは国内市場を席捲できたのか?
さる5月下旬、OPPO Digital Japanの松浦氏からこんな要請が来た。「OPPO BDP-105DJPの量産品から仕様を変更した特別仕様の企画が進行中です。ご自宅で試聴機のご試聴をお願いしたいのです――」
OPPOのユニバーサルプレーヤー「BDP-105DJP」は、BD-ROMのプレイバックリファレンスに止まらず、プロジェクターやテレビ等映像機器の性能評価の基準機として業界標準になった。音元出版の試聴室にも常備され、評論家達からも信頼を寄せられている。筆者もその一人。自宅試聴室で日々稼働中だ。
北米製のAV機器というのは久しく記憶がなかった。デジタルサラウンド導入期、EADのシアターマスターやセタ・ディジタルのカサブランカが好評裡に迎えられたが、あくまでオーディオ機器(サラウンドプロセッサー)であった。日本メーカーが圧倒的に強いAV機器の分野をOPPO Digitalというアメリカ製高級機が席巻したのは、エポックメイキングな出来事といっていい。
その理由について考えてみよう。第一に映像の力。初期のOPPO Digitalはホームシネマ大国北米の嗜好に合わせコントラストとガンマ、クロマ濃度の設定に特徴のあるローカル画質だったが、BDP-105DJPでは持ち前の力強さと豊かな色彩を堅持しながらニュートラルバランスにぐっと近づいた。リファレンス(基準機)にふさわしい忠実性、客観性を得たのだ。
第二にユニバーサルプレーヤーとしての音の良さ。ESS SABLE PLEMIUM 32bit DACをBDプレーヤーいち早く搭載、DLNAネットワーク再生への対応も早かった。SACDからハイレゾ音楽ファイルまでエクスキューズ無用の幅広い高品位再生を実現した。
最後に操作性の良さ。一時の国産ユニバーサルプレーヤーは、どのメーカーの製品も、再生状態に入るまで時間を要した。もどかしさを我慢していたユーザーは少なくなかったはず。回転速度の異なるディスクを波長の異なるピックアップで読み出すのだからと諦めていたユニバーサルプレーヤーへのユーザーの常識をOPPOは見事に裏切った。痛快なまでのサクサク感。これがベストセラーの“ダメ押し”になったといっていい。
■筐体を強化した「BDP-105DJP」が実現したとしたら・・・
しかし、弱点がないわけでなかった。国産製品は剛体構造で不要振動を押さえ込み電子部品、電気信号への悪影響を封じるのが鉄則だが、OPPOは電子基板を構造体の一部として活用、骨格でなく面で剛性確保する柔構造である。天板も厚くなく回転で発生する振動は伝達して外部へ逃がしていく考え方だ。
OPPO Digital Japanの松浦氏は、かつてパイオニアでLDプレーヤーやDVDプレーヤー、サラウンドプロセッサーの設計や企画を担当していたエンジニアだが、その松浦氏をして「秀逸なレイアウト」と言わしめる合理的設計。しかし、それはHDMI伝送を主体に考えてのことで、アナログ出力の場合、帯域やS/Nが制限される傾向があった。OPPOを研究し尽くし徹底的な剛体構造で対抗したパイオニア「BDP-LX88」の登場で、それが露になった。
6月上旬、OPPO「BDP-105DJP」の試作機が、筆者自宅試聴室にやって来た。シャーシ下に強化ボトムプレートを追加。インシュレーターはTAOC鋳鉄製に交換、躯体構造が格段に強化されていた。日常使用するBDP-105DJPと比較試聴すると、ステレオ再生時の定位の描写が違う。
「どうでしょうか…」。慎重な松浦氏に「Ultra-HD BDプレーヤーの登場は目前に迫っていますが、ユニバーサルプレーヤーの形式に発展するのは時間が掛かるでしょう。当面フルHDがBD-ROMの主流だし、是非やるべきだと思います」と答えのたが6月5日のこと。それから2ヶ月。最強のフルHDユニバーサルプレーヤーは、「BDP-105D JAPAN LIMITED(以下BDP-105DJPL)」として登場した。大小様々のさらなる改良強化を経て…。
さる5月下旬、OPPO Digital Japanの松浦氏からこんな要請が来た。「OPPO BDP-105DJPの量産品から仕様を変更した特別仕様の企画が進行中です。ご自宅で試聴機のご試聴をお願いしたいのです――」
OPPOのユニバーサルプレーヤー「BDP-105DJP」は、BD-ROMのプレイバックリファレンスに止まらず、プロジェクターやテレビ等映像機器の性能評価の基準機として業界標準になった。音元出版の試聴室にも常備され、評論家達からも信頼を寄せられている。筆者もその一人。自宅試聴室で日々稼働中だ。
北米製のAV機器というのは久しく記憶がなかった。デジタルサラウンド導入期、EADのシアターマスターやセタ・ディジタルのカサブランカが好評裡に迎えられたが、あくまでオーディオ機器(サラウンドプロセッサー)であった。日本メーカーが圧倒的に強いAV機器の分野をOPPO Digitalというアメリカ製高級機が席巻したのは、エポックメイキングな出来事といっていい。
その理由について考えてみよう。第一に映像の力。初期のOPPO Digitalはホームシネマ大国北米の嗜好に合わせコントラストとガンマ、クロマ濃度の設定に特徴のあるローカル画質だったが、BDP-105DJPでは持ち前の力強さと豊かな色彩を堅持しながらニュートラルバランスにぐっと近づいた。リファレンス(基準機)にふさわしい忠実性、客観性を得たのだ。
第二にユニバーサルプレーヤーとしての音の良さ。ESS SABLE PLEMIUM 32bit DACをBDプレーヤーいち早く搭載、DLNAネットワーク再生への対応も早かった。SACDからハイレゾ音楽ファイルまでエクスキューズ無用の幅広い高品位再生を実現した。
最後に操作性の良さ。一時の国産ユニバーサルプレーヤーは、どのメーカーの製品も、再生状態に入るまで時間を要した。もどかしさを我慢していたユーザーは少なくなかったはず。回転速度の異なるディスクを波長の異なるピックアップで読み出すのだからと諦めていたユニバーサルプレーヤーへのユーザーの常識をOPPOは見事に裏切った。痛快なまでのサクサク感。これがベストセラーの“ダメ押し”になったといっていい。
■筐体を強化した「BDP-105DJP」が実現したとしたら・・・
しかし、弱点がないわけでなかった。国産製品は剛体構造で不要振動を押さえ込み電子部品、電気信号への悪影響を封じるのが鉄則だが、OPPOは電子基板を構造体の一部として活用、骨格でなく面で剛性確保する柔構造である。天板も厚くなく回転で発生する振動は伝達して外部へ逃がしていく考え方だ。
OPPO Digital Japanの松浦氏は、かつてパイオニアでLDプレーヤーやDVDプレーヤー、サラウンドプロセッサーの設計や企画を担当していたエンジニアだが、その松浦氏をして「秀逸なレイアウト」と言わしめる合理的設計。しかし、それはHDMI伝送を主体に考えてのことで、アナログ出力の場合、帯域やS/Nが制限される傾向があった。OPPOを研究し尽くし徹底的な剛体構造で対抗したパイオニア「BDP-LX88」の登場で、それが露になった。
6月上旬、OPPO「BDP-105DJP」の試作機が、筆者自宅試聴室にやって来た。シャーシ下に強化ボトムプレートを追加。インシュレーターはTAOC鋳鉄製に交換、躯体構造が格段に強化されていた。日常使用するBDP-105DJPと比較試聴すると、ステレオ再生時の定位の描写が違う。
「どうでしょうか…」。慎重な松浦氏に「Ultra-HD BDプレーヤーの登場は目前に迫っていますが、ユニバーサルプレーヤーの形式に発展するのは時間が掛かるでしょう。当面フルHDがBD-ROMの主流だし、是非やるべきだと思います」と答えのたが6月5日のこと。それから2ヶ月。最強のフルHDユニバーサルプレーヤーは、「BDP-105D JAPAN LIMITED(以下BDP-105DJPL)」として登場した。大小様々のさらなる改良強化を経て…。