単体試聴からスピーカー組み合わせまで検証
デノン「DCD-50」徹底試聴 - 大ヒットプリメイン「PMA-50」を“補完”するCDプレーヤー
■DCD-50+PMA-50でハイエンドスピーカーを鳴らしてみたら・・・
スピーカー組み合わせは上記の3ペアの予定であったが、たまたま試聴室リファレンスのTADの“Evolution One”「TAD-E1」も置かれていたので試しに鳴らしてみた。TAD-E1はペア200万円という製品だから価格バランスを無視した非常識な組合せであることは重々承知だが、実際にDCD-50とPMA-50の組み合わせで鳴らしてみると、「力感に欠ける」とか「まとまりが悪い」といった印象は皆無。ピアノはやや明るめの音色で、開放的に鳴る。このピアノの個体を生で聴いたときの印象に極めて近い。
ヴァイオリンもすこぶるしなやかで、華麗かつ典雅な響きに圧倒される。旋律の抑揚が、幾分ダイナミックに聞こえるあたりもよい。フルオケは伸びやかに鳴り、ジャズ・ベースの弾み方もすごい! これほど価格差があるというのに、ウーファーがしっかりと躍動している。
番外編的な試聴ではあるが、DDFAの駆動力を改めて思い知らされる結果となった。ここまでの価格差は現実的でないかもしれないが、お目当てのスピーカーがミドルクラス以上でその価格と同等のアンプ/プレーヤーを用意する予算がないというような場合にも、DCD-50+PMA-50のコンビは現実的かつ満足のいく選択肢になってくれるはずである。
■DCD-50単体でも驚くべきディスク再生能力を発揮する
DCD-50とPMA-50の組合せが驚くべき力を持つことを十分おわかりいただけたかと思うが、最後にDCD-50単体での実力も改めて検証してみた。コンパクトさと音質を兼ね備えたこのクラスのCDプレーヤーは貴重で、他社製品と組み合わせて使うことを検討しているユーザーもいるだろう。
まずは前出のTAD-E1を価格相応のセパレートアンプ+CDプレーヤーで鳴らしたのち、CDプレーヤーだけをDCD-50に替えてみた。価格比はおおよそ20対1。しかし出てきた音は大健闘。情報量、音の色数など試聴室リファレンスのハイエンドCDプレーヤーと比べれば差はあるのだが、品位をしっかり保っており、とても5万円のCDプレーヤーとは思えない。
これをもう少し、リファレンス・プレーヤーのクオリティーに近付けられないものか。リファレンスのCDプレーヤーにD/Aコンバーターとして使うためのデジタル入力端子が付いていたので、DCD-50からのデジタル出力を同軸デジタルケーブルで接続した。
これはもう「大健闘」では表せない世界だ。「ハイエンドCDプレーヤーのD/Aコンバーターを使っているのだから当たり前」という方もいらっしゃろうが、DCD-50のメカ精度が価格相応であったら、この音は絶対出ない!
DCD-50は、PMA-50とコンビを組むために開発されたCDプレーヤーだが、他社製品との組合せでも強い存在感を示すことができる。特に高品位なD/Aコンバーターと組み合わせると大化けした。PMA-50との組み合わせはもちろんだが、例えばUSB-DACやネットワークプレーヤーを中心にシステムを構築している方で“サブシステム”的なディスクプレーヤーを探しているならば、DCD-50は有力な選択肢となるはずだ。
(村井裕弥)
スピーカー組み合わせは上記の3ペアの予定であったが、たまたま試聴室リファレンスのTADの“Evolution One”「TAD-E1」も置かれていたので試しに鳴らしてみた。TAD-E1はペア200万円という製品だから価格バランスを無視した非常識な組合せであることは重々承知だが、実際にDCD-50とPMA-50の組み合わせで鳴らしてみると、「力感に欠ける」とか「まとまりが悪い」といった印象は皆無。ピアノはやや明るめの音色で、開放的に鳴る。このピアノの個体を生で聴いたときの印象に極めて近い。
ヴァイオリンもすこぶるしなやかで、華麗かつ典雅な響きに圧倒される。旋律の抑揚が、幾分ダイナミックに聞こえるあたりもよい。フルオケは伸びやかに鳴り、ジャズ・ベースの弾み方もすごい! これほど価格差があるというのに、ウーファーがしっかりと躍動している。
番外編的な試聴ではあるが、DDFAの駆動力を改めて思い知らされる結果となった。ここまでの価格差は現実的でないかもしれないが、お目当てのスピーカーがミドルクラス以上でその価格と同等のアンプ/プレーヤーを用意する予算がないというような場合にも、DCD-50+PMA-50のコンビは現実的かつ満足のいく選択肢になってくれるはずである。
■DCD-50単体でも驚くべきディスク再生能力を発揮する
DCD-50とPMA-50の組合せが驚くべき力を持つことを十分おわかりいただけたかと思うが、最後にDCD-50単体での実力も改めて検証してみた。コンパクトさと音質を兼ね備えたこのクラスのCDプレーヤーは貴重で、他社製品と組み合わせて使うことを検討しているユーザーもいるだろう。
まずは前出のTAD-E1を価格相応のセパレートアンプ+CDプレーヤーで鳴らしたのち、CDプレーヤーだけをDCD-50に替えてみた。価格比はおおよそ20対1。しかし出てきた音は大健闘。情報量、音の色数など試聴室リファレンスのハイエンドCDプレーヤーと比べれば差はあるのだが、品位をしっかり保っており、とても5万円のCDプレーヤーとは思えない。
これをもう少し、リファレンス・プレーヤーのクオリティーに近付けられないものか。リファレンスのCDプレーヤーにD/Aコンバーターとして使うためのデジタル入力端子が付いていたので、DCD-50からのデジタル出力を同軸デジタルケーブルで接続した。
これはもう「大健闘」では表せない世界だ。「ハイエンドCDプレーヤーのD/Aコンバーターを使っているのだから当たり前」という方もいらっしゃろうが、DCD-50のメカ精度が価格相応であったら、この音は絶対出ない!
DCD-50は、PMA-50とコンビを組むために開発されたCDプレーヤーだが、他社製品との組合せでも強い存在感を示すことができる。特に高品位なD/Aコンバーターと組み合わせると大化けした。PMA-50との組み合わせはもちろんだが、例えばUSB-DACやネットワークプレーヤーを中心にシステムを構築している方で“サブシステム”的なディスクプレーヤーを探しているならば、DCD-50は有力な選択肢となるはずだ。
(村井裕弥)