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単体試聴からスピーカー組み合わせまで検証

デノン「DCD-50」徹底試聴 - 大ヒットプリメイン「PMA-50」を“補完”するCDプレーヤー

公開日 2015/08/28 11:38 村井裕弥
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2つ目に鳴らしたスピーカーシステムは、B&W「CM1 S2」だ。定番モデル「CM1」の9年振りのモデルチェンジとして昨年登場したスピーカーで、ケブラーコーンのウーファーと、130mmダブルドーム・トゥイーターを搭載する。

B&W「CM1 S2」¥128,000(ペア/税抜)

ピアノの直接音がカッチリ、くっきり再生されるのが痛快だ。キラキラ輝く高音はまさにクリスタル・タッチだが、そのきらめきの間に割り込む低音がよく沈むだけに聴き手を驚かせる。この明確さはヴァイオリンでも変わらず、弦の一音一音が、きりりと立ち上がる。しかし音そのものの緊張感は過剰にならず、豊かな中低域のおかげもあってウェルバランス。音楽の表情も豊かで、ノリもよい。能率84dBと鳴らしづらい部類に入るCM1 S2を、PMA-50は余裕を持って鳴らしてくれる。

DCD-50+PMA-50の純正組み合わせに各スピーカーを組み合わせて試聴した

フルオケはではまずfレンジの広さに圧倒。ドカン!と炸裂する大太鼓も品性を守って鳴る。各楽器がきっちり分離し、難しいフレーズを吹くトランペットの、緊張感が高揚感に変わる瞬間も実に鮮やかだ。ジャズ・ベースは音の低さと力感を両立。トランペットやサックスは、密度感の高さにしびれる。女性ヴォーカルは吐息がリアルで、表現の深さに感心させられるが、その一方で「この曲ではリバーブをこの程度に抑えたのか」といった客観的な聴き方もできる。DCD-50+PMA-50は、CM1 S2が持っているモニターライクな緻密な再現もしっかりと引き出してくれる。

3つ目のスピーカーは、ELAC「BS192」だ。JET Vトゥイーターのエクストラバージョンとアルミ/パルプハイブリッドASコーンによるウーファーという構成で、バスレフポートを底面に備えている。

ピアノはどの曲を再生しても、奥深さや陰翳の濃さ、渋さの中にひそむ微妙な弾き分けに感心させられる。それでいて高音はいかにもニューヨーク・スタインウェイらしくキラキラ。軽薄にならないところが嬉しい。ヴァイオリンは落ち着いた大人の音で、適度な粘り気とコクにしびれる。陰翳は濃い目だが、その中で華麗に舞う高音はしゃれっ気たっぷり。フルオケはやや艶消しになるが、ソロを吹く首席奏者たちの技量が最もわかりやすいのはこの組合せだった。

ELAC「BS192」¥135,000(ペア/税抜)

ジャズ・ベースはエネルギーの塊が続けて飛んでくる。サックスの太さ、たくましさも快感。ピアノは、きゅっと音像が引き締まる。女性ヴォーカルも引き締まった再現で、伴奏ピアノも精緻なフォーカス。その両者のバランスが素晴らしい。BS192と組み合わせではその陰影感や微妙なタッチの描き分けなど、DCD-50+PMA-50の表現の深い奥行きも実感できた。

冒頭で説明したようにそもそも驚異的なC/Pを持つDCD-50+PMA-50のコンビに、やはりC/Pの高い3モデルのスピーカーを組み合わせてみたのだが、いずれもプレーヤー+アンプ+スピーカーの総額からはちょっと考えられないサウンドを聴かせてくれた。加えて各スピーカーの個性もしっかり描き分けている。これは、PMA-50の再現力と駆動力に加えて、DCD-50が各CDの情報量をしっかりと拾い上げているからこそ為せるわざであろう。

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