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約10万円のフルHD機でスマホ連携も

あの大ヒットプロジェクターがパワーアップ! エプソン「EH-TW5350」レビュー

公開日 2015/09/29 13:05 折原一也
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■『007/スカイフォール』『ゼロ・グラビティ』でシネマ用のポテンシャルを検証

続いて、BDソースでの画質検証も試みた。4Kプロジェクターやテレビの画質検証でも活躍している『007/スカイフォール』を視聴すると、ET-TW5350の表示クオリティは、数ランク上の価格帯のモデルを彷彿とさせるほど高精細だ。

100ルクス程度の照明下で、映像モード「ブライトシネマ」の設定で視聴すると、映像の奥行き・肌の質感の再現性はともに高水準。これは新たに搭載されたイメージエンハンス回路が有効に働いているポイントだろうと思われる。試しに出荷時のデフォルト「プリセット3」から「オフ」に切り替えると、価格相応と思える水準に落ち着いた。「プリセット4」〜「プリセット5」の設定値でも映像全体の品位は保たれるため、画質目当てでET-TW5350を選ぶ人はぜひ設定値を切り替えて試してみてほしい。

次に部屋の照明を落とし、同じ『007/スカイフォール』を「シネマ」設定で視聴すると、映像のトーンは一気に落ち着きマットな質感を生み出す(「シネマ」ではイメージ強調は「プリセット2」がデフォルト)。「シネマ」の設定の見どころはD65に準拠したナチュラルなカラーバランスで、コストを抑えたエントリー機でもその画質には大手メーカーであるエプソンならではの安心感があると言える。

なお、映画を視聴する際の注意点として、ET-TW5350では新機能の「フレーム補間」が「標準」の設定で有効となっている。実写のフィルム撮影のコンテンツでは「切」設定にした方がオリジナルに忠実な動きとなるので、好みに合わせて切り替えてほしい。

フレーム補間は全部で3種類+OFF設定

続いて、より厳密なコントラスト性能を求められる『ゼロ・グラビティ』を、暗室で「シネマ」の設定で視聴。充分に“暗闇”と呼べる宇宙空間の黒を再現できている。なお、筆者が『ゼロ・グラビディ』を鑑賞するときにET-TW5350の持ち味を活かす設定として推したいのが「ブライトシネマ」設定による視聴。黒の沈みはそのままに、一画面内のハイライト部のピークを伸ばして視聴できる。これが宇宙空間の暗さと宇宙服のホワイトの対比として実に映える。

なお、「シネマ」と「ブライトシネマ」では騒音レベルにも差があり、スマホのアプリによる測定では『ブライトシネマ」では56dB、「シネマ」の設定では49dB程度だった。「ブライトシネマ」ではファン回転の高周波の音が加わるため、騒音レベルの差以上に「シネマ」の方が静かだったことを伝えておこう。

大ヒット入門モデルの後継となるEH-TW5350だが、安心の設置性、期待以上の高画質、そしてスマホユーザーにも使いやすいWiDi/Miracast対応と機能アップも十分。10万円クラスの予算でプロジェクターを探しているなら、EH-TW5350を選べば間違いナシと太鼓判を押せるモデルだ。

(折原一也)

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