<山本敦のAV進化論 第73回>
【ウォークマン新旧比較 第2弾】新上位モデル「ZX100」を従来機「ZX1」と聴き比べ
■新製品「NW-ZX100」では何が変わったのか?
【1】Androidから組み込みOSに変わり、デザインはわりと大きく変化
まずは外観の違いから。写真をご覧いただくのが一番わかりやすいと思うが、本体は横幅がやや狭くなって、縦の寸法は変わらない。結果としてデザインは“面長”なルックスになった。液晶ディスプレイのサイズはZX1の4.0インチから、ZX100では3.0インチになった。
画面が小さくなったら操作性が落ちるのでは?と思うかもしれないが、実は液晶ディスプレイがタッチパネルではなくなった。プラットフォームもAndroidではなく、独自の組み込みOSに変更されている。昨年から発売されているハイレゾ対応ウォークマンの「Aシリーズ」を所有されている、あるいは触れたり体験されたことがある方ならば、ZX100は新規搭載のホーム画面以外、基本のインターフェースはほぼ一緒と説明すれば、操作感をイメージしてもらえるだろうか。タッチパネルでなくなったため、本体の主な操作はフロントパネルの十字キーと決定ボタン、BACK/OPTIONキーのほか、側面に設けられた曲操作、ボリュームなどのハードキーで行う設計に大幅変更されている。
デザインの質感はアルミ削り出しボディを採用し、ZX1のプレミアム感を受け継いでいる。側面は丸みを帯びた形状に変更され、表面はマットに仕上げた。なお実はZX100の方が本体サイズが少し厚くなっている。質量はZX100の方がわずかに6gほど重くなった。
背面パネルにはZX1と同じシボ加工のゴムパネルが貼り付けられているが、テクスチャーがよりきめ細かくなって、見た目のゴツゴツ感も無くなりエレガントになった。手に取ったホールド感については厚みや重さはほとんど変わらないが、ZX100の方が全体にさらさらとしているので若干滑りやすく感じた。場合によっては専用のキャリングケースを使った方が安心かもしれない。ZX1では商品パッケージに同梱されていたキャリングポーチが、ZX100では別売のオプションに変更されている。
【2】DSDは5.6MHzまでリニアPCM変換再生が可能
ハイレゾ再生については、リニアPCMはZX1と変わらず、最大192kHz/24bitのWAV/FLAC/ALAC/AIFF形式のファイルに対応。DSDはZX100から出荷時より5.6MHz/2.8HzまでのリニアPCM変換再生が行える。
そしてDSD再生時にはスローロールオフとシャープロールオフの2種類のデジタルフィルターが選べるようになったり、リニアPCMと同じ音量レベルにゲインが設定できる機能はNW-ZX2と同じ。DSDのネイティブ再生については今回も対応していない。
【3】本体ストレージのほかにmicroSDカードにも対応
ストレージについては利便性が大きく向上した。ZX1は128GBの内蔵メモリーしかなかったので、音楽ファイルはPC経由で転送しなければならなかったが、ZX100では内蔵メモリーの他にもmicroSDカードが使えるようになった。
【4】専用イヤホンとの組み合わせでデジタルNCが使える
ウォークマンとして以前から実績があるものの、ハイレゾ対応の上位機には搭載されていなかった「デジタルノイズキャンセリング機能」が追加されている。こちらは海外を中心にアウトドアで音楽再生を楽しむユーザーからの要望を受けて採用されたものだという。実際にソニーのAndroidスマートフォンも昨年春に発売された「Xperia Z2」からデジタルノイズキャンセル機能を付けて好評を得ているとのことだ。
こちらは別売の専用イヤホン「MDR-NW750N」、または「MDR-NC31」「MDR-NWNC33」との組み合わせで使えるようになる機能。本体設定からノイズキャンセリング機能をオンにして「ヘッドホン選択」の設定画面から組み合わせるイヤホンを選ぶ。Aシリーズにも採用されている「環境選択」モードから、ウォークマンが周囲のノイズ量に合わせてノイズキャンセリングの効果を自動で最適化してくれる「フルオートAINC」も用意する。
ノイズキャンセリング機能などを含む本体設定などへのショートカットは、ホーム画面の下側にアイコン化されたメニューが並んでいるので、これを十字キーで選択する。Aシリーズを触っていると時折やってしまうのだが、思わず画面のアイコンをタップしたくなる。
ホーム画面の中央には音楽プレーヤーの画面が大きく表示されており、画面上のボタンアイコンから音楽再生や一時停止、曲操作もできるようになっている。ハードキーの誤操作を防ぐため、本体側面にはキーロックの切り替えスイッチが付いている。