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様々な入力系統や機能をテスト

ティアック「NT-503」レビュー。“Reference”に加わったネットオーディオ対応の多機能機

公開日 2015/10/27 10:19 土方 久明
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まずはクラシックから。ナクソスの“ハイレゾクラシック”シリーズ第1弾『ハイレゾクラシック the First Selection』(flac 96kHz/24bit)を聴いたのだが、情報量が抜群にあり、ハイスピードな音調だ。サウンドステージも広く、各楽器は驚くほど分離する。そしてなによりも、楽曲の抑揚に対する追従性はかなりのもの。オーケストラの迫力をこれでもかと言わんばかりに再生する。

『ハイレゾクラシック the First Selection』

次に女性ボーカルから、エミ・マイヤー『モノクローム』(FLAC 44.1kHz/24bit)を聴く。往年の名曲のカバーを中心としたジャズスタンダード集だ。曲が始まった瞬間、ボーカルに実体感と密度感を感じ、合わせて躍動感の高い音調に感心する。

J-POPからは、家入レオ「君がくれた夏」(flac 96kHz/24bit)を聴く。人気ドラマ『恋仲』の主題歌。最近のJ-POPのマスタリングを象徴するような、レンジや解像度をあまり欲張らないバランスの楽曲だ。こちらも音にスピード感があり、バスドラムの弾力感もある。

NT-503は解像度の高さと、躍動感を併せ持つ、ハイスピードな表現が得意なタイプと見た。EDMなどの打ち込み系とも相性は良さそうだ。

操作アプリであるTEAC HR Remoteについては、前記したとおりβ版。しかもiPadのエミュレーター経由で動いているので、正式なレビューではないが、操作性や機能を含め、一通りお伝えしたい。

ユーザーインターフェースはシンプルな部類の操作アプリ。アルバムアートのタイル表示機能や、プレイリストはないが、動作レスポンスは速い。アプリを終了させてもプレイリストの再生が停止しないオンデバイス・プレイリスト機能も備わっているようだ。

「TEAC HR Remote」で操作できる(画面はβ版のものです)

基本的な操作には事足りないが、ネットワークプレーヤーの快適な操作感を楽しむのであれば、今後は表示できる情報量の多いiPadにネイティブ対応した操作アプリも求めたいところだ。余談だが、LINNの操作アプリ「Kinsky」からも基本的な操作は可能だったので、好みに応じて利用してもよいかもしれない。

インターネットラジオや、フロントに接続したUSBメモリーの再生、iPhoneやAndroidデバイスに保存してある音楽ファイルを無線LAN経由でNT-503に送信して再生する場合も、本アプリから行える。

ネットワークシステムのイメージ

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