【特別企画】ブランド初の2ドライバー搭載機を野村ケンジがチェック
クリプシュ新旗艦イヤホン「X20i」実力検証 − ついに登場したハイレゾ対応機を聴く!
■クリプシュ初の2BAイヤホン「X20i」がいよいよ登場
BAドライバー1基を搭載したスレンダーなボディからは想像できない、活き活きとした表現力豊かなサウンドによって、多くの人から好評を博し、名機とまで呼ばれる存在となったKlipsch(クリプシュ)のカナル型イヤホン「X10」。そのスタイルやコンセプトを受け継ぎつつも、最新のハイレゾ環境に最適化させたという新フラグシップが登場した。それがこの「X20i」である。
とはいえ、「X11i」のような「X10」のブラッシュアップモデルではなく、全く新たにビルドされた製品であることが、「X20i」の特徴だ。それは、外観を見るばすぐに分かる。メタル筐体のスマートなボディは、デザインアイデンティティこそ継承されているものの、縦方向に大きく膨らんだ、全く新しい筐体を採用しているのだ。
これは、ドライバーの構成が異なったため。「X20i」には、フルレンジ+スーパートゥイーターという、2基構成のBAドライバーが採用されているのだ。しかも、「X20i」用に新開発されたAcuPassドライバーが採用されているのだという。
AcuPassといえば、SONION社が提供している2BAドライバー構成のセットユニットで、ウーファー側に極細チューブを活用したアナログ方式のローパスフィルターを組み込むことで、BAドライバーとしては望外といえるワイドレンジ再生を実現したシステム。
「X20i」に搭載されているものも、基本的には同様のシステムとなっているが、一般的なモデル(様々なメーカーで採用実績のある1723 AcuPassは「1700」と「2300」ユニットの組み合わせ)とは異なり、ウーファーユニットに「X10」と同じ「KG-926」ユニットをチョイス。これにスーパートゥイーター「KG-125」を組み合わせるという、スペシャルメイドのAcuPassシステム「KG-2625 AcuPass」を新たに作り上げている。
これによって、Xシリーズならではのスリム筐体を維持しつつも、高域特性が格段に向上した良質なサウンドを実現しているという。この技術情報をきいただけでも、どこまで良質なサウンドへと進化したのか、大いに気になるところだ。
■医療用素材で軽量さと高剛性を両立。リケーブルにも対応
加えて、ボディのメタル素材はアルミからサージカルステンレススチールへと変更。外科医療に用いられるほどの耐蝕性を持ちつつ、アレルギー反応を起こしにくい人体に優しい素材を採用することで、Xシリーズならではの軽量さを維持しつつ、同時に剛性を高めることに成功している。