【特別企画】ハイレゾ対応HDDオーディオプレーヤー
CDリッピング対応で使い勝手がさらに進化。ソニー「HAP-Z1ES」の最新アップデートを検証
■WAVデータのタグ情報付加に対応。ストレスなく扱うことができる
もう一つ、驚いたことがある。WAVでリッピングしても、アルバムアートや曲情報がきちんと表示されることだ。私はFLACよりもWAVの音の方が、何となく音が開放的に感じて好んでいたのだが、WAVでリッピングすると通常はこうした情報を付加することが難しく、他のネットワークプレーヤーで再生する際も、アーティスト名やアルバムアートが正しく表示できず、曲順もバラバラになってしまうことが多かった。しかしHAP-Z1ESでは、WAVが、FLACと変わりなく扱えるのだからこれはすごい。FLACはデータ容量を抑えられるという利点があるが、少しでもいい音で聴きたいアルバムならば、今度からWAVでリッピングしたくなった。(※注 なおHAP-Z1ESでリッピングしたWAVファイルに付加されたメタデータは、他機器との互換性(表示互換)は保証されていない)
CDリッピングを行う際に、新譜であったり希少盤であるためにGracenoteからアルバムアートが得られない場合もあるだろう。その場合は「ミュージック情報を編集」から、Google検索した画像を付加することができる。
さらに今回のアップデートで、DSDファイルもGracenote対応した。これによりDSDファイルがHAP-Z1ESに自動転送されると、「Gracenote自動検索」の対象となり、アルバムアートや楽曲情報が取得できるようになった。これに伴ってDSDの楽曲も「おまかせチャンネル」に自動登録されるようになり、12音階分析を用いた自動プレイリスト再生の対象になった。
■CDリッピング音源であることを忘れて音楽に熱中してしまった
HAP-Z1ESで再生したハイレゾの音質については、以前書いたレビュー(関連ニュース)で詳細に紹介しているので、ぜひこちらをお読みいただきたい。ところで、今回HAP-Z1ESでCDリッピングしたジョニ・ミッチェル『Mingus』のWAVファイルの音がすごく良い。音の透明度が上がり、オープンチューニングのギターやジャコ・パトリアスのリヴァーヴの効いたベースの響きも鮮やかだ。ジョニ・ミッチェルの微妙な声使いも鮮明になり、音楽全体のリアリティーが増した思いとなる。
そこで「DSEE」を用いて16bitを32bitへ拡張して、さらに「オーバーサンプリング」を「プレシジョン」に設定すると、さらに高域が伸びた印象となり、全体の解像度も明らかに向上する。
次にDSDリマスターエンジンを使って、5.6MHz DSDに変換して再生すると、音に柔らかみが加わり、倍音が鮮やかになる。実にアナログ的で、CDリッピングの音であることを忘れて音楽に熱中してしまう。ハイレゾ音源を聴いた後に、CDリッピングの音を聴いても「やっぱりCDの音だね」と感じさせないところは、本当に素晴らしい。CDの愛聴盤が、ハイグレードにリマスタリングされた思いになってしまう。
■いい音で音楽を聴きたい音楽愛好家に向けたハイレゾプレーヤー
HAP-Z1ESを使っていると、「いい音で音楽を聴きたい音楽愛好家に向けたハイレゾプレーヤー」というイメージが湧いてくる。「若い世代の方でも頑張れば手にできる価格」であることも魅力だ。その一方で、HAP-Z1ESは熟練愛好家も欲しくなるほどの、オーディオマインドが掻き立てられるような音と技術を備えており、ハイレゾの初心者だけでなくハイレゾの達人も長く使える製品である。
アップグレードを重ねた結果、HAP-Z1ESは機能と音質が向上し、ハイレゾの“スーパープレーヤー”になったことを実感する。私は、これから、ずっと長く、この使いやすさと音の良さに魅了されていくことだろう。
(角田郁雄)
次のページでは、編集部がHAP-Z1ESの使いこなしを検証。CDリッピングした音源のバックアップ方法や、スマホから購入した音源を直接コピーする方法を紹介していく。
もう一つ、驚いたことがある。WAVでリッピングしても、アルバムアートや曲情報がきちんと表示されることだ。私はFLACよりもWAVの音の方が、何となく音が開放的に感じて好んでいたのだが、WAVでリッピングすると通常はこうした情報を付加することが難しく、他のネットワークプレーヤーで再生する際も、アーティスト名やアルバムアートが正しく表示できず、曲順もバラバラになってしまうことが多かった。しかしHAP-Z1ESでは、WAVが、FLACと変わりなく扱えるのだからこれはすごい。FLACはデータ容量を抑えられるという利点があるが、少しでもいい音で聴きたいアルバムならば、今度からWAVでリッピングしたくなった。(※注 なおHAP-Z1ESでリッピングしたWAVファイルに付加されたメタデータは、他機器との互換性(表示互換)は保証されていない)
CDリッピングを行う際に、新譜であったり希少盤であるためにGracenoteからアルバムアートが得られない場合もあるだろう。その場合は「ミュージック情報を編集」から、Google検索した画像を付加することができる。
さらに今回のアップデートで、DSDファイルもGracenote対応した。これによりDSDファイルがHAP-Z1ESに自動転送されると、「Gracenote自動検索」の対象となり、アルバムアートや楽曲情報が取得できるようになった。これに伴ってDSDの楽曲も「おまかせチャンネル」に自動登録されるようになり、12音階分析を用いた自動プレイリスト再生の対象になった。
■CDリッピング音源であることを忘れて音楽に熱中してしまった
HAP-Z1ESで再生したハイレゾの音質については、以前書いたレビュー(関連ニュース)で詳細に紹介しているので、ぜひこちらをお読みいただきたい。ところで、今回HAP-Z1ESでCDリッピングしたジョニ・ミッチェル『Mingus』のWAVファイルの音がすごく良い。音の透明度が上がり、オープンチューニングのギターやジャコ・パトリアスのリヴァーヴの効いたベースの響きも鮮やかだ。ジョニ・ミッチェルの微妙な声使いも鮮明になり、音楽全体のリアリティーが増した思いとなる。
そこで「DSEE」を用いて16bitを32bitへ拡張して、さらに「オーバーサンプリング」を「プレシジョン」に設定すると、さらに高域が伸びた印象となり、全体の解像度も明らかに向上する。
次にDSDリマスターエンジンを使って、5.6MHz DSDに変換して再生すると、音に柔らかみが加わり、倍音が鮮やかになる。実にアナログ的で、CDリッピングの音であることを忘れて音楽に熱中してしまう。ハイレゾ音源を聴いた後に、CDリッピングの音を聴いても「やっぱりCDの音だね」と感じさせないところは、本当に素晴らしい。CDの愛聴盤が、ハイグレードにリマスタリングされた思いになってしまう。
■いい音で音楽を聴きたい音楽愛好家に向けたハイレゾプレーヤー
HAP-Z1ESを使っていると、「いい音で音楽を聴きたい音楽愛好家に向けたハイレゾプレーヤー」というイメージが湧いてくる。「若い世代の方でも頑張れば手にできる価格」であることも魅力だ。その一方で、HAP-Z1ESは熟練愛好家も欲しくなるほどの、オーディオマインドが掻き立てられるような音と技術を備えており、ハイレゾの初心者だけでなくハイレゾの達人も長く使える製品である。
アップグレードを重ねた結果、HAP-Z1ESは機能と音質が向上し、ハイレゾの“スーパープレーヤー”になったことを実感する。私は、これから、ずっと長く、この使いやすさと音の良さに魅了されていくことだろう。
(角田郁雄)
次のページでは、編集部がHAP-Z1ESの使いこなしを検証。CDリッピングした音源のバックアップ方法や、スマホから購入した音源を直接コピーする方法を紹介していく。