【特別企画:後編】奇抜なルックスだが機能は大充実
Ultimate Ears「UE ROLL」レビュー。円盤形BTスピーカーの実力とは?
■IPX 7相当の防水性能。30分水没しても大丈夫!
お風呂とか屋外といった言葉が出たのでそちらの話を続けると、本機の防水性能は初代UE BOOMをも上回り、UE BOOM 2と同等のIPX7相当だ。「一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない」、かつての表現での「防浸形」だ。
UE自身の表現によれば「1m深度の液体に最長30分間浸すことができます」とのこと。お風呂でも渓谷でも余裕の「30分ルール」で安心できる。積極的に水に沈める場面などあまりないだろうが、浴槽の縁だとか渓谷の脇の石の上だとか、うっかりすると水に落ちるような場所に置くのに安心感があるというのは嬉しい。
UE ROLLのバッテリー駆動時間は最大9時間と、必要にして十分なレベルを確保。ユニットは50mmフルレンジドライバー×1と19mmトゥイーター×2。トゥイーターが2基なのはステレオ再生ではなく360度にサウンドを広げるためと思われる。バッテリーランプは搭載せず残量の視認はできないが、音量の+ー同時押しでの音声アナウンスを用意している。
■スマホやPC内蔵SPから変えたら大きな感動が待っている
音質面での方向性はUE BOOM 2と同じく、重量感や解像感は欲張らずに、低音楽器の太さや弾み、高音楽器やボーカルは鋭すぎたり荒すぎたりしない素直な感触といったところ。サイズや価格、機能性を考慮すれば十分満足できるレベルだ。ベースのスラップの弾けの気持ちよさなどは優秀と言えるほどだし、それでいて楽器がうるさくて歌が薄れるといったこともない。
ハイハットシンバルやギターのカッティングなど細く刻まれるリズムの明確さは、UE BOOM 2ほどではないが、そんな細かなことまで気にするような、それを求めるようなタイプのスピーカーではないだろう。むしろそこが強すぎないことで、音楽を流しっぱなしにしたときにストレスが少ないというメリットも考えるべきだ。
いずれにせよスマートフォンやPCの内蔵スピーカーとは段違いで、それらからのステップアップする方なら大きな感動を得られ、もっと本格的なシステムを別途にお持ちの方でも、「これはこれ」と割り切って使うのには十分。それだけのクオリティは余裕で確保している。