HOME > レビュー > ゼンハイザー「MOMENTUM Wireless」レビュー。BT/NC“全部入り”のプレミアムヘッドホン

独自のノウハウを満載

ゼンハイザー「MOMENTUM Wireless」レビュー。BT/NC“全部入り”のプレミアムヘッドホン

公開日 2016/02/05 08:42 山本 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
■消音効果の高い独自のノイズキャンセリング機能「NoiseGard」

イヤーカップの内側と外側を合わせて4基のアナログマイクを乗せた、フィードフォワード・フィードバックによるハイブリッド方式のアクティブ・ノイズキャンセリング機能を搭載。高感度なマイクで周囲の音を拾い、信号をデジタル変換したのちにソフトウェアフィルターを通過させてノイズ成分を効果的に除去するゼンハイザー独自の「NoiseGard」を採用する。

なお、Bluetoothとアクティブ・ノイズキャンセリング機能は同時に適用される仕様になっている。本体にケーブルを接続したままスイッチを入れると、有線接続のノイズキャンセリングヘッドホンとして使えることも覚えておきたい。

Bluetoothとアクティブ・ノイズキャンセリングの両方に対応

本体のスイッチをオンにすると、アウトドア環境では車のロードノイズや電車の走行音がスッと消える。あくまで筆者の感想だが、一般的なノイズキャンセリングヘッドホンよりも消音効果は高い。

しかし、その効果はとても自然で、音楽再生を阻害するようなノイズ感や、耳穴が塞がれるような圧迫感がないので、長時間使用にも違和感なくフィットする。長距離の旅行に持って出かけても、きっと重宝するだろう。

■MOMENTUM Wirelessを聴いてみる

さっそく本機をaptX対応のXperia Z2に接続。ダウンロード購入した楽曲や、TIDALでHiFiクオリティ(CD音質)に設定したWi-Fiストリーミングのソースを使って試聴した。

ジャズギタリスト、小沼ようすけのアルバム「GNJ」から『Jungle』では、ギターの鮮やかなメロディが中央に定位し、くもりのない音場がワイドに広がる。ベースは音の芯にしなやかな弾力が宿り、豊かな量感とともに安定感のあるグルーブをつくりだす。

小沼ようすけ『GNJ』

ドラムスやパーカッションの打ち込みは鋭く爽快。バスドラが空気をガンガン押し出してくる感触が耳の奥を心地良く突いてくる。低音は分厚くダイナミックだが、スピード感があって中高域をマスクしてしまうことがない。快活なドライブ感が味わえた。

ピアノコンチェルトでは重厚なタッチのピアノがダイナミックなメロディを奏でる。低音が深く沈み込み、高域も高く突き抜ける。ピアノの音色に柔らかさと丸みがあり、ロングトーンも歪みがなく、輪郭はきめ細くクリーミーだ。弦楽器も肉厚なハーモニーを聴かせる。

金管楽器は高域がカリカリとせずに、空気を柔らかく振るわせるマイルドな手応えがある。ノイズキャンセリングの効果が非常に高いので、アウトドア再生でもピアニッシモの音まではっきりとつかみ取れた。騒がしいカフェでクラシックギターのソロ演奏を再生しても、細部の微妙なニュアンスの移り変わりにまで耳を傾けることができた。

次ページ「MOMENTUM」と比較してみる

前へ 1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE