【特別企画】JFSoundsが独自技術を応用して開発
福田屋推薦!マグネシウム核導体採用“新発想”スピーカーケーブルをレビュー
純国産ブランドの第一弾ケーブルが
誕生!
金属線加工の独自技術を応用し
スピーカーケーブルを開発
半導体の材料になるシリコンや水晶のインゴットを極薄ウェーハ状にスライスするための精密加工用ソーワイヤを主体に製造している「ジャパンファインスチール」から、スピーカーケーブルが発売された。ソーワイヤの直径は0.12mm程度の超極細線のスチールワイヤで、この加工技術が同社の特徴となっている。この技術を生かし、マグネシウムの極細線を開発、オーディオのみならず、医療や航空分野への用途も考えられている。
独自技術を誇る純国産の線材メーカー JFSoundsは、山口県に拠点を持つ線材メーカー、ジャパンファインスチール(株)が初めて手がけるオーディオブランドである。同社の主力製品は、半導体や太陽電池などの精密加工に用いられるソーワイヤ(のこぎりの役目を果たす金属線)で、高品質なワイヤー製造で培った独自技術を生かし、オーディオケーブル事業に参入した。製造はすべて国内の工場で手がけられていることも特徴で、厳しい品質チェックを経たうえで出荷されているという点も信頼できるポイントだ。 |
今回登場したスピーカーケーブル「SIN‐KAI MS227C」は、マグネシウムの優れた振動減衰性能を応用したもの。中心コアに制振効果の高い純度99.95%の純マグネシウムワイヤを使い、外周にφ0.7mmの線径の太いPC‐TripleC導体を6本配置した構造で、長く引き回されるケーブルの振動を抑えるように設計された。
高解像度系でクセが少なく、混濁の少ない性能が魅力
図のように形式は平行構造でプラス、マイナスワイヤーの中間にはポリエチレンの中空パイプを配置し、導体間スパンを広げている。このことにより、キャパシタンスは36pF/mと大変少なく、伝送損失の少ない性能を得た。このケーブルはマグネシウムと銅線を強固に撚り、導体線間伝達を極力避けてストランド歪みの発生を少なくしている。ケーブル外径は細身に感じるが、導体断面積は2.7スケア。柔らかく取り回しがしやすいのも大きな特徴。
このため聴いてみると低域、中低域に見た目よりもエネルギーが豊かな特徴が見られる。性質は高解像度系でクセが少なくSN比の高い性能が基調になり、PC‐Triple C系のケーブルの中では力とレスポンスの速さ、コントラストの高い表現力が魅力。混濁の少ない性能は単線系に近いものを感じる。なお、被覆の矢印はアンプ側を示している。
制振効果の高い純マグネシウムが要 JFSoundsのケーブルの大きな特徴となるのが、マグネシウム導体の採用である。実用金属の中でも、マグネシウムは制振効果の高い素材として知られる(図A)。また、図Bは、外層に銅線、中心部に純マグネシウムを配置し制振性能を測定したデータ。これらの実測データをもとに、中心核導体にマグネシウムを採用、またマグネシウムと銅線の配合割合を決定。聴感のみならず、実際のデータをもとにケーブル開発を行うという実直な姿勢が、同社のサウンドの土台となっている。 |