DLNAとの比較試聴も
話題の音楽再生ソフト「Roon」は音も良い? RoonReady機器でネットワーク再生を検証
Roonは海外を中心に人気を集めている音楽再生ソフトウェアだ。その魅力のひとつは、単なるPCやMacのソフトウエアにとどまらず、大きなネットワーク・システムの中核となり得ることである。2016年1月に開催されたCESでも「RoonReady」という言葉が展示機器のキーワードのひとつとなっていたことは記憶に新しい。RoonReadyとは、簡単に言えば「Roonに対応するネットワークオーディオ機器」のことだ。
つい最近Roonは待望のバージョン1.2のアップデートを果たし、さらに自由度の高いシステムに生まれ変わった。本稿ではこのバージョン1.2を用いて、Roonのネットワーク対応オーディオシステムとしての魅力を解説していく。また後半では実際に試聴を行ってRoonシステムを音質と構成の両面から検証を試みる。
■Roonの基本構成 - 3つのモジュールによる拡張性
まずRoonのソフトウェア構成の基本から見ていくことにしよう。
ユーザーから見るとRoonは、iTunesのような音楽再生ソフトウエアである。しかし内部的には大きく分けて3つのモジュールから構成されている。「Control(操作部)」、「Core(中核部)」、「Output(出力部)」である。
Coreはライブラリ管理と音源の読み込みを行い、さらにRoonの機能の多くをつかさどる文字通りの中核部分だ。Roonにおいてはあるシステム内にCoreは一つのみ存在できる。これであちこちにライブラリが散在することを防いでいる。Controlは画面操作を担当し、OutputはDACを接続する出力部分である。
Roonにおける楽曲データの流れの基本は、Controlで指示した楽曲をCoreが読みこんで、そのデータをOutputに送り、音楽が再生されると言うことになる。
RoonではOutputにUSB-DACを接続すればUSBオーディオとして手軽に使えるし、Outputをネットワーク上の別の機器に拡張することもできる。このネットワーク接続先が別のPCやMacである場合はそれを「RoonBridge」と呼び、オーディオ機器でこのネットワーク機能に対応したものは「RoonReady」と言う。
またControlをネットワークに切り離して、タブレットで操作することもできる。これを「RoonRemote」と言う。RoonRemoteは単なるリモコンではなく、Outputを兼ね備えることでさらに自由な使い方ができる。
このほかに、Controlをタブレットなどで行うのを前提としてサーバー化した「RoonServer」と言う構成がある。静音PCなどでオーディオ専用PCを組みたい人には、この構成が向いているだろう。
簡単にまとめると、Roonには下記の構成が可能である。
Roon(標準) = 【Control】 + 【Core】 + 【Output】
RoonRemote = 【Control】 + 【Output】
RoonBridge(PCなど) = 【Output】
RoonReady(オーディオ機材) = 【Output】
RoonServer = 【Core】 + 【Output】
■オーディオに特化した独自の通信技術「RAAT」を採用
Roonでは出力先を「ゾーン」という概念で表す。Outputは、このゾーンを統括している。RoonではMPDのように楽曲をキューに入れて管理するが、このキューはゾーンごとに設けられている。つまりゾーンが異なれば別々にキューを持つことができ、別の楽曲を再生することができるわけだ。
RoonRemoteは、先に述べたとおりControlだけではなくOutputをも備えているため、AndroidタブレットからCoreで管理する曲を再生することもできる(なお、iOS機器は現時点でOutputには非対応)。たとえばMac miniではスピーカーでリスニングルームにクラシックを流しながら、子供は同じ部屋でタブレットからヘッドホンでロックを聴くことができる。Roonはそれらを同時に再生することができ、さらに必要ならば、「グループ化」という機能でゾーン同士を連結して曲を同期することもできる。この自由さがRoonの特徴だ。
同期と言っても単に同時に鳴らすというレベルではなく、Roonは高い次元で通信データをオーディオ的に制御している。これは「RAAT(Roon Advanced Audio protcol)」というRoonの中心となる高度な通信技術によるものだ。RAATでは、384kHzのPCM音源やDSD音源も取り扱うことができる。
Roonではこのように使い勝手の良さという意味でのユーザーエクスペリエンスの高さと、高音質のオーディオ技術を高い次元で両立するところに開発の主眼が置かれていると言う。
つい最近Roonは待望のバージョン1.2のアップデートを果たし、さらに自由度の高いシステムに生まれ変わった。本稿ではこのバージョン1.2を用いて、Roonのネットワーク対応オーディオシステムとしての魅力を解説していく。また後半では実際に試聴を行ってRoonシステムを音質と構成の両面から検証を試みる。
■Roonの基本構成 - 3つのモジュールによる拡張性
まずRoonのソフトウェア構成の基本から見ていくことにしよう。
ユーザーから見るとRoonは、iTunesのような音楽再生ソフトウエアである。しかし内部的には大きく分けて3つのモジュールから構成されている。「Control(操作部)」、「Core(中核部)」、「Output(出力部)」である。
Coreはライブラリ管理と音源の読み込みを行い、さらにRoonの機能の多くをつかさどる文字通りの中核部分だ。Roonにおいてはあるシステム内にCoreは一つのみ存在できる。これであちこちにライブラリが散在することを防いでいる。Controlは画面操作を担当し、OutputはDACを接続する出力部分である。
Roonにおける楽曲データの流れの基本は、Controlで指示した楽曲をCoreが読みこんで、そのデータをOutputに送り、音楽が再生されると言うことになる。
RoonではOutputにUSB-DACを接続すればUSBオーディオとして手軽に使えるし、Outputをネットワーク上の別の機器に拡張することもできる。このネットワーク接続先が別のPCやMacである場合はそれを「RoonBridge」と呼び、オーディオ機器でこのネットワーク機能に対応したものは「RoonReady」と言う。
またControlをネットワークに切り離して、タブレットで操作することもできる。これを「RoonRemote」と言う。RoonRemoteは単なるリモコンではなく、Outputを兼ね備えることでさらに自由な使い方ができる。
このほかに、Controlをタブレットなどで行うのを前提としてサーバー化した「RoonServer」と言う構成がある。静音PCなどでオーディオ専用PCを組みたい人には、この構成が向いているだろう。
簡単にまとめると、Roonには下記の構成が可能である。
Roon(標準) = 【Control】 + 【Core】 + 【Output】
RoonRemote = 【Control】 + 【Output】
RoonBridge(PCなど) = 【Output】
RoonReady(オーディオ機材) = 【Output】
RoonServer = 【Core】 + 【Output】
■オーディオに特化した独自の通信技術「RAAT」を採用
Roonでは出力先を「ゾーン」という概念で表す。Outputは、このゾーンを統括している。RoonではMPDのように楽曲をキューに入れて管理するが、このキューはゾーンごとに設けられている。つまりゾーンが異なれば別々にキューを持つことができ、別の楽曲を再生することができるわけだ。
RoonRemoteは、先に述べたとおりControlだけではなくOutputをも備えているため、AndroidタブレットからCoreで管理する曲を再生することもできる(なお、iOS機器は現時点でOutputには非対応)。たとえばMac miniではスピーカーでリスニングルームにクラシックを流しながら、子供は同じ部屋でタブレットからヘッドホンでロックを聴くことができる。Roonはそれらを同時に再生することができ、さらに必要ならば、「グループ化」という機能でゾーン同士を連結して曲を同期することもできる。この自由さがRoonの特徴だ。
同期と言っても単に同時に鳴らすというレベルではなく、Roonは高い次元で通信データをオーディオ的に制御している。これは「RAAT(Roon Advanced Audio protcol)」というRoonの中心となる高度な通信技術によるものだ。RAATでは、384kHzのPCM音源やDSD音源も取り扱うことができる。
Roonではこのように使い勝手の良さという意味でのユーザーエクスペリエンスの高さと、高音質のオーディオ技術を高い次元で両立するところに開発の主眼が置かれていると言う。
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