HOME > レビュー > LUMINのネットワークトランスポート「U1」を、“今聴くべきDAC”4機種と組み合わせ試聴

【特別企画】CHORD「DAVE」など注目DACと組み合わせテスト

LUMINのネットワークトランスポート「U1」を、“今聴くべきDAC”4機種と組み合わせ試聴

公開日 2016/06/16 10:00 土方久明
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
LUMINのネットワークトランスポート「U1」と“今聴くべき”ハイエンドブランドのUSB-DAC 4機種を組み合わせ試聴。アキュフェーズ「DC-37」、ラックスマン「D-08u」、CHORD「DAVE」、MSB TECHNOLOGY「Analog DAC」の4機種のポテンシャルを「U1」はどこまで引き出せるのか。土方久明氏がレポートする。

LUMIN「U1」シルバー:1,100,000円、ブラック:1,210,000円(いずれも税抜) ※写真左は電源部

にわかに注目されるUSB-DAC用トランスポート

昨今のオーディオ界で活況の製品ジャンルの1つと言えるのが“USB-DAC”だ。もともとパソコンの規格であったUSBを利用してデジタル伝送を行うこの方式は、PCオーディオの人気上昇もともなって、デジタル伝送のスタンダードとなっている。

そして現在発売されているほぼ全てのDACを始め、アンプやCDプレーヤーにもUSB入力を備える製品が増加しており、今後も目が離せない状況が続きそうだ。

さて、そんなUSBオーディオ周辺で今注目されているのが、USB-DACに組み合わせるトランスポートには何を使えば良いのか? ということではないだろうか。これまでWindowsやMacなどパソコンを利用するのが当たり前だったが、USB-DACと接続可能な音の優れたトランスポートが登場してきたことで、このジャンルに脚光が集まりつつある。今回紹介するLUMINのネットワークトランスポート「U1」も、このジャンルにカテゴライズできる。

LUMINから満を持して登場したネットワークトランスポート「U1」

LUMIN「U1」は、パソコンに代わる高音質トランスポートとして利用でき、そして自分が使いたいDACをネットワークプレーヤー化することができる。

本機を手がけるのは、ロサンゼルスと香港に拠点を持つピクセルマジック社。同社はホームシアター関連では世界的な知名度も高く、2013年に新ブランドとして「LUMIN」を立ち上げネットワークオーディオに参入した。発売当初から、LUMINのネットワークプレーヤーは、音質、操作性、安定性など全体的に完成度が高く、国内外のオーディオメーカーに強い刺激を与えたと言っても過言ではない。

LUMIN「U1」

現在のLUMINは、DAC内蔵のネットワークプレーヤーである「S1」「A1」「T1」「D1」、そして専用NASの「L1」までを取り揃えており、ネットワークオーディオを代表するブランドに成長した。

今回紹介するLUMIN「U1」は、同ブランド最上位ネットワークプレイヤーであるS1をベースに、DACレスのデジタル出力に特化して開発されたモデルだ。S1同様、削り出しのアルミシャーシと別体のアナログ電源を備え、トランスポートとして、USB2系統のデジタル出力、光デジタル/同軸RCA/同軸BNC/AES/EBU(S-PDIF)を搭載する。

U1の背面端子部

出力可能なフォーマットは、USB出力では384kHz/32bitまでのPCMと、DoPによる5.6MHzまでのDSD。光・同軸(RCA)・同軸(BNC)・AES/EBUでは、192kHz/24bitまでのPCMとDoPによる2.8MHzまでのDSDに対応するとされている。もちろんDAC側がこのスペックに対応していることが前提である(なお筆者の知る限りで、USB以外のDSD出力を受けることができるコンシューマー向けDACは現時点で発売されていないので注意してほしい)。

使用しないデジタル出力は「オフ」に設定することも可能

再生できるソースも多く、イーサネット端子を利用したネットワーク再生のほか、USBメモリー/HDDをLUMIN U1本体に直接接続しての再生、ロスレス音楽ストリーミングサービス「Tidal」と「Qobuz」にも対応する。

また、各フォーマットをアップコンバート、ダウンコンバートする機能や、DSDをPCM変換、PCMをDSD変換して出力する機能も備える。例えば、DSDをPCMに変換して出力することで、DSD入力に対応していないDACでもDSDフォーマット音源を再生できるようになる。

DSDのPCM変換やアップサンプリング/ダウンサンプリングすることも可能だ

本機の真骨頂はネットワークプレイヤー/トランスポートとしての完成度の高さであり、中でも最大のポイントは専用の操作アプリである「LUMIN App」の仕上がりの良さだ。ネットワークプレーヤーの操作性を左右するOpenHome規格に対応し、iPhone/iPadなどのiOS、Android OSなど広いプラットフォームにインストールが可能。グラフィカルでユーザーインターフェイスに優れたLUMIN APPはネットワーク再生で大きなアドバンテージとなっている。

さらにLUMIN U1とLUMIN Appは、OpenHome規格の元でネイティブに接続できる。そのため、優れた操作レスポンスや、OpenHome規格には含まれないアップサンプリング等の設定機能も可能としている。

次ページハイエンドブランドの注目USB-DAC4機種とスクランブルテスト

1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク