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BM50&BM5をレビュー

フィリップス「izzy」で、家中を音楽で満たす“お手軽マルチルームシステム”を構築

公開日 2016/06/30 10:39 藤原義孝
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コンパクトなキューブ型スピーカー「BM5」

小型モデルのBM5はもっぱらBluetoothスピーカーとして使うことが考えられていて、それ以外の機能のほとんどが省かれている。

シンプルに機能を絞った「BM5」

リモコンも持たず、スレーブとして使う場合の音量調整は本体天面のボリュームノブで行う。そのため、もっぱら手の届く範囲、例えば机の上などに置くことが多くなるだろう。

シャープな形状のBM50に対して、キューブ状の形のB5はどちらかというと“キュートな”印象だ。一方で、全体的な質感は高い。また、ベージュとブラックの2色を用意しており、特にベージュは白やウッドを基調とするインテリアにも良く馴染むと思われる。

出力こそ2.5W×2と控えめながら、通常の使用なら十分な音量を確保している。BM50と比べればだいぶサイズが小さいものの、2.5インチドライバー×2という構成のおかげで、出てくる音は想像以上に充実している。そして良く通るボーカルはizzyに共通する美点だ。置き場所との共鳴を積極的に利用して低音を増強すれば、比較的近い距離で聴くぶんには過不足ない音の厚みも得られる。

手軽さと自由度の高さによって「家中を音楽で満たせる」

マスターのスピーカーを簡単に切り替えられることを活かして、基本はリビングに置いたBM50をマスターとしつつ、例えば私室に戻った時はそこに置いたBM5をマスターに切り替えるという使い方が考えられる。あるいは、リビングに置いたマスターとペアリングできる範囲内なら、再生端末のボリューム=マスターのボリュームを絞り、手元にあるスレーブの音量を上げるだけでよく、マスターを切り替える必要すらなくなる。

試聴では主にスレーブとして使った「BM5」。izzyを使えば、簡単にシームレスなマルチルーム環境を構築できる

Bluetoothの接続範囲こそ10m以内だが、マスターとスレーブを繋ぐ「izzylink」は100mもの接続範囲を持つため、設置の自由度は極めて高い。

じっくりと音楽を聴く時はこだわったヘッドホンやイヤホンを使うけれど、家にいる時、家族で過ごすときにはスピーカーで音楽を楽しみたい。それも良い音で。そんな日常的に音楽を楽しむリスナーにとってizzyの提案するスタイルはとても親和性が高い。

そして、あくまで音楽再生にはスマートフォンを使い、音楽を聴く際の操作性や快適性も一切落としたくないという現代のユーザーの要望にもしっかりと答えてくれている。どれだけ音が良くても、日常的に使っているスマートフォンや携帯音楽プレーヤーからスムーズに音楽を再生することができなければ、これだけスマートフォンが浸透した世の中で、広く受け入れられることは難しいだろう。izzyは「スマートフォン時代に求められるカジュアルなスピーカー像」を、体現した製品だと思う。

本機はスマートフォンの便利さと、スピーカーで音楽を聴くという体験をシームレスに繋げてくれる。さらに、そのために必要な労力は限りなく小さい。

シンプルに、かつ簡単に「家中を音楽で満たす」ことを望むなら、izzyは有力な選択肢となるだろう。

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