高い基礎力とカスタマイズ性を併せ持つ
【速攻レビュー】AKG初の“ハイレゾ対応”イヤホン「N40」。フィルター交換やリケーブルも試した
サウンドを早速チェック!
高い基礎力を持ちつつ細かなカスタマイズもできるのが魅力
フィルターを「リファレンスサウンド」に戻して、基本的な音の傾向をチェックしてみた。
原田知世のカバーアルバム「恋愛小説2〜若葉のころ」より『September』では、声にしっとりと滑らかな艶と、力強く鼓動する生命感の両方が伝わってくる。AKGのプレミアムヘッドホンが受け継いできた中高域のクリアさ、緻密な解像表現力に広々とした開放感のエッセンスを備えながら、低域のスピードが高まって印象もより鮮やかになっている。音のつながりもスムーズで、余韻が静寂の中に消えて溶けるまでのグラデーションは濃淡がとても深い。
上原ひろみの「SPARK」から『Wonderland』では、低音が一度グンと沈んでから跳ね上がるような躍動感に耳を奪われた。メロディラインは色鮮やかで質感がきめ細かい。上品さとワイルドさが絶妙なバランスで同居するサウンドだ。
MMCX端子を採用するリケーブルとの交換により、一段とディープに音質のカスタマイズが楽しめるのもN40の魅力だ。筆者が手元に所有している銀線を使ったケーブルに換えて、フィルターをバス・ブーストにセッティングして音を聴いてみたところ、低域から高域まで音のつながりがより滑らかになり、レンジも広がる手ごたえが感じられた。これは何とも、深みにはまって抜け出せなくなりそうな楽しさだ。
ハイレゾの“ど真ん中”を射貫く最新世代のサウンドを基本としながら、ユーザーが好みの音にとことん追い込める柔軟なカスタマイズ性も備えるAKGの新しいプレミアム・イヤホンは、まさにこれを待ち望んでいた多くのファンが長く愛せる名機となるに違いない。