<山本敦のAV進化論 第103回>
moraの購入楽曲を「NePLAYER」でダウンロード。“一度使ったら手放せない” 新機能を体験
続いてmoraから楽曲ファイルをダウンロードする際の「インポート先」を指定するように促されるので、NePLAYERアプリの「HDライブラリ優先」(=iPad内蔵メモリー)の中か、あるいは「外部ストレージ優先」にするか決める。
後者についてはiOS機器にLightning接続して使えるストレージメディアのことを指している。例えば以前に本連載で取り上げたラディウスの“ミュージック・ストレージ”(前回のレビュー)がこれにあたる。今回もこちらの製品を用意して試した。
サインインを済ませると、「過去の購入履歴」の一覧に、ユーザーが過去にmoraで購入した楽曲が一覧で並ぶ。
ここで注目したいのは、NePLAYERの特徴である、ハイレゾ音源をフォーマットやサンプリングレートで識別できるアイコン表示があることだ。
楽曲リストの右側には、アルバムタイトルの場合は矢印のアイコンをタップすれば楽曲リストに遷移して、青色のダウンロードアイコンをタップすると端末、または外付けストレージへのダウンロードが始まる。
今回は筆者自宅のWi-Fi環境につないで、HDライブラリとミュージック・ストレージの双方に同じ140MBのファイルをダウンロードし、速度を比べてみた。実験環境の下り通信実行速度は30Mbps前後。結果は内蔵ストレージが53秒、外部ストレージは47秒とほぼ変わらないスピードでダウンロードできた。
ちなみにWindows PCでも同じファイルをmoraのサイトからダウンロードしてみたところ40秒だったので、PCとほぼ変わらない感覚で使えるとみてよさそうだ。
外付けストレージが使える利点は言うまでもなく、iOS機器の内蔵メモリーをふさがずに済むことが筆頭に挙げられる。
反対にラディウスのミュージック・ストレージや、多くの外付けストレージも同様に、音楽を再生する際はLightning端子につなぎっぱなしになるので、デジタル接続のポタアンが使えないことになる。
つまり、外付けLightningストレージをつないだままではハイレゾ再生が行えないため、内蔵ストレージとの間でファイルの内容をこまめに出し入れするなどして対応したい。また、moraで売っている楽曲はハイレゾ音質のものばかりではないので、外付けストレージは非ハイレゾ楽曲やその他ファイルの保存に用いるという使い方もあるだろう。
■地味なようでいて使ってみると手放せなくなる機能
HDライブラリにダウンロードしたハイレゾ音源を、ラディウスのLightning端子直結のアンプ「AL-LCH81」につないで聴いてみた。本体の大きさがプラスチック消しゴムぐらいの四方サイズしかないアンプをiPadに直接つなぎ、手軽にハイレゾ再生環境を構築できるアンプだ。
やはりiPadにイヤホンを直挿しして聞くよりも、AL-LCH81を回すると音楽の情報量が一気に増え、中高域の深みと低域の豊かな肉付きにも大きく差が出てくることを実感した。
なおiOS版のmora、およびNePLAYERで実現できていない機能として、moraから楽曲を直接購入できる機能がある。これを克服するシンプルな解決策としては、Safariなどのブラウザからmoraにアクセスし、購入手続きまでブラウザ上で済ませてから、NePLAYER内のmoraに移動すれば、購入履歴にこれが反映。すぐにダウンロードできる。
しかも、Android版moraアプリ内で購入楽曲をダウンロードするのにかかった時間より、NePLAYER内でダウンロードする方が短く済んだ。
アプリ内で配信サイトから楽曲を直接ダウンロードできるようになる機能は、地味なようでいて使ってみると手放せなくなる。オンキヨーの「HF Player」はNePLAYERのライバルにあたるアプリなのですぐに実現は難しいかもしれないが、いずれはmoraだけでなくe-onkyo musicをはじめ、ほかのハイレゾ配信サイトとの連携にも広がることを期待したい。