海上忍のラズパイ・オーディオ通信(20)
話題の音楽ストリーミングサービス “Spotify” をラズパイ・オーディオで楽しむ
「ラズパイ・オーディオでSpotify」の感想だが、Web GUIを利用した楽曲/アーティスト検索はやや煩雑で、Spotifyが提供するスマートフォンアプリほど洗練されていない。原因がVolumioにあるのかLibspotifyにあるのかは不明だが、アルバムアートワークが表示されないという残念な部分もある。検索はグローバルで可能だが、アカウントの発行地域などの条件を見てSpotify側が再生可否を判断している?という可能性もあり、曲名/アルバム名でヒットするが再生できないことがある。
とはいえ、Raspberry Pi/Linuxという圧倒的マイノリティでも最大手の音楽配信サービスを利用できる、という事実は大きい。再生できる楽曲数が格段に、というより桁違いに増えることのメリットは言うまでもないだろう。それに、配信フォーマットはOgg Vorbis/ビットレート最大320kbpsということで、音質的にApple Music(AAC 256kbps)など他の配信サービスと比べやや有利でもある。
お勧めしたい視聴環境は「Raspberry Pi Zero」を利用したシステムだ。はんだ付けの苦行を伴うDACカードが必要となるものの、小さなモバイルバッテリーでも半日はもつほど消費電力が少ない。LINE出力できるから、既存のオーディオシステムにもかんたんに接続できる。1万円にも満たない出費で、超コンパクトな「SpotifyストリーミングBOX」が手に入るのだ。是非、これを機にラズパイ・オーディオを経験してほしい。