【特別企画】台座スピーカー「HT-XT2」とともに折原一也がチェック
ワイヤレスで映画も音楽も高音質に!ソニーの新サウンドバー「HT-CT790」の魅力を探る
その後の爆音とアクションの身に迫るような音の広がりは、まるで7.1chのリアルサラウンドで聴いているかのようなライブ感。アクション映画の迫力だけでなく、制作者の演出意図まで見事に再現できている。
一方、深夜の視聴時にはワンタッチで有効にできる「ナイトモード」で低音のブーストを抑えることも可能。こうした使いやすさも持ち合わせているのは実にリビング向きだ。
HT-XT2はHDMIによるテレビ経由の接続が基本となるため、テレビから音声を入力した『ズートピア』のBDを再生してみると、チャプター4で流れる主題歌『トライ・エヴリシング』もボーカルの厚みたっぷりで聴き応え満点。
テレビ内蔵スピーカーから、より映画や音楽をしっかりとしたサウンドで聴けるスピーカーへとアップグレードしたい人にお勧めしたい。
■ワイヤレスでの“高音質”な音楽再生も魅力
そしてもうひとつ、HT-CT790とHT-XT2のポイントが“ワイヤレス”への対応だ。
そもそもとして、HT-CT790ではサウンドバー本体部とサブウーファー部がワイヤレスで接続可能だが、これだけなら前モデルでも実現した。だが、後述するように新モデルのワイヤレス性能は、音質でも、機能でも、他のサウンドバーと比べてワンランク上の機能を持ち合わせている。
その一点目がBluetooth機能で、今回から新たに、ハイレゾ相当のデータ伝送ができるLDACにも対応。せっかくリビングに音の良いシアターシステムを置くのだから、普段使いの音楽リスニングにも使いたい人も多いはず。そんな場合に、より高音質なワイヤレス音楽再生ができる。ハイクオリティな音源はハイクオリティのまま鳴らすという高音質志向のユーザー向けにも、HT-CT790はトップモデルなのだ。
ちなみに、ワイヤレスからは離れるがHT-CT790はUSBメモリーからなどのハイレゾ音源再生にも新たに対応。スピーカー自体はハイレゾ対応ではないためハイレゾ楽曲の魅力をフルで引き出せるわけではないが、ハイレゾか否かを気にする必要なく音楽再生を楽しめるというのはメリットだ。
ソニーのワイヤレスによる音の良さは、LDAC非対応製品との組み合わせであっても発揮される。もっともベーシックなBluetoothコーデックであるSBCよりも高音質であるAACにも対応しているため、例えばiPhoneなどを組み合わせることも可能だ。
試しに手持ちのiPhone 7をペアリングしてワイヤレスで音楽を聴いてみると、ステレオ再生の音質もよく作り込まれており、オーディオらしい音を感じることができる。
宇多田ヒカルの『花束を君に』では、歌声がしっかりと浮かび上がり、コーラスの奥行きも臨場感たっぷりに鳴らす。バスドラムの低音の質感も厚みがあるし、サビで加わるオーケストラも高域までのニュアンスが丁寧だ。
よりアコースティックな音源として ダイアナ・クラールのファーストアルバム『Stepping out』を聴き込んでも、ピアノのダイナミックな音の響きとともに演奏する姿も浮かび上がり、ウッドベースの低音も厚みとキレが素晴らしい。
一度この高音質を体験すると、映画やテレビの音だけでなくスマホから音楽を聴くために使いたくなる人も多いはずだ。
■Wi-Fiでも様々なワイヤレス再生。別スピーカーを利用したワイヤレスサラウンドへ拡張も
その次の“ワイヤレス”はWi-Fiへの対応だ。スマホアプリ「SongPal」を入り口にして、実に多くの機能を利用できるのだ。
まずひとつが「GoogleCast」の対応。音楽配信サービスを始めとするGoogleCast対応サービス各種を利用できる。Google Play MusicやAWAといった聴き放題音楽配信からの楽曲を本機で気軽に再生できるなど 、ますます音楽ファン向けの作り込みを増している。
また、「ワイヤレスマルチルーム」に対応。同機能は複数のスピーカーで同じ音楽を流せるというもので、例えばリビングと書斎など離れた場所で同じ音楽を聴くなどといったことができる。
そしてもうひとつ大きな特徴が「ワイヤレスサラウンド」への新対応。春モデルの「HT-NT5」に先行搭載されていたが、よりリーズナブルな今回のHT-CT790、およびHT-XT2が加わってラインナップが広がった格好だ。同社スタッフによれば、このワイヤレスサラウンド機能が製品購入の決め手になったという声もかなり多いのだという。
本機能は、“h.ear go”「SRS-HG1」や「HT-ZR5P」などのスピーカーを(もちろんワイヤレスで)組み合わせ、それらをリアスピーカーとして使うことで、リアルサラウンド環境を構築できるというもの。ふだんは別の場所で使っている“h.ear go”などを、映画鑑賞のときにだけリビングに持ってきてワイヤレスのサラウンドスピーカーとして利用するなどといったことができる。
なお、台座シアターのHT-XT2は、ワイヤレスサラウンドの母艦(フロント側)になれる最も安価な製品。今回の新製品投入により、ワイヤレスサラウンド機能に興味を持っているユーザーにとっての選択肢の幅が大きく広がったことになる。
このようにまずは2.1chからスタートし、手持ちの機器を活かしつつ将来的にリアルサラウンドに拡張できる本機能。音質、機能の両面から、HT-CT790とHT-XT2は確実に選びたいモデルになったと言えるだろう。
(特別企画 協力:ソニーマーケティング株式会社)