SACD、ハイレゾからアナログまで試聴
デノン「1600NEシリーズ」レビュー。価格を越えた音楽性を備えるプリメイン&SACD
■データのクオリティに鋭敏に反応するPMA-1500NEのUSB入力
次いでPMA-1600NEのUSB-DACを使用して試聴を続けた。データの送り出しはfidataのネットワークオーディオサーバー「HFS1-S20」を用いた。
まずはCDクオリティの音源から聴いたのだが、基本的にはDCD-1600NEと同じ傾向の音である。ただし組み合わせたストレージがSSDなのでCDのリアルタイム再生のような回転メカニズムに起因する、ゆったりとしたスイング感がなく、虚空からいきなりエネルギーが放射されるようなスピード感がある。また、エネルギーバランスがわずかにピラミッド型寄りであるように感じられなくもない。音楽的にはDCD-1600NEよりもさらに楽曲・演奏に不介入な印象を受けるのだが、これはストレージによっても変わってくるだろう。
データのクオリティには鋭敏に反応する。したがってハイレゾを聴く意義は大きく、PCM 96KHz/24bit以上の領域ではCDクォリティよりもはるかに情報量が多くなる。PCM 192kHz/24bitともなると演奏者の顔が見えるようなイリュージョンすら感じるほどだ。PCM384/32の再生音には恐れ入った。バッハのオルガン曲を聴いたのだが、ペダルトーンが轟然と試聴室を揺るがしたのだ。ハイレゾの最後に聴いたDSD 11.2MHzのポップスでは、低音楽器の音が頬に感じるほどの風を巻き起こし、ライブ以上の迫力をもたらしてくれた。
■レコードならではの魅力を引き出すPMA-1600NEのフォノ入力
最後にPMA-1600NEのフォノイコライザーを用いてLPを再生した。レコードプレーヤーはラックスマンの「PD-171A」を用いた。前述のようにPMA-1600NEのフォノイコライザーはMM/MC対応である。これはMCカートリッジを導入しようとしているユーザーにとって誠にありがたい。というのもMCカートリッジはそれ自体が高価なうえ、プリメインアンプがMMのみの対応だと昇圧トランスまで手に入れなければならず、導入のハードルが非常に高くなってしまうからだ。その点、MCにも対応している本機はユーザーに極めて優しい。MM/MCの切り替えはリアパネルのスイッチで行うのだが不便は感じられないだろう。
まずはMMカートリッジのNAGAOKA「MP-500」で聴いてみたのだが立派な音である。MP-500はMM型機としては比較的低出力なのだが、オマケ的なフォノイコライザーにありがちなエネルギー不足は全く感じられない。エネルギーバランスはMM型らしい摩天楼型だが、低音がやせ細るようなことはなく、アナログらしい豪快で稠密感のあるサウンドが楽しめる。音楽的にはハイレゾ/スーパーハイレゾのようなリアリズム感よりもお芝居的なフィクション感が支配的だが、それがアナログの楽しさともいえる。
次にMCカートリッジのオーディオテクニカ「AT-33EV」で聴いてみたのだが、艶やかで馥郁たる音である。エネルギーバランスはMC型機らしい堂々たるピラミッド型だ。音楽的にはMM型よりもさらにハイレゾ的なリアリズム感からは遠ざかるような印象だが、聴覚の視座を少し修正するだけで現実の音楽との距離が縮まるようなイリュージョンを味わうことができる。個人的にはクラシックやヴォーカルを聴くならMC型が適しているように思う。
次いでPMA-1600NEのUSB-DACを使用して試聴を続けた。データの送り出しはfidataのネットワークオーディオサーバー「HFS1-S20」を用いた。
まずはCDクオリティの音源から聴いたのだが、基本的にはDCD-1600NEと同じ傾向の音である。ただし組み合わせたストレージがSSDなのでCDのリアルタイム再生のような回転メカニズムに起因する、ゆったりとしたスイング感がなく、虚空からいきなりエネルギーが放射されるようなスピード感がある。また、エネルギーバランスがわずかにピラミッド型寄りであるように感じられなくもない。音楽的にはDCD-1600NEよりもさらに楽曲・演奏に不介入な印象を受けるのだが、これはストレージによっても変わってくるだろう。
データのクオリティには鋭敏に反応する。したがってハイレゾを聴く意義は大きく、PCM 96KHz/24bit以上の領域ではCDクォリティよりもはるかに情報量が多くなる。PCM 192kHz/24bitともなると演奏者の顔が見えるようなイリュージョンすら感じるほどだ。PCM384/32の再生音には恐れ入った。バッハのオルガン曲を聴いたのだが、ペダルトーンが轟然と試聴室を揺るがしたのだ。ハイレゾの最後に聴いたDSD 11.2MHzのポップスでは、低音楽器の音が頬に感じるほどの風を巻き起こし、ライブ以上の迫力をもたらしてくれた。
■レコードならではの魅力を引き出すPMA-1600NEのフォノ入力
最後にPMA-1600NEのフォノイコライザーを用いてLPを再生した。レコードプレーヤーはラックスマンの「PD-171A」を用いた。前述のようにPMA-1600NEのフォノイコライザーはMM/MC対応である。これはMCカートリッジを導入しようとしているユーザーにとって誠にありがたい。というのもMCカートリッジはそれ自体が高価なうえ、プリメインアンプがMMのみの対応だと昇圧トランスまで手に入れなければならず、導入のハードルが非常に高くなってしまうからだ。その点、MCにも対応している本機はユーザーに極めて優しい。MM/MCの切り替えはリアパネルのスイッチで行うのだが不便は感じられないだろう。
まずはMMカートリッジのNAGAOKA「MP-500」で聴いてみたのだが立派な音である。MP-500はMM型機としては比較的低出力なのだが、オマケ的なフォノイコライザーにありがちなエネルギー不足は全く感じられない。エネルギーバランスはMM型らしい摩天楼型だが、低音がやせ細るようなことはなく、アナログらしい豪快で稠密感のあるサウンドが楽しめる。音楽的にはハイレゾ/スーパーハイレゾのようなリアリズム感よりもお芝居的なフィクション感が支配的だが、それがアナログの楽しさともいえる。
次にMCカートリッジのオーディオテクニカ「AT-33EV」で聴いてみたのだが、艶やかで馥郁たる音である。エネルギーバランスはMC型機らしい堂々たるピラミッド型だ。音楽的にはMM型よりもさらにハイレゾ的なリアリズム感からは遠ざかるような印象だが、聴覚の視座を少し修正するだけで現実の音楽との距離が縮まるようなイリュージョンを味わうことができる。個人的にはクラシックやヴォーカルを聴くならMC型が適しているように思う。