手頃な価格で確かな音質を実現
ハイコスパで人気のUSB-DAC/ヘッドホンアンプ、Soundfort「DS-200/DS-100+」を試す
それでは試聴に入ろう。まずはDS-200とDS-100+のUSB-DAC/ヘッドホン部の音質を確認する。DS-200は自宅のHi-Fiシステムの中に組み込んで、USB-DACとしてラインアウトの音も聞いてみた。
今回はトランスポートに「MacBookPro」、再生ソフトウェアに「Audirvana Plus」を組み合わせ、ヘッドホンは片山氏がSONYのスタジオモニターヘッドホン「MDR-CD900ST」を使用して音質チューニングを行っているとのことなので、同じようなキャラクターを持つ(と言っても多少違うのはご了承願いたい)手持ちのSONY「MDR-Z1000」を使用した。
USB-DACとしての試聴では手持ちのパワーアンプとDS-200を接続して、JBLのモニタースピーカー「4312E」を鳴らしてみる。
今回は、J-Pop/アニソン/ジャズ/女性ボーカルなど複数のジャンルを用意し、フォーマットもMP3/PCM(FLAC)/DSD/PCM(WAV)32bit音源などを利用して念入りに試聴を行った。試聴音源の詳細は後述する。
■スピード感と音抜けの良さが特徴。キレのある音色を再生する
DS-200は全帯域のスピード感と音抜けの良さが特徴だ。聴感上の解像度やS/Nが高く、特にバスドラムやベースなど低音楽器の立ち上がりの良さが印象的。例えばMP3フォーマットのfripSide「Run into the light」(MP3 44.1kHz/320kbps)を再生すると、フロントのLEDでPCMと44.1が光る。そして音が出た瞬間、スピード感のある音調に「おぉ」と軽く仰け反ってしまった。バスドラムにキレと瞬発力があり、南條愛乃のボーカルにも透明感がある。
続いてハイレゾのRADWIMPS「前々前世[movie ver.]」(FLAC 48kHz/24bit)を再生した。こちらも一聴してスピード感ある音調で、各楽器も明瞭に分離しハイレゾ音源の良さがしっかりと出音に反映される。
そして、クライマックスは32ビット音源の再生だ。佐咲紗花の「WASTELANDERS」(WAV 96kHz/32bit)を聞いたのだが、32bitらしい情報量の多い音源とスピード感溢れる音調の相乗効果により、聴き手に猛烈に訴えかけてくる。空間表現も良好で、ハイビット音源のメリットを十分に聞くことができた。
続いて、本機のライン出力を利用してJBLのスピーカー「4312E」を鳴らしてみる。海外渡航時に入手した女性ボーカルのDSD音源、ダイアナ・クラールの「The Girl In The Other Room」(2.8MHz/1bit DSF)を再生したのあだが、実は今回の試聴で特に印象が良かった組み合わせがこれだ。DSDらしい滑らかで密度のあるボーカルにDS-200のキレの良い音色が重なり、秀逸な表現力で聞かせてくれた。女性ボーカル再生に必須の色気も持ち合わせている。
余談だが、本機にはこの金額の製品にしては太めでしっかりとしたUSBケーブルが付属される。このような気遣いは嬉しいところだ。今回はこのケーブルを社外品のさらにグレードの高いものに交換してみたのだが、各々のケーブルの持つ音色や音調がしっかりと音に反映され、DS-200の素性の良さも確認できた。
次ページ続いてDS-100+試聴へ。価格からは想像できない確かな音質