アナログ部を大幅アップグレードを果たした”ブラック・レーベル”
高級機に匹敵する表現力 ー iFI-Audioの最新USB-DAC「micro iDSD BL」を聴く
■圧倒的なスペックを継承しつつ、アナログ回路を大きく進化させた
そもそも、micro iDSDの強みは先進的なデジタル技術を軸としたUSBドライバー周りの作り込みだ。ASIOネイティヴ、DoP方式それぞれでDSD11.2MHz(最大24/6MHz)に対応。これは、DACとしても極めて早い段階での実現だった。デジタル部の核となるDACチップについては、TI製「DSD1793」を2基搭載する従来機の構成を踏襲している。しかしmicro iDSD BLでは、フェムト秒クラスの精度を持つAMR Global Master Timingクロックシステムをさらにブラッシュアップして、超低位相ノイズおよび超低ジッターを実現。よりS/Nの良いサウンドを獲得している。
アナログ部では低音増強機能「XBass+」や立体音場処理機能「3Dホログラフィック+」といった独自機能の再チューニングを実施すると共に、TI社の協力のもと、オリジナルのオペアンプを開発。チップ内部のウエハーにHCOFC製リードフレームと4Nゴールド・ボンドワイヤーを埋め込んだ特別な仕様としており、DAC段のパワーレギュレーター用「OV2628」とアナログステージ用「OV2627」の2種類が搭載されている。
また音質の良さで定評のある導電性高分子アルミ個体電解コンデンサー「OS-CON」をこのアナログステージ電源用に用いたほか、デジタル回路用電源、ヘッドホンアンプ用電源にも採用するなど、計12基もの大量投入を実現した。ほかにもパナソニック製の面実装フィルムコンデンサー、KEMET製タンタルコンデンサーを新たに採用。さらにはメルフ抵抗など、こだわりのパーツを要所ごとに取り入れ、サウンド面も大きく進化した。