[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第178回】ソフトフォーム系イヤーピースに期待の新星「Crystal Tips」登場!各社ソフピと徹底比較
最もわかりやすいポイントは「社内開発された耐熱・耐汗プロテクトフィルムコーティング」だろう。フォーム素材がヘタる大きな理由の一つは、汗などの成分による素材の劣化。それらに強く、それらを通さないコーティングで保護すれば、耐久性は向上する。
他のメーカーの製品もそれぞれ何かしらの表面処理はされているようだが、改めてプッシュしてくるわけだから、Crystal Tipsとしては「うちはそこに特に自信あり!」なはず。実物の質感としては「いかにもコーティングしてありますよ!」という感じにテカってはおらず、さらりと普通なことが印象的。ここは装着感にも関わってきそうだ。ただ耐久性については、このイヤーピースばかりを何ヶ月か使い続けないことには確認できない。なのでその点の評価は、今回は出さない、というか出せない。
なお他に、「生産を『無塵室』で行うことにより、不純物等の混入を防ぎ、高い品質を維持する生産体制」「イギリスでの生産にこだわり」とのアピールもされている。設計面では「3Dプリンターを活用し最適な弾力性を獲得。抜群の装着性、音場のクリアーな広がりと遮音性を実現」とのこと。
室温約19度の状態では、他メーカーのフォーム素材よりも柔らかめな感触だ。実際、硬めのフォームや体温で温まってから柔らかくなるフォームよりも、装着直後からなじみの良い感じがした。
なお、イヤーピースとして極めて重要なサイズ展開だが、『Coreサイズ:S/M』『Tipサイズ:S/M/L』の組み合わせで6タイプが用意されている。
Coreは軸の内径。SがShureやWestoneなどに対応するいわゆる細軸で、Mが「その他の多く」に対応する、よくある太さの径だ。Tipは普通にイヤーピースそれ自体の大きさ。つまり自分のイヤホンに合わせてCoreサイズを選び、自分の耳のサイズに合わせてTipsサイズを選べばOK。
■定番イヤーピースと形やサイズなどを比較
ではこのCrystal Tipsを軸に、ソフトフォームイヤーピースの定番製品のまずは形やサイズを比較してみよう。