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多機能一体型レシーバー

新生ティアック初フルサイズ機の出来映えとは? “Reference 7”第一弾「NR-7CD」レビュー

公開日 2017/02/17 10:10 土方久明
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CD、USB、Bluetooth…。それぞれの音質を確かめる

続いて背面にUSB外付けハードディスクを接続し、スティング『57TH & 9TH』から「I Can't Stop Thinking About You」(96kHz/24bit/FLAC)を再生した。スティングが13年ぶりに発売したロックアルバムだ。再生を始めると、イントロのギターに張りがあり、スティングのボーカルは、猛烈に聴き手へ訴えかける。スタジオの空気感も感じられるほど本質的な音の良さを感じるのだ。

USB-HDDを直結しての再生も試みた

ハイレゾはかなり高い再生能力であったが、CDはどうだろう。本機のCDメカ部には、業務用のTASCAMブランドでも採用しているティアック製のドライブメカを搭載。2倍速回転で読み出しを行う。

CDプレーヤー部はティアック製ドライブメカを搭載した

マイルス・デイヴィス 『イン・ア・サイレント・ウェイ』をディスクトレイに入れ、再生ボタンを押す。マイルスのトランペット、ウェイン・ショーターのサックス、ハービー・ハンコックのピアノなど、各メンバーが即興演奏をしているのだが、その独特の緊張感を見事に表現する。本機のCD再生機能は決しておまけなどではなかった。

ここで、RDOT-NEO(Refined Digital Output Technology NEO)と機能を利用してみた。これは、PCMデジタル信号をアップコンバートしたり、DSD 11.2MHz へ変換するデジタルフィルターだ。

アップコンバートの数値を2倍、4倍、8倍と上げていくと、聴感上では、高域が滑らかに変化する印象だ。DSD変換では全域の密度感が増し、まるでもとからDSDの音源を聞いているような音調になるのだから面白い。また音の立ち上がりや余韻などの音調を変えられる4種類のデジタルフィルターも搭載されている。今までであれば機材を買い換えたり、アクセサリーなどを使う必要があった音のチューニングをデジタル領域で行うことができるのだ。

RDOT-NEO(Refined Digital Output Technology NEO)機能

本体前面にもアップコンバートのボタンも装備

最後はBluetooth接続機能を利用してみる。本機はハイレゾ相当の伝送が可能なLDACをはじめ、aptX、AACなど幅広い高音質伝送コーデックに対応している。

「NW-ZX2」からLDACで伝送したオーディオを聴く

ソニーのウォークマン「NW-ZX2」とLDACで接続を行い、パンチブラザーズ「Passepied(Debussy)/The Phosphorescent Blues 」を再生した。96kHz/24bit相当のクオリティで送れるだけあり、いかにも圧縮音源然としたところは影を潜め、ダイナミックレンジが広く、ダイナミックさなど、良好な音質で楽しむことができた。



試聴を終えて、NR-7CDは、一体型のメリットであるスペースファクターと多彩な再生機能を両立した「新世代の一体型モデル」という意を強くした。

CDやBluetoothが搭載されていることもあり、購入後すぐに使い始めることができる。また操作が難しくなりがちなネットワーク/USB再生を、秀逸なソフトにより解消したこともに感心する。

そして何より伝えたいのは、素晴らしい音質だ。ハイエンドオーディオの音の領域とは、その音が出た瞬間に、開発した人の思いや、まるで製品に魂があるような、生きた音が聞こえてくることだと思っている。NR-7CDからはそれが聞こえてくる。

今までになく褒めてしまったが、ハイエンドの一体機という新たな提案が市場でどれだけ受け入れられるのか注目したい。

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