【特別企画】ネットワークブリッジ「PlayPoint」との組み合わせも
exaSound「e32」を聴く ー コンパクトボディにESS最新DACや独自USBオーディオ技術を凝縮
■同社製USB-DAC専用のネットワークブリッジ「PlayPoint」にも注目したい
e32をはじめとするexaSound製のUSB-DAC専用のネットワークブリッジ、「PlayPoint」にも魅了されずにはいられなかった。
これを使えば、LANに接続してNASからハイレゾ音源をネットワーク再生できる。FAT32規格のUSBストレージをダイレクトに接続して、そこに保存した音源をアプリから操作して再生することもできる。PlayPointは、簡単に言い換えればネットワークトランスポート、またはD/Dコンバーターと言える。
PlayPointは最近話題の再生ソフトウェア、Roonに対応するデジタル処理ボードを備えており、RoonReadyとしてはもちろん、サーバー等の役割を果たすRoon Coreとしても使用できる、これ1台で、UPnPやMPD、Roonを含む複数のネットワークオーディオ用プロトコルに対応できることも特徴だ。
e32とPlayPointはUSBケーブルで接続するが、e32は一般的なUSB Audio Class2.0を使わず、独自のUSBプロトコルを使用する。これによりジッターを低減し、USB伝送のタイミングエラーの抑制を実現している。
■高密度な音楽と豊かな倍音再現。広大なステージが広がる
LANに接続したPlayPointにFAT32のSSDストレージを接続。e32とはUSB接続して、iPadの「Kinsky」アプリで操作した。
グレース・マーヤ「Love Song For You」(11.2MHz DSD)を再生したが、DSD256でも音の途切れは全くなく、瑞々しいアナログ的な音質で再現したことに感激した。特にボーカルにウェットな声質と微妙な声使いが聴きとれ、DSD256の豊かな倍音と高密度な特性が発揮された。ドラムスのシンバルでは、繊細で柔らかな質感が加わり、エレクトリックピアノの倍音に真空管らしい、ふくよかな質感を感じる。
この曲は、私が普段愛用するDACでは高域が薄口、痩せ気味になるのだが、e32では中低域に厚みを持たせた、ピラミッド型に近いバランスで再現される。高域は伸びているが、歪感は皆無でナチュラルだ。
2Lのマニフィカト(352.8kHz/24bit FLAC)は、室内オーケストラと女性合唱団による作品だ。曲によって、ソロ・ソプラノが加わる、美しい高音質アルバムで重厚なパイプオルガンも加わる。再生してみて、まさにサイズを超えた音に驚いた。
ステージが広く、教会の残響が豊かだ。前面の左右に弦楽パートが広がるのだが、その響きは木質感たっぷりで音数も多い。女性合唱の清涼感に溢れた声は実に美しく、澄んだ空気を感じさせる。中央のソプラノもリアルに低位し、オルガンの音は濁らず、リニアに伸びてくる。ES9028PROのダイナミックレンジの広さ、変換精度の高さ、解像度の高さがフルに発揮されていると感じた。
■ジャズは往年のアナログに迫る生々しさを示す
ブルーノートの往年のジャズアルバムやコロンビアのマイルス・デイビスのアルバムを再生しても、音が高密度、なおかつ倍音の再現性が高いので、トランペットやテナーサックスでは金管らしい重厚な響きを示して生々しい。シンバルの音の鮮度の高さも素晴らしく、ベースやピアノに重量感を感じる。往年のアルバムにアナログに迫る、聴き応えを感じさせてくれるのだ。
マイルス・デイビスの「The Last Word」は44.1kHz/24bitとサンプルレートがここまでの音源より低いが、躍動感に溢れた演奏と音で見事な再現。44.1kHzの音も実に良い。CDリッピングも存分に楽しませてくれる。
Roonの再生も行ったが、iPadの操作画面のデザインが美しく、操作する楽しみが湧く。英文ではあるが、数々のアルバムのライナーノートも読むこともできるのもいい。音質面では、FLACファイルをPlayPoint内部で非圧縮データに戻して再生するからであろうか、一枚ベールを剥いだような、さらに鮮度の高い音が体験できる。
◇
このようにe32とPlayPointの組み合わせは、実に魅惑的だ。熟練オーディオ愛好家も注目するだろうし、前述のように高品位なハイエンド・スタイリッシュ・オーディオを実現したい方にもおすすめできるモデルである。この音にはぜひ、実際に触れてみて欲しい。
(角田郁雄)
特別企画 協力:株式会社エミライ
e32をはじめとするexaSound製のUSB-DAC専用のネットワークブリッジ、「PlayPoint」にも魅了されずにはいられなかった。
これを使えば、LANに接続してNASからハイレゾ音源をネットワーク再生できる。FAT32規格のUSBストレージをダイレクトに接続して、そこに保存した音源をアプリから操作して再生することもできる。PlayPointは、簡単に言い換えればネットワークトランスポート、またはD/Dコンバーターと言える。
PlayPointは最近話題の再生ソフトウェア、Roonに対応するデジタル処理ボードを備えており、RoonReadyとしてはもちろん、サーバー等の役割を果たすRoon Coreとしても使用できる、これ1台で、UPnPやMPD、Roonを含む複数のネットワークオーディオ用プロトコルに対応できることも特徴だ。
e32とPlayPointはUSBケーブルで接続するが、e32は一般的なUSB Audio Class2.0を使わず、独自のUSBプロトコルを使用する。これによりジッターを低減し、USB伝送のタイミングエラーの抑制を実現している。
■高密度な音楽と豊かな倍音再現。広大なステージが広がる
LANに接続したPlayPointにFAT32のSSDストレージを接続。e32とはUSB接続して、iPadの「Kinsky」アプリで操作した。
グレース・マーヤ「Love Song For You」(11.2MHz DSD)を再生したが、DSD256でも音の途切れは全くなく、瑞々しいアナログ的な音質で再現したことに感激した。特にボーカルにウェットな声質と微妙な声使いが聴きとれ、DSD256の豊かな倍音と高密度な特性が発揮された。ドラムスのシンバルでは、繊細で柔らかな質感が加わり、エレクトリックピアノの倍音に真空管らしい、ふくよかな質感を感じる。
この曲は、私が普段愛用するDACでは高域が薄口、痩せ気味になるのだが、e32では中低域に厚みを持たせた、ピラミッド型に近いバランスで再現される。高域は伸びているが、歪感は皆無でナチュラルだ。
2Lのマニフィカト(352.8kHz/24bit FLAC)は、室内オーケストラと女性合唱団による作品だ。曲によって、ソロ・ソプラノが加わる、美しい高音質アルバムで重厚なパイプオルガンも加わる。再生してみて、まさにサイズを超えた音に驚いた。
ステージが広く、教会の残響が豊かだ。前面の左右に弦楽パートが広がるのだが、その響きは木質感たっぷりで音数も多い。女性合唱の清涼感に溢れた声は実に美しく、澄んだ空気を感じさせる。中央のソプラノもリアルに低位し、オルガンの音は濁らず、リニアに伸びてくる。ES9028PROのダイナミックレンジの広さ、変換精度の高さ、解像度の高さがフルに発揮されていると感じた。
■ジャズは往年のアナログに迫る生々しさを示す
ブルーノートの往年のジャズアルバムやコロンビアのマイルス・デイビスのアルバムを再生しても、音が高密度、なおかつ倍音の再現性が高いので、トランペットやテナーサックスでは金管らしい重厚な響きを示して生々しい。シンバルの音の鮮度の高さも素晴らしく、ベースやピアノに重量感を感じる。往年のアルバムにアナログに迫る、聴き応えを感じさせてくれるのだ。
マイルス・デイビスの「The Last Word」は44.1kHz/24bitとサンプルレートがここまでの音源より低いが、躍動感に溢れた演奏と音で見事な再現。44.1kHzの音も実に良い。CDリッピングも存分に楽しませてくれる。
Roonの再生も行ったが、iPadの操作画面のデザインが美しく、操作する楽しみが湧く。英文ではあるが、数々のアルバムのライナーノートも読むこともできるのもいい。音質面では、FLACファイルをPlayPoint内部で非圧縮データに戻して再生するからであろうか、一枚ベールを剥いだような、さらに鮮度の高い音が体験できる。
このようにe32とPlayPointの組み合わせは、実に魅惑的だ。熟練オーディオ愛好家も注目するだろうし、前述のように高品位なハイエンド・スタイリッシュ・オーディオを実現したい方にもおすすめできるモデルである。この音にはぜひ、実際に触れてみて欲しい。
(角田郁雄)
特別企画 協力:株式会社エミライ