[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第188回】今回もやります!高橋敦の「ヘッドホン祭2017春」超個人的ランキング
▼【第1位】デスクトップにはこれが欠けていた!
デスクトップシステムに適したスピーカーの条件はまずもちろん、「デスクトップに設置できる範疇の大きさ(小ささ)」だ。これは考えるまでもなく誰もが理解しているところだろう。
しかし同じくらい大切なことなのに見落とされがちなのが、「設置の高さと角度をデスクトップに最適化できる調整手段がある」というポイント。
普通のスピーカーをデスクにそのまま置いただけだと、「スピーカーがリスナーの耳に正対しないので音調も定位も本来のものから遠ざかってしまう」「デスク面からの反射で音が乱れてしまう」などによって、スピーカーの実力は相当に削がれてしまう。そこを理解しているメーカーはデスクトップを想定したシステムでは、スピーカー自体を上向きの角度を付けたスラント型にしておいたり、角度や高さを調整できるスタンドをオプションで用意しておいたりしているわけだ。
しかしすべての製品がそこまで配慮されているわけではないし、そもそもデスクトップ用途は想定していないスピーカーをデスクトップに流用したい場合だってある。
そういう場合これまでは、ユーザー側で適当な大きさや素材のものを置いたり挟んだりして高さや角度を調整していたわけだが、そういうやり方は往々にして設置の安定感は不足しがち。すると音質的にもよろしくないし安全性にも不安が出るし、せっかくのセッティングも動いてしまいやすい。どうしたものか。
そんな悩みを解決してくれそうなアイテムがこちら、Escartの参考出品アイテム「MISTRAL Desktop Speaker Stand」だ!
肉厚アルミの本体、その上部の滑り止め&制振シート、角度調整機構を兼ねるスパイク、その下に置くスパイク受けと、その構成は念入りだ。構造的には極めてシンプルなので、それ故の安定感や剛性感もある。特定のスピーカーを想定したものではない汎用品だということも大きい。
こういった製品がこれまでに全くなかったわけではないのだが、こちらのスタンドは構造的にも外観的にもより洗練されている。「こういうのがあればいいのになあ」とぼんやりと思い描いていたものをより素晴らしい形で具現化してもらえた。そんな気分だ。
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