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<連載:折原一也の“いまシュン!”ビジュアルプロダクト>

ソニー/パナソニック/東芝/LG…4K有機ELテレビ各社一斉比較! 画質傾向はどう違う?

公開日 2017/08/07 11:56 折原一也
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ソニーは解像感があるが映像としての立体化はさほど追求せず、パナソニックは色調は落ち着いたトーンにとどめつつも肌と顔の立体感も……と評価したいのだが、じっくり見るとこの比較は難しい。特にパナソニックとソニーの肌の表現力については、1つのチャプターのなかでもカットが変わり肌に当たる光が変わると、どちらが立体的かすら変化するほど微妙なレベルでの違いとなっている。

最後に確認として照明を付けた状態で地デジもチェック。映像モードはLGを“標準”、東芝を“ライブ”、パナソニックを“リビング”、ソニーを”スタンダード”にして視聴した。

東芝は圧倒的に画面全体のノイズ処理と精細感に長けるが若干イエローに寄り、LGは白く明るいトーンとしてノイズは目立つが見栄え良く画を作る。パナソニックはテレビらしいノイズ低減とモニター調でスキのない画作り、ソニーはスタンダードモードでは積極的に色を使いまとめる。

■かつてないハイレベルな高画質対決

今回改めて4機種を視聴したが、さすが有機ELと言いたくなる非常にハイレベルな争いだった。

順に感想を述べていくとLG「OLED65E7P」は、有機ELテレビでありながら、画質チューンとして他社より一段明るく有機ELテレビのメジャー化を目指したチューン。

東芝「65X510」は全体の傾向として色が濃く、映像の立体感が強く、ノイズ低減が強力。これは液晶テレビから続くREGZAブランドの画作りを継承している。

パナソニック「65EZ1000」とソニー「KJ-65A1」は最後まで好敵手同士だった。いずれも開発時からマスターモニターをリファレンスにしていて、徹底的な暗部階調の追い込み、暗所から明所までの色彩の中間トーンまでも徹底的に合わせ込むという考え方も同じ。故に、両機種の画質は根本的に非常によく似ている。

編集部の試聴室で実際に横に並べて比べてみると微妙な色の差こそあったが、それを観た上でどちらが正しい? どちらが良い? と聞かれても判断に悩む水準にある。

また4機種全体を通しての感想になるが、有機ELの弱点と言われていたHDR表現でのピーク輝度の低さも、実際の映像を観た上では全く感じることはない。有機ELの売り文句の受け売りのようだが、一画面内の黒の表現に長けることで相対的なコントラストが上がり、画面内の点光源の光は実にリアルに映るし、瞬間的な光の立ち上がりが速く、フラッシュするような光では特にHDR効果も感じ取りやすい。

4社の画質徹底レビューとしての成果は以上の通り。4社どの機種を選んでも余裕で最高クラスの画質を堪能できる。

実際の購入にあたっては、「DolbyVision」にすでに対応済みで「DolbyAtomos」にも対応するLG、全録機能「タイムシフトマシン」が使える東芝、「Tuned by Technics」スピーカーを搭載するパナソニック、「アコースティックサーフェス」で映像と音声の一体感を高めたソニーといった具合に、画質以外の面も含めた総合力で選ぶと良いだろう。

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