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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第197回】懐かしの“学校机”「コクヨ 教育施設用生徒用デスク」で構築! 「最小限」デスクトップオーディオ

公開日 2017/10/27 15:19 高橋 敦
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この角付近で壁に並行に正対する設置だと、左右スピーカーのどちらかだけの近くの側面が壁になり、対して逆側は広々と開けることになる。音響的には、といっても実際に正しいかはわからないが僕の考えとしては、これでは左右のアコースティックな条件があまりにも不揃いになりすぎてしまう。

対してド角向きの設置であれば左右の条件は揃う。ただどう考えても、スピーカー背面の空間が△型というのも音響的にはよろしくないだろう。そこについては後ほど実際に確認し、対策を考えていく。

もうひとつ、こちらは純粋に音響の要因だけではなく心理的な要素もあるのでは?と思うのだが、奥行き表現においてもこのふたつの設置パターンには無視できない違いが生まれると予想した。

壁に並行に向く設置だとリスナーの視界において、スピーカーのすぐ後ろが壁。前の部屋では僕もこの設置だったのだが、この設置だと、例えばドラムスはスピーカーの後方に下がり、ボーカルはその手前にといったような、音場の奥行きの表現が浅くなりがちに思えていた。

すぐ近くからの壁面反射という音響的な要因もあるだろうがそれ以上に、「目の前が壁なのにそれを無視してその向こうにまで音像を浮かび上がらせる」というのが、音の受け取り側の人間、僕にとって難しかったのではないだろうか。試しに目をつむってみたりもしたが「目の前は壁」という現実が意識に刻み込まれてしまっているからか、効果は薄かった。

ということで今回は角向きの設置を試みてみることにしたわけだ。詳しくは後に回すが、この試みは成功したと考えている。

学校机のデスクトップにアイテムを配置

机の配置を決めたら次は机の上の配置だ。物理的な大物としては、
・ノートPC(MacBook 12")
・スピーカー(Genelec 6010B)
・ヘッドホンアンプ(Burson Audio Soloist SL)
があり、その他にDACやパソコン周辺機器などもある。それらをこの狭い学校机にうまく配置しなくてはならない。

まずは配置し終えた状態を見ていただき、その後に各部のポイントを見ていただこう。

配置完了状態。左手前に僅かな空きスペースが残るのみ……

FPS……じゃなくてリスナーの視界としてはこんな感じ

全体としてのポイントは、
・機器はインシュレーター等で机の天板から浮かせて振動対策
・ノートPCは作業姿勢改善のために高さを稼ぐ
・スピーカーは耳に向けての角度と高さを確保
・PC周辺機器はPC背面に隠す
といったところ。そこも含めて、以下、組み上げ中の写真で各部のポイントを説明していく。

MacBook設置の土台。高さを稼ぐための板と角度をつけるための傾斜台「Twelve South ParcSlope」。なお学校机の6号サイズはデスクにしては珍しく元から760センチの高さを備える

重く頑強なオーク材に皮を接着して滑りとガタ付きを防止。傾斜台も頑強さを重視して選び、底面に制振ゴムを追加して高さとタイピングに対してのブレなさをさらに調整


MacBookの土台の奥にインシュレーターを置き……(インシュレーターは圧倒的コスパなオーテクのハネナイト「AT6091」)

その上に手近で余っていた硬質ゴムの板を置く。こちらをPC周辺機器の設置ベースとする


スピーカーセッティング。仮置きだがこの時点から左右の距離や角度は揃えておく

Genelec小型スピーカーのデスクトップ設置での大きな強みは高さと角度調整機構を備えるこのオプションスタンドシステム!


DACはiBasso Audio DH1。古い機種だが音も仕様(192/32&5.6)も十分。ヘッドホン出力とライン出力が独立&同時出力可能なこともシステム構築の重要ポイント

バッテリー非搭載だし常時稼働でも低発熱だしデスクトップでも使いやすい。そしてこの小ささなのでスピーカースタンド下のここに押し込める!


こちらもオーテクのハネネイトインシュレーターを置いてから……

ヘッドホンアンプ、Burson Audio Soloist SLを設置。スピーカースタンドの高さのおかげでその手前に置ける


手近にあったほど良いサイズのゴムブロックに同じく手近にあったダイソーのぷにぷにな耐震グッズを敷いて……

CD/DVDドライブをフローティング風に設置。ドライブの制振に加えて、左右スピーカー手前の音響条件を近付ける狙いも


傾斜台下に静音ファンを設置。このMacBookはファンレスなので普通に冷却目的だが、ファン内蔵MacBookの場合はうるさい内蔵ファンをできるだけ回させない静音目的でも有効

適当なスペーサーで下面の吸気スペースを確保しつつ角度を調整


細かな置き場所は後ほど調整するとして、MacBookの下や背面のスペースにUSB-C電源&ハブを仕込む

MacBook後方スペースにHDDとUSBハブを仮置き


ボリュームセクション。ヘッドホンアンプのボリュームに隣り合う隙間にFOSTEX PC-1を潜り込ませる。DACライン出力→PC-1で音量調整→パワードスピーカーという流れ

PC-1背面。ミニ端子入力でRCAライン出力。ポタアン的な小型DACとパワードスピーカーの接続にちょうど良い

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