【特別企画】評論家・高橋敦が音質に迫る
幾何学の応用でイヤホンの音質はどう変わる? HIFIMANの注目機「RE2000」実力チェック!
このイヤホンは低音の沈み込みの素直さと全体のすっきり感によって、そのベースをクリアに浮かび上がらせてくれる。ベースを前に出すのではなく、ポジションはそのままで見えやすくしてくれる感じだ。存在感を出しすぎることなくそれでいてグルーヴを引っ張るという、その役割を見事に果たさせてくれる。
ギターのカッティングやハイハットシンバルのオープンクローズは心地よいシャープさ。バンド全体のリズムのキメのスパッとしたキレもこれまた心地よい。ベースも十分な太さはありつつタイトにまとまっているし、大きなグルーヴよりも細かなグルーヴの方が際立つ印象だ。そこもやはり現代的。
Robert Glasper Experiment「Human」は、ジャズにソウル、ヒップホップなど様々なサウンドのハイブリッド。
こちらのベースとバスドラムはさらに深く沈むが、それにも難なく対応。綺麗に縦に沈んで横への余計な膨らみは出さないので、リズムがもたったり空気感がドヨンとしたりといったこともない。低音の整理が巧いイヤホンだ。
またこちらの曲はボーカルにいわゆるアンドロイドボイス的なエフェクトを用いているが、そのエフェクト成分の見せ方もクリア。ここが甘いとそれはそれでビンテージ感のようなものが出てきて悪くはないのだが、本来のサウンドの近いのはこういったクリアさだろうと思う。
■カジュアルリスニングがメインなら「RE800J」もオススメ
こちら「RE800J」はイヤモニスタイルではない小型筐体モデル。82,080円(税込)前後という価格的にも使い勝手としても、RE2000より身軽なモデルだ。
とはいえトポロジーダイヤフラムに真鍮ハウジングなど多くの要素をRE2000と共有しており、侮れない。RE800Jでは真鍮に金メッキ処理を施し、「見た目も音も豊潤で艶のある仕上がりを実現した」という。
その音質についてHIFIMANでは「まるで絹のように滑らかで気持ちのよいアコースティックなチューニングを施した」と説明。「つけた瞬間から今までに体験したことのないようなミュージカルかつ品のある余韻を与えてくれることだろう」と自信を見せる。
コンパクトで付け外しがしやすいことも含め、屋外でのカジュアルなリスニングがメインならこちらの方が使いやすいかもしれない。
どちらのモデルも高いレベルの音に達しているあたりやはり、最大の共通要素である「トポロジーダイヤフラム」の威力が大きいのだろう。今回のモデルはもちろん、今後の同技術搭載モデルへの期待も膨らませてくれるようなサウンドだ。HIFIMANはイヤホン分野でも要注目ブランドになってくるかもしれない。
<RE2000購入キャンペーン情報>「Balanced Cable for RE2000」無料プレゼント!
RE2000を購入すると、別売アクセサリー「Balanced Cable for RE2000」(予想実売価格23,760円前後)が無料でプレゼントされるキャンペーンを実施中。数量限定の先着順で、無くなり次第終了となる。
「Balanced Cable for RE2000」は、その名の通り「RE2000」向けの3.5mmバランスケーブル。イヤホン側はカスタムIEMでも使われる2ピン端子、プレーヤー側プラグには3.5mm4極バランスプラグを採用。同社のDAP「HM901s」や「Supermini」などに接続できる。
線材は単結晶銅と単結晶銀のハイブリッド。バランス化によって左右のチャンネル間の干渉も防いでおり、「音のレスポンスがとても速く、澄んだ音場を確立。中域はより綿密に、高域はより上品になり、まるで音楽ホールで聴いているような体験をすることができる」という。
(特別企画 協力:HIFIMAN)