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USB2.0仕様も同時にラインアップ

USB3.0規格対応のオーディオグレードUSBケーブル「Mercury 3.0」&「Gemini 3.0」最速レビュー

公開日 2017/11/13 18:36 土方久明
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■演奏が始まる前の暗騒音から一聴して分かる高解像度

試聴はシングルコネクターのMercury3.0から始めた。MacBookProをトランスポートにして、再生ソフトはAudirvana Plus3。同社から発売されているUSB3.0規格対応のアイソレーター「iGalvanic3.0」を経由してDACへ接続した。アリス=紗良・オットの『ショパン:ワルツ集』(96kHz/24bit FLAC)を再生する。一聴して情報量がある陽性なサウンドに感心する。明瞭なピアノタッチと余韻の美しい響きも備わっている。

Gemini 3.0の使用例の写真。iFIでは、iGalvanic 3.0や、nano iUSB 3.0、micro iUSB 3.0といったUSB 3.0に対応したアイテムを発売しているが、それらと組み合わせに最適なケーブルとしても推奨されている

続いて上位モデルのGemini3.0を試す。こちらはさらにグレードが上がった圧倒的な再生音を聴かせてくれる。演奏が始まる前に一瞬聴こえる暗騒音の解像度からして違うのだ、このケーブルが高いS/Nを持つことを直感した。fレンジはMercury3.0よりさらに広く、中低域に躍動感があるのが印象的で、なによりもパワーがある。中央部に設置されたRF3サイレンサーを移動すれば離調させる電磁波の周波数を可変できるとのことで、実際に動かしてみたのだが、これが「ハマる」とまるでDACのグレードが上がったような大幅な音質向上を感じることができた。

USBはもともとマウスやキーボードなどのパソコン用機器のインタフェース規格であり、オーディオ視点からみると不利な構造だ。さまざまなケーブルをテストしていてもUSBケーブルは音の変化量が多く、構造や素材などの影響を受けやすい印象を受けていた。

iFiの2つの新しいケーブルは、素材や構造を変更する通常のアプローチに加えて、RF3サイレンサーを装備することなどオーディオ専用ケーブルとして価値を高める工夫が随所に見える一歩飛び抜けた設計思想が魅力で、これはUSB3.0対応という意味でも現段階で比較対象のないオンリーワンのものとなる。

iFiのiUSB3.0やiGalvanic3.0をお持ちのユーザーはもちろん、USB2.0ユーザーでもケーブルを交換すればすぐに音質向上が実感できるはずだ。サウンドだけではなく、現時点でUSB3.0規格に対応させた同社の先進性と技術力にも敬意を表したい。

(土方久明)

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