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他方式にはないDLPならではの高解像度

オプトマから待望の4K DLPプロジェクターがついに登場!「UHD65」視聴レビュー

公開日 2017/11/21 10:00 大橋伸太郎
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■カラーブレイクを嫌ってDLP方式を避けていた方は必見

筆者が視聴室に到着した時、すでに上映されていたデモ映像を凝視してはたと気付いたのだが、DLP単板方式なのにカラーブレイク(色割れ現象)がほとんど見られないのである。

UHD65はHDR10に対応し、最大輝度が2,200ルーメンの明るいプロジェクターだ。4K UHD BDのHDR映像でコントラストのDレンジが広がり、明暗輝度差が強調されるようになると、カラーブレイクの発生する度合いが激しくなるのではないかと懸念していたのだが、杞憂だった。それどころか、これまでの国産高級機を含むDLPプロジェクターの中で、最もカラーブレイクの少ないプロジェクターと断言できる。ことにカラーブレイクの最も発生しやすい暗い映像の中の小面積の高輝度部分でも見事に抑えられ、ほぼ皆無といっていい。

「UHD65」の操作ボタンは本体側面に、デザインに溶け込むように配置されている

カラーホイールにどういう工夫をしたのか、輸入発売元であるオーエスの担当者に質問すると、「HD92と基本的に同じです」という回答である。ということは(筆者の認識では)RGB×2の6セグメントで毎秒7,200回転と推察される。

また同氏は、「オプトマが今回4K新製品を開発するに先立ち、カラーブレイクの発生をなんとしても抑え込むように要請しました。そうして『単板方式で出来るだけのことは全てやり尽くした』というメッセージが添えられて、UHD65が私どものもとに到着したのです」と語った。

カラーブレイクの認識は個人差があり、DLPユーザーはそれがあまり気にならない方だったわけだが、今回のUHD65はカラーブレイクを嫌ってDLP方式をパスしていた方は必見の価値がある。

その次に強く印象付けられたことは、DLP方式特有の映像のタッチが2K BDに増して4K UHD BDの映像で表面に現れ、映画作品個々の印象に大きく関わっていくことだ。

■DLP方式だから実現できた3D映像のような遠近描写

視聴は、4K UHD BDでリリースされた新旧SF映画中心にプログラムを組んでみた。本機のディスプレイ(映像)モードはシネマ、HDR、ビビッド、ゲーム、リファレンス、ブライト、ユーザー、3Dの全8種類があり、全ソフトを「シネマ」で視聴した。くどいようだが、2番目の「HDR」はオプトマ独自のハイコントラスト設定で、HDR10と関係はない。

ここの「HDR」からはHDR関係機能の調整はできないので注意

最初に再生・上映したコンテンツが『メッセージ』(4K UHD BD)である。本作は、「宇宙規模でのコミュニケーションの夜明け」というテーマにしたがって、映像は終始白夜か明け方の薄明のような沈んだトーンで描かれている。最初に市中の映画館のローコントラストな映像で見た時にその感を強くした。それが、自宅の4K有機ELテレビで4K UHD BDを見ると、HDRオーサリングで抑え目なコントラストの中の鋭い光や原色が前面に現れ印象が変わった。そして今回、UHD65は、映画館の上映とも4K有機とも違う別の顔を映画から引き出したのである。

次ページまるで3D映像を見ているかのような遠近描写

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