他方式にはないDLPならではの高解像度
オプトマから待望の4K DLPプロジェクターがついに登場!「UHD65」視聴レビュー
■オプトマから4K/HDR対応DLPプロジェクターが登場!
待望のDLP方式による4Kプロジェクター「UHD65」がオプトマから発売された。直視型テレビがハイエンドの有機ELを除けば液晶方式の一方式しかないのに対し、プロジェクターは3LCD、LCOS、DLP方式が並立していることが興味深い。3LCDとLCOSの両方式を手掛けるメーカーもあり、この二方式は価格的に棲み分けている感が強いが、DLP方式には固有のファンがいる。
映画館のデジタルプロジェクションのほとんど全てがDMD三板式の大型DLPプロジェクターであることによる劇場の上映画質との連続感もあるが、DLP方式の画質には他方式にない魅力があることが第一の理由だ。
フルデジタルであること(3LCDやLCOSはデジタル/アナログの折衷)に由来する動画応答性の高さと色表現も大きいが、第一は精細度の高さにある。DLPは4K UHD BDをどう描き出すか…。この日を待ち望んでいたファンは少なくない。それでは、オプトマのUHD65を詳しくみて行こう。
■4K UHD用のDLPシングルチップを採用
心臓部に0.66型DMDデバイス1基を搭載する。従来のフルハイビジョン用が0.65インチでサイズアップなし。実装されたマイクロミラーの個数はフルHD機「HD92」(関連ニュース)に搭載されたデバイスの2倍の約415万枚、2,716×1,528×2を表示する。
さて、大抵の方がこの数字を疑問に感じるのではないか。ネイティブ4Kなら実装ミラー数は3,840×2,160のはずだし、フルHDベースの画素ずらしだったら1,920×1,080のままのはずだ。
末尾の「×2」がキモで、UHD65は、2K・4Kの中間的な枚数のチップセットから毎秒9,000回以上の高速スイッチングを行う技術と、フレーム毎に2画素を投写する技術を使い4K解像度の映像を生成する。逆算された、必要にして充分なミラー個数が2,716×1,528というわけなのだ。詳しい手法は非公開だが、JVCのe-shiftの電気的手法ともエプソン3LCD機の4Kエンハンスメントの光学的手法とも異なる手法での生成と考えられる。
もちろんHDR10に準拠、ドルビービジョンには他製品同様に非対応。表示色域はDCI-P3を77%、BT.2020を50%カバーする。最大輝度2,200ルーメン、最大120万対1のコントラスト比を持つ。
投写レンズシステムは7群10枚で構成され、最大1.6倍のズームが可能。レンズは、10枚のうちフロントに「プリズムプラスチックレンズ」、その他の9枚に「ガラスレンズ」を採用。ガラスレンズを多く使うことで画質を追い込んでいるという。マニュアルで垂直方向にのみ+15%稼働のレンズシフトを搭載するが、キーストン補正に非対応。
光源はコンベンショナルな水銀ランプ(UHE)を使用し、交換までの寿命は、15,000時間(ダイナミックモード)、10,000時間(エコモード)、4,000時間(ブライトモード)となっている。投写距離の目安は、オプトマ公式サイトの投写距離表を参照してほしい。
UHD65の実際の視聴記に入る前に、オプトマ共通の映像調整技術「ピュア・エンジン」についておさらいしておこう。今回新しく追加されたのが「ピュア・コントラスト」で、暗いシーンと明るいシーンが併存する映像でコントラスト幅を読み取り、オンでガンマを最適調整し映像に奥行きを生む。
従来からある「ピュア・カラー」は、映像ごとに色彩情報を読み取り、オンで部分毎に彩度調整を行う。「ピュア・モーション」は、フレーム補間機能で、24あるいは30フレーム映像に補間コマを生成して挿入、滑らかな動きを生む。
「ウルトラディテイル」は、オプトマ流の超解像。ピクセル処理で映像のディテールにエンハンス処理を行う。「ダイナミックブラック」は、フレーム毎に明暗の情報を検出し最適なコントラスト比が与えられるようランプ出力を調整する。
さらに、4K HDR対応で新モード「ダイナミックレンジ」が追加された。HDR関係機能は全てこの項目内で設定する。映像モードの「HDR」はSDRコンテンツのダイナミックレンジを強調する承前の機能で、HDR10とは無関係だ。「ダイナミックレンジ」を開くと「HDR」(自動、オン、オフ、SDR→HDR)、「HDR効果」(標準、フィルム、ブライト)があり、デフォルトはAUTO(自動)に設定されている。
UHD65の視聴はオーエス東京ビルで行った。使用したスクリーンは、同社のHDR適合スクリーン「レイロドール」の100インチ(関連ニュース)、ディスクプレーヤーにOPPO「UDP-205」を使用した。
待望のDLP方式による4Kプロジェクター「UHD65」がオプトマから発売された。直視型テレビがハイエンドの有機ELを除けば液晶方式の一方式しかないのに対し、プロジェクターは3LCD、LCOS、DLP方式が並立していることが興味深い。3LCDとLCOSの両方式を手掛けるメーカーもあり、この二方式は価格的に棲み分けている感が強いが、DLP方式には固有のファンがいる。
映画館のデジタルプロジェクションのほとんど全てがDMD三板式の大型DLPプロジェクターであることによる劇場の上映画質との連続感もあるが、DLP方式の画質には他方式にない魅力があることが第一の理由だ。
DLP最新情報は《オプトマ公式サイト》でCHECK! |
フルデジタルであること(3LCDやLCOSはデジタル/アナログの折衷)に由来する動画応答性の高さと色表現も大きいが、第一は精細度の高さにある。DLPは4K UHD BDをどう描き出すか…。この日を待ち望んでいたファンは少なくない。それでは、オプトマのUHD65を詳しくみて行こう。
■4K UHD用のDLPシングルチップを採用
心臓部に0.66型DMDデバイス1基を搭載する。従来のフルハイビジョン用が0.65インチでサイズアップなし。実装されたマイクロミラーの個数はフルHD機「HD92」(関連ニュース)に搭載されたデバイスの2倍の約415万枚、2,716×1,528×2を表示する。
さて、大抵の方がこの数字を疑問に感じるのではないか。ネイティブ4Kなら実装ミラー数は3,840×2,160のはずだし、フルHDベースの画素ずらしだったら1,920×1,080のままのはずだ。
末尾の「×2」がキモで、UHD65は、2K・4Kの中間的な枚数のチップセットから毎秒9,000回以上の高速スイッチングを行う技術と、フレーム毎に2画素を投写する技術を使い4K解像度の映像を生成する。逆算された、必要にして充分なミラー個数が2,716×1,528というわけなのだ。詳しい手法は非公開だが、JVCのe-shiftの電気的手法ともエプソン3LCD機の4Kエンハンスメントの光学的手法とも異なる手法での生成と考えられる。
もちろんHDR10に準拠、ドルビービジョンには他製品同様に非対応。表示色域はDCI-P3を77%、BT.2020を50%カバーする。最大輝度2,200ルーメン、最大120万対1のコントラスト比を持つ。
投写レンズシステムは7群10枚で構成され、最大1.6倍のズームが可能。レンズは、10枚のうちフロントに「プリズムプラスチックレンズ」、その他の9枚に「ガラスレンズ」を採用。ガラスレンズを多く使うことで画質を追い込んでいるという。マニュアルで垂直方向にのみ+15%稼働のレンズシフトを搭載するが、キーストン補正に非対応。
光源はコンベンショナルな水銀ランプ(UHE)を使用し、交換までの寿命は、15,000時間(ダイナミックモード)、10,000時間(エコモード)、4,000時間(ブライトモード)となっている。投写距離の目安は、オプトマ公式サイトの投写距離表を参照してほしい。
UHD65の実際の視聴記に入る前に、オプトマ共通の映像調整技術「ピュア・エンジン」についておさらいしておこう。今回新しく追加されたのが「ピュア・コントラスト」で、暗いシーンと明るいシーンが併存する映像でコントラスト幅を読み取り、オンでガンマを最適調整し映像に奥行きを生む。
従来からある「ピュア・カラー」は、映像ごとに色彩情報を読み取り、オンで部分毎に彩度調整を行う。「ピュア・モーション」は、フレーム補間機能で、24あるいは30フレーム映像に補間コマを生成して挿入、滑らかな動きを生む。
「ウルトラディテイル」は、オプトマ流の超解像。ピクセル処理で映像のディテールにエンハンス処理を行う。「ダイナミックブラック」は、フレーム毎に明暗の情報を検出し最適なコントラスト比が与えられるようランプ出力を調整する。
さらに、4K HDR対応で新モード「ダイナミックレンジ」が追加された。HDR関係機能は全てこの項目内で設定する。映像モードの「HDR」はSDRコンテンツのダイナミックレンジを強調する承前の機能で、HDR10とは無関係だ。「ダイナミックレンジ」を開くと「HDR」(自動、オン、オフ、SDR→HDR)、「HDR効果」(標準、フィルム、ブライト)があり、デフォルトはAUTO(自動)に設定されている。
UHD65の視聴はオーエス東京ビルで行った。使用したスクリーンは、同社のHDR適合スクリーン「レイロドール」の100インチ(関連ニュース)、ディスクプレーヤーにOPPO「UDP-205」を使用した。
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