ハイエンド・ワイヤードイヤホン「SE-9000HR」も同時試聴
圧巻の実力でVGP金賞&コスパ賞! GLIDiCの完全ワイヤレスイヤホン「Sound Air TW-5000」レビュー
改めてイヤホン本体をチェック。こちらも表側はグロス仕上げ、耳に当たる側はマット仕上げ。どちらも素材感を生かしたシックな仕上げで、モノクロームの中で絶妙のコントラストを演出している。
サイズは普通のイヤホンとして見てもほんの少し大柄かなという程度で、完全ワイヤレスイヤホンとしてはかなりコンパクト。重さもまったく気にならない。
耳に当たる側は素直な曲線で構成されており、装着感も良好だ。付属しているものの中から自分の耳に合うサイズのイヤーピースを選べば、耳から外れてしまいそうな不安も感じない。強いて言えば左右を見た目で判別しにくいので、前述の接続手順との兼ね合いも合わせて、「取り出すときは右耳から」「しまうときも左右をしっかり意識する」をユーザー側で意識するようにするとよいかもしれない。
本体側面にマルチファンクションボタンが用意されており、音楽再生や通話の基本操作も可能。さらに曲送り/戻しや音量調整などが行えるのは、他にはない本機ならではの特徴だ。完全ワイヤレスイヤホンのなかにはラージサイズのイヤーピースが付属しなかったり、付属しているのにそれを付けるとケースからの出し入れがスムースにいかなくなったりする製品があるが、このモデルはそこも問題ない。
連続再生は単体約3時間、ケースで約2、3回のフル充電が可能なので合計約10時間使える。完全ワイヤレスイヤホンとしての平均をクリアしている。通信、左右接続の安定性なども、短時間のテストではまったく問題なかった。
■音の広がりや空間性を感じさせるクリアなサウンド
さて、サウンドだ。まず手短にまとめると、低音はやや軽めだが、だからこそ中高域の音色や抜けは素直で、特にボーカルは聴きやすい。
左右の音量やタイミングがずれて音場のセンターが出ていないとか、センターの音像がぶれるといったことも、このモデルでは気にならない。当たり前のことなのだが、その当たり前のことにも当たり外れがあるのが、現状の完全ワイヤレスイヤホンだ。それをしっかりクリアしてきてくれている。
音場全体のクリアさや見晴らしの良さを強みとするタイプだ。例えば悠木 碧『レゼトワール』やコーネリアス『いつか/どこか』といった、空間表現の豊かな曲を聴くとわかりやすい。左右に大きく広がり、音と音の間の余白も十分に感じられる。完全ワイヤレスイヤホンでこういう広がり方を表現できる製品は少なく、その意味でも貴重だ。
代わりに、ロックバンドのサウンドで一体感やパワフルさがほしいという場合には、そこは少し物足りないかもしれないが、そこはスマホ側のプレイヤーアプリでイコライザーをオンにして低音側をブーストするなど、遠慮なく調整すればよいだろう。
屋外ではAirPodsにはない遮音性という強みが発揮され、それでいて価格はAirPodsの半分。完全ワイヤレスイヤホンの定番になり得る力を備えたモデルだ。