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Blu-rayだけでなく動画配信サービスや写真も

10万円以下で買えるフルHDプロジェクター「EH-TW650」は、大画面の入門にピッタリだった

公開日 2017/11/30 10:00 折原一也
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『君の名は。』のディスクはアニメ作品らしく画面全体の色を瑞々しいタッチで表現し、大画面の劇場鑑賞の感動を蘇らせる。アニメ作品では特にフルHDの「EH-TW650」で鑑賞してもエッジのラインの美しさは維持されているし、エントリークラスの液晶プロジェクターながらドット感が現れない所にエプソンの高い技術が感じられる。

スマホやストリーミングデバイスを接続して楽しむ

本機をリビングに設置するなら、映画のみならず、動画配信やスポーツも楽しみたいところ。スティック型端末の「Chromecast」を挿入してNetflixなどのサービスを視聴してみたら、明るい照明下であっても大画面のサッカー観戦が思いのままに楽しめた。

動画配信サービスもクオリティ高く楽しめる

映像モードは実際の映像を見て確認してみたが、「ダイナミック」は極度に明るさ志向で色味のバランスが崩れるため、よほど輝度が必要な外光の入るリビング等に限定して使うべきモードといったところ。放送系、ビデオ系のコンテンツでは意外にも「ブライトシネマ」の設定が良く、色再現も鮮やか過ぎず自然に落ち着く。本機の巧みな色再現を象徴するモードと言えよう。

斜めに設置するしかない場合でも、強力な補正機能で調整が行える
 
さらに本機はエプソン“dreamio”のラインナップとして、様々な機器連携機能を備えている。そのひとつが内蔵するWi-Fi接続機能を利用したエプソンのビジネスプロジェクターに由来する「Epson iProjection」で、iOS/Android、そしてPCソフトウェアから写真やドキュメントファイルの投写にも対応。

ほかにもスマホ連携においては、HDMI端子を利用したMHLケーブルによる接続によりスマホとの直接接続も可能となっている。旅行で撮影した写真などを映し出しながらみんなで思い出を語り合うという使い方など、暗室でしっかりと映像を楽しむ高級機より、むしろ本機の方が向いているだろう。

またプロジェクターとしては珍しい、USB(USBタイプB)端子にPCとUSBケーブルで直結することが可能な「USBディスプレイ」の機能も搭載している。あらかじめドライバをインストールしておき、Windows10搭載の手持ちのPCで接続を試してみると、すぐに画面をミラーリングして接続することができた。なお、Mac PCにおいても同様に、簡単に接続が行えた。

エプソンのホームプロジェクター“dreamio”で最もエントリーに位置するEH-TW650ではあるが、実際に使い込んでみると丁寧に作り込まれた色再現性と共に、日本メーカーらしい優れた設置性、そしてスマホ/PCとの接続性まで、オールインワンによく揃えられたモデルだと分かる。

実売価格は105,980円前後となるが、スクリーンをセットにした「EH-TW650S」も用意されているので、これさえ購入すればまず大画面を楽しむにあたって問題はないはずだ。高画質だけでなく多機能であることも含めて、初めてのプロジェクターを選びたい人に、まず手にとってみて欲しい入門向けの一台と呼べるだろう。

(折原一也)

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